州外に運び出すと密輸品となるクアーズのビールを積み込んだトラック野郎の囮となって、バート・レイノルズ演じるスピード狂のバンディットが“ザ・アメ車”のポンティアック・ファイヤーバード・トランザムを爆走させて、各地の州をまたぎながらパトカーの取り締まりを次々と振り切る映画、それが1977年公開の『トランザム7000』。

 

ビデオテープの時代からソフト化がなされ、LD、DVD、そしてBlu-rayの今日まで絶えず続いているのだが、1982年に初放送以来幾度となくやっているテレビ放送版の吹替え音声が入っていないのが玉にキズだった。だがしかし、いよいよそれが収録されたモノが出る。

 

「ユニバーサル思い出の復刻版」シリーズのひとつとして11月10日に発売予定。

 

トランザム7000 ユニバーサル思い出の復刻版 ブルーレイ | ユニバーサル100周年 (uni-100.com)

 

『トランザム7000』は1982年4月にフジテレビの土曜9時からやっていた「ゴールデン洋画劇場」枠で初放送。前年末に正月映画として公開された、同じ主演バート・レイノルズ&監督ハル・ニーダムのカーアクション、そしてコメディ作品『キャノンボール』が同時期公開の『レイダース/失われたアーク 《聖櫃》』よりも当たった直後だけに大好評で、翌1983年9月末の改編期に同枠でアンコール放送されたほどである。当時小学生だった自分、土曜の夜9時台といえば、フジテレビの「ゴールデン洋画劇場」よりも、日本テレビの連続ドラマ枠「グランド劇場」を毎週観ていて、まあ土曜は11時までは起きてていいことになっていたから、9時台の前半はそちらを観ていて、10時台の後半は観ていたんじゃないかと思うのだが記憶は定かではない。記憶にあるのは、1986年9月に日本テレビの深夜ローカル枠でやったもの。ビデオに録って翌日観た覚えがずっと残っていた。

 

それ以降しばらく吹替え版の『トランザム7000』には巡り合えなかったのだけど、2009年にテレビ東京の「午後のロードショー」枠で放送されたもので再会。一応、録画で残しておいたものの、ソフトが欲しくなって調べたところ、続編の『トランザム7000 VS 激突パトカー軍団』やら続々編『PART3』はちゃんと日本語吹替えが入っているのに、肝心かなめな第1作には収録されたものがなかったのだ。それから何年かに一度、どうなっているのかなとチェックしてみても一向に日本語吹き替えが収録されていないものばかりで歯痒かった(まあその間にBSテレ東やらスカパー!のザ・シネマで吹替え版をやったりしてたのだが)。で、ようやく今回の「ユニバーサル思い出の復刻版」で果たされるというわけ。

 

さて、奇遇にも『トランザム7000』関連のアイテムが先日発売となった。書店売りで展開するデアゴスティーニの「アメリカンカーコレクション」という1/43スケールのディスプレイ・モデル(いわゆるミニカー)が毎号一台ずつ入っているもので、9月28日発売の最新第3号が、ポンティアック・ファイヤーバード・トランザムなのである。

 

隔週刊 アメリカンカー コレクション | シリーズトップ (deagostini.jp)

 

 

アメリカンカー コレクション | 最新号・バックナンバー | DeAGOSTINI デアゴスティーニ・ジャパン

 

1977年モデル、オプションのTトップ仕様、ボディカラーは黒、まさに『トランザム7000』に出てきたそのものなのだ。ただ、劇中の仕様であるCB無線のアンテナやナンバーまでは残念ながら再現されていない。それをやるとユニバーサル映画の版権仕様になってしまい、とてもじゃないが1,990円では売れないし…。まあとにかく買って損はないアイテムとなっているからオススメしておきたい。それで購入するときに老婆心ながら注意をすれば、ネット通販よりも書店で現物を品定めするのが吉。1/43のディスプレイ・モデルだとその価格が5千円とか1万円は普通にするところ、1,990円の大量生産品だから個体差があって、具体的に申すと塗装の乱れが目立つのもなかにはある。自分は発売日に書店を二軒廻って、合計6品のなかから「これなら不満はないナ!」というものを選び出した。