東映は配信事業に積極的であり、YouTubeの公式チャンネルでは“お試し品”として、日々いろいろな作品を無料配信している。昨日更新で出てきたものは、東映シアターオンラインで『特捜最前線』の第1話・第2話。

 

 

 

 

『特捜最前線』の最初期は、後に売りとなる練りに練られた脚本とネタになるくらいの地味な設定はまだそれほど出てなくて、それとは真逆のアクション色が強めで、当時ブームで百花繚乱状態にあった数多の刑事ドラマと違いを付けるため、費用は高いが“撮れ高”は優れている、ヘリコプターを使った撮影を売りにしていたのが、この第1話・第2話から見て取れるだろう。

 

それから東映時代劇YouTubeのほうでは、“幻の!”と云ってもいいくらいのレアな『五街道まっしぐら』の第1話・第2話。

 

 

 

なにせ、未ソフト化であり、スカパー!では未放送のまま、突如として出てきたのである。だから、その“界隈”は大騒ぎであった。

 

以前、当ブログでもこの作品を取り上げたことがあり、そのせいか、昨日以来、ブログのアクセス数が急騰しているのが嬉しい。

 

妖怪ウォッチな時代劇「五街道まっしぐら」 | 茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry (ameblo.jp)

 

さて、8月に入ったので、スカパー!の各チャンネルは来月9月のラインナップを一斉に発表した。

 

ホームドラマチャンネルでは、蔵出し作品として、日本テレビが土曜9時の「グランド劇場」枠で1977年1月~2月に放送した『一丁目物語 ゴッドマザーの二度目の青春』なる作品を出してくる。

 

一丁目物語 ゴッドマザーの二度目の青春|ホームドラマチャンネル (homedrama-ch.com)

 

通称・長いタイトルシリーズの一編。1970年代後半の土曜9時と云えば、TBSが1975年5月から放送を開始した『Gメン’75』が猛威を振るっていていたころであり、それに対抗する日本テレビは内容がいたって普通のホームドラマながらも新聞のラテ欄に載るその長いタイトルでインパクトを付けようと画策した。インパクトだけが勝負どころだから、当時は半年間2クールがドラマ番組では基本的なところをその半分の1クールにも満たない、いわゆるミニシリーズで矢継ぎ早に“長いタイトルシリーズ”をどんどん送り出していったのである。結局、それは功を奏したとは云えず、11作品日の1977年5月~6月放送『魔女と呼ばれる占い師は自己革命を夢みてた』で終わりを遂げてしまう。そして、その後もあの手この手を尽くして対抗するものの、やはり『Gメン’75』の土曜9時寡占状態は崩せなかった。が、1979年春改編期にターニングポイントが訪れる。

 

「Gメン’75」を喰った水谷豊主演「熱中時代・刑事編」 | 茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry (ameblo.jp)

 

前年1978年秋改編期から金曜9時「金曜劇場」枠でやっていた水谷豊主演の大出世作『熱中時代』が社会現象となるまで話題を呼んで、後半は視聴率30%台を毎回連発し、その最終回には驚異の40.0%を記録。そのわずか8日後、今度は枠を「グランド劇場」に移して、同じ主演・水谷豊による『熱中時代・刑事編』がスタート。その初回から裏番組『Gメン’75』を視聴率ではダブルスコアで大差を付けて圧勝し、『Gメン’75』は絶頂期からいきなり下り坂を転げ落ちていく。そして以後しばらくは日本テレビが土曜9時の覇権を獲るに至ったのだ。

 

おっと、話が横道に逸れてしまったな。以前にも書いたが、日本テレビはスカパー!に直轄のチャンネルを持ってはいるんだけれども、他チャンネルへ外注作品(東映とかの制作プロが手掛けた作品)ではない自社制作作品(テレビ局が著作も持つ作品)を番組販売することにも他局と比べて積極的であり、ホームドラマチャンネルはお得意様のひとつである。この“長いタイトルシリーズ”も日本テレビ自社制作作品だったたことから、いままで出てこなかったし、上記のような理由で知る人ぞ知る存在だけに「まさか、これが!?」と驚きのものなのである。道が開けたのかな?、“長いタイトルシリーズ”、今回の『一丁目物語 ゴッドマザーの二度目の青春』だけではなく他のものもやってほしいところ。個人的には、竹脇無我が怪盗を演じ、彼を追っていた左とん平演じる警視庁刑事と一つ屋根の下で同居するコメディ作品『華麗なる大泥棒!四丁目の刑事の家の間借り人』は以前から観てみたいものの一つ。ちなみにノベライズ本もあり、オークションサイトなどでたまに出品されているのだが、珍品すぎて高いのでいまだ手が出せない…。

 

今年に入ってからの東映チャンネルは、テレビ朝日で1999年から昨年2022年まで長きに渡って続けてきた「木曜ミステリー」枠の、いまとなってはレアなその最初期作品を出してくるのが積極的で、もう放送は済んでしまったが、6月には橋爪功主演『京都迷宮案内』第1シリーズ(1999年1月~3月放送)、この8月は古谷一行主演『京都始末屋事件ファイル』(1999年7月~9月放送)、そして9月からは『舞妓さんは名探偵!』(1999年4月~6月放送)と立て続けに出してくる。『京都迷宮案内』はテレ朝チャンネルにおいてシリーズでやったことがあったが、『始末屋』と『舞妓さん』のほうは蔵出しである。

 

東映チャンネル | 京都始末屋事件ファイル 8月15日(火) 放送スタート!毎週(火)15:00~17:00 (toeich.jp)

 

東映チャンネル | 舞妓さんは名探偵! 9月19日(火) 放送スタート!毎週(火)15:00~17:00 (toeich.jp)

 

『京都始末屋事件ファイル』は、古谷一行主演、京都が舞台、必殺シリーズを現代に置き換えた亜流作品、というのが、ワタクシがそのファンの第一人者として自負する『京都マル秘指令 ザ新選組』(朝日放送-松竹、1984年2月~5月放送)と共通事項なことから、かねがね観てみたかった作品。

 

「天誅 闇の仕置人」のここが「京都マル秘指令 ザ新選組」だ! | 茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry (ameblo.jp)

 

『舞妓さんは名探偵!』はこの連ドラ版の前に、アイドル絶頂期だった酒井法子主演で2時間サスペンスドラマとして1988年から1990年にかけて毎年一作ずつ三作品作られている。2019年にホームドラマチャンネルで三作品まとめて放送されたことがあって、本放送当時は未見だったのだが、それがなかなか面白かった。一方、こちらの連ドラ版は、酒井美紀のファンじゃなかったが、当時に何気に観ていた記憶がある。それから十年程前に、視聴が叶わない、神戸のサンテレビで再放送されたことがあって、そのときからまた観ていたいなあと思いを抱いていたから嬉しい。

 

うーん、TSUTAYAのレンタル事業縮小問題など書きたいことがあるのだが、長くなってしまうので、また今度!

 

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