先月、映画007シリーズの日本上映開始から60年を記念して4Kレストア版を映画館で上映する「BOND60 007 4Kレストア」第2弾のひとつ、1987年公開『007 / リビング・デイライツ』を観に行ってきた。

 

 

全国各地の映画館で上映されているとはいえそんなに多くはなくて限定的だし、各映画館ごとに5作品を日替わり上映で、しかも時間もまちまちだったことから、自分の都合に合わせて観に行く予定を立てるのがじつに難しかった。で、なんとかお目当ての『007 / リビング・デイライツ』は第2弾が公開される11月17日から11月30日までの二週間で、一週間ごとに各一回、合計二回観に行けた。

 

『007 / リビング・デイライツ』、日本では1987年12月12日の封切りで、当時自分は中学二年生。テレビではなく初めて劇場で観る007シリーズということもさることながら、当時から作品の素晴らしさに感銘を受けて、いまだもって007シリーズの中で一番大好きな作品なのである。それを36年ぶりに映画館でまた観られるなんて…、じつに感慨深かった。

 

自分は『007 / リビング・デイライツ』バカ

 

007シリーズはAmazonプライムビデオにあるから自宅の書斎でいつでも観られる。だけど、そういうわけで、二回観に行ったうちの一回目は、はるばる新宿ピカデリーまで時間と交通費を掛けて観に行くことに。ひさびさの新宿、この前来たのはやはり映画を観るためで、映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』に出てきたタイムマシンのベースとなったクルマ、デロリアンの生みの親、その自伝映画『ジョン・デロリアン』だったかと思う。まあとにかく久々だったんで、おのぼりさんのごとく映画を観るついでにいろんなところをウィンドウショッピングしたりしてきた。で、レコードショップ「ディスクユニオン」の中古センターを覗いてみたら、レコードコーナーにちょうど『007 / リビング・デイライツ』が日本で劇場公開された頃に日本はもとより世界中で流行っていたジョージ・ハリスンの7インチ・シングル「セット・オン・ユー」(1987年11月10日発売)があったのだ。

 

Got My Mind Set On You / セット・オン・ユー(George Harrison / ジョージ・ハリソン)1988 : 洋楽和訳 Neverending Music (blog.jp)

 

ただ、自分はレコードプレーヤーを処分して久しく、いま聴いている環境はDAP(デジタル・オーディオ・プレーヤー)だけだから、買っても無用の長物。あと、ペラペラのアナログレコードなんて折れたり曲がったりしたら嫌だなと神経使う荷物にもなるし…と、その日は購入するのはやめた。

 

そうしたら、家に帰ってきてからどうにも気になりだした。価格は当時の700円からちょいとプレミアが付いて1,780円也。買えない価格でもなかったし。しかし、再び新宿に時間と交通費を掛けてそれだけを買いに行くなんて…と後悔。

 

そんなこんなで、先述した「BOND60 007 4Kレストア」の『007 / リビング・デイライツ』をもう一回ぐらい観たいなと。新宿よりも近い、最寄駅から乗り換えなしに行けるところが、都合の良い日でやるし、時間も良い時間でやるし、そちらに行こうかと決めた矢先、一回目に行った新宿ピカデリーも別の日で都合が良い日にやるのもあったから、ついでに「セット・オン・ユー」を買ってこよう!と、そちらに変更した。

 

 

それが一回目に観に行った11月22日から一週間後の11月29日。

 

後で知ったんだけど、その日はなんとジョージ・ハリスンの命日だったのだ。

 

つまり、ジョージが自分に「買いに行きなさい」と天から啓示したのか!?

 

まあ、そんな戯言は置いておいて

 

新宿に着いたら速攻でディスクユニオン中古センターに向かう。現行品と違って中古品は一点モノ。誰かに買われてはしないかと心配で過ごした一週間ではあったけど、ちゃんとジョージ・ハリスンのコーナーに鎮座していた。安堵した気持ちで二回目の4Kレストア版『007 / リビング・デイライツ』を観ることが出来て良かった。

 

 

さて、ここで『007 / リビング・デイライツ』のあることに触れたい。上映時間は131分なのである。いまだとそんなに長くないと思われるだろうが、1987年当時だと120分を超えるアクション作品は稀である。LDソフトではAB面(一枚目)C面(二枚目)の三面を使った二枚組でもあったし。大好きな作品でほんと非の付けようなんかないんだけれど、あらためて「ちょっと長いんだよな」と五十路になった自分の尿意と闘いながら(笑)思った。

 

後半、本作の悪漢・コスコフたちが用事(ソ連から背任横領の軍資金を変換した密輸ダイヤで麻薬取引)で北アフリカからアフガニスタンへ向かうついでに、007と今回のボンドガール・カーラが拉致されたところからのパートが長く感じた。とくに007が麻薬を積んだ輸送機を奪取する空軍基地の戦闘が無駄に長い。あそこをサクッと短くすれば120分以内に収まることが出来たんじゃないかな。一方、エンディングクレジットのロールは当時だから長くもなく短くもなく。いまの映画は本当に長いね。

 

この記事を書いているとき、友人からクリスマスプレゼントが届いた

映画の前半、007が亡命を手助けしたコスコフをセーフハウスに訪ねる場面で

乗っていたアストンマーチンのオープンカー

コスコフをもてなすためにHarrods(イギリスの高級百貨店)の

特選食品を入れたバスケットもあるという凝りよう