以前、『太陽にほえろ!』に出ていた初代ソアラの変遷を当ブログにて綴ったことがある。
「太陽にほえろ!」に出ていた初代トヨタ・ソアラを追え! | 茶屋町弥五郎の趣味シュミtapestry (ameblo.jp)
自分で云うのもなんだが、かなり詳細に記したから、まさに「決定版」とも云える内容になっているかと思う。しかし、もっと探求したいことが出てきたので、それを調べて、不定期にはなるけれど連載形式で発表していこう。
探求したい“それ”というのは、各回における乗車履歴のこと。まさに、しらみつぶしに調べまくるのである。
「誰がどのように乗っていったか?」を調べることによって、『太陽にほえろ!』におけるソアラのキャラクター性をあぶり出していきたいと思っている。
今回の「その1」では、初登場した第459話「サギ師入門」・第460話「スニーカーよ、どこへ行く」の二本撮り分から第475話「さらば!スニーカー」・第476話「ラガー刑事登場!」の二本撮り分まで。第477話からは、ソアラはそのままで、姉妹車の二代目セリカXXが番組に追加投入されるから、ここがちょうど良い区切りであろう。
459 スニーカー・ドック、ドック(乗り込む寸前)、ロッキー(次回予告編のみ)
460 スニーカー
461 ロッキー・スニーカー
463 ドック・ゴリ、ゴリ
464 スニーカー・ロッキー、ゴリ・スコッチ、スニーカー・(ロッキー降車して歩行)
465 無人で駐車状態、ドック
466 ゴリ
467 代車の初代セリカXX … スニーカー・スコッチ
468 代車の初代セリカXX … スニーカー
469 ロッキー・スコッチ
470 なし
471 ロッキー・スコッチ、ロッキー・スニーカー、ゴリ・スコッチ
472 スニーカー・ドック
473 スニーカー・長さん、ロッキー、スニーカー・ロッキー
474 なし
475 スニーカー・ドック、スコッチ、ロッキー・スコッチ
476 ゴリ・ラガー、ラガー・ゴリ
【注釈】
* 連名で二人記してあるのは二人乗車で、前者が運転手、後者が助手席。
* 第459話の次回予告編には、本編に使用されなかったカットが使われていて、ロッキーが独りで乗っているカットがあった。
* 第464話は、街で尾行を始めるためにスニーカーが超低速で運転していて、助手席から降車したロッキーが並行して歩き始めているという場面。
* 第465話は強盗の襲撃があった銀行へすでに駆けつけていて駐車しているというカット。出演者がいないでソアラのみが映されてるというのは第476話まではこの回だけ。
* 第467話と第468話の二本撮りには、以下の当ブログ記事で既に取り上げていたことにソアラの代車として撮影時販売末期の初代セリカXXが登場。
徒然なるままに、クルマを中心に「太陽にほえろ!」 in 1981 | 茶屋町弥五郎の趣味シュミtapestry (ameblo.jp)
* 第469話と第470話の二本撮りは鹿児島ロケの前後編。前編冒頭で、七曲署管内での捕り物に登場したが、後編はほぼ鹿児島ロケで占めていたことから出番はなかった。
この当時、七曲署捜査一係は、クラウン・ターボ、チェイサー、そして題材にしているソアラ、おおまかに数えてその三台の捜査車両があった。クラウン・ターボは、山さんのほぼ専用車両となっていて、当時まだまだ珍しかった自動車電話が付いているのがポイント。第465話からのソアラ登場と重なってボス役の石原裕次郎が大病で番組から一時退場していたことにより、“電話番”と“無線係”も山さんが受け持つことになり、刑事部屋ではなく屋外で電話のやりとりをする場面でその威力を発揮していたのだ。
チェイサーは汎用扱いで、誰かが専用で運転していたという印象は見受けられなかった。ただ、4ドアなんだけど、ほとんどの場面では二人乗車。これはチェイサーに限らず、『太陽にほえろ!』の4ドア車両における撮影スタイルかと思う。一方、『Gメン'75』では4ドア車両にせせこましく4名乗車という印象が強い。
ソアラ登場時の『太陽にほえろ!』を特集した雑誌記事によれば、“若手が愛用”と記されている。最初の初代ソアラ(金茶ツートンの2800GT EXTRA)はトータルしてゴリさんが運転していたイメージが強いのだが、“若手が愛用”の通り、スニーカーとロッキー、ドックに集中。とくに「二人同乗の場合は、年少者が運転手」という不文律から、スニーカーがステアリングを握っている場面ばかりであった。
話は少し逸れるが、自分の友人は身長180センチ越えで体格的に『太陽にほえろ!』新人刑事役の基準をクリアしている。その友人は大学生時代に子供のころから憧れだった二代目ソアラを中古で購入して乗っていて、社会人になったら金回りが良くなったので新車の100系マークII(姉妹車にチェイサーとクレスタ)に買い替えたところ、運転席がそれまでのソアラよりも狭いことが不満で、すぐ別の車に買い替えてしまった。
そのことを念頭に置いて今回チェックしてみると、若手刑事たちがチェイサーに乗っているよりも、ソアラに乗っている場面のほうが、映える画となって見える。ソアラやほぼ同じサイズのセリカXXが長期間重用されたのは、そういったところが理由にもなっているのではないかな。