前回の記事で、日本映画専門チャンネルに苦言を呈した後、その公式サイトから毎月届くメールマガジン「日本映画専門チャンネルEXPRESS!」が届いた。12月のラインナップが速報されている。なんというか、映画作品よりもテレビ番組作品よりにますますシフトしていっている。この編成、どうなんだろうか…。
日本映画専門チャンネルはその名のとおり、かつては邦画を専門に放送するチャンネルであった。たしかに、以前から邦画以外に日本のテレビドラマも、親会社のフジテレビや東宝がその時期に推す〝旬〟の劇場公開における関連作品として取り扱ってきたのだが、どっしりと邦画放送をメインに置いていた。しかし、2015年7月から編成方針が大幅に変わり、その時期に劇場公開するものや特集放送する映画作品とはまったく無関連なテレビドラマを拡充し、加えてVシネマなんかも取り扱い始めるなど、「日本映画専門」とは言えないものとなっている。
たとえば、来週10月16日(月)の番組表を見てみると、その日24時間放送するうち、8時間がテレビドラマで、3時間がVシネマなのである。
日本映画専門チャンネル 週間番組表(10月16日~10月22日)
https://www.nihon-eiga.com/timetable/20171004.html
それで上述した2015年7月以後にここで放送するテレビドラマは他チャンネルですでにやっていたものばかりで魅力がなかったのだが、12月放送分は、ちょっとは気合が入ったようなものをやってくれる。
というわけで、メールマガジンには〝転載してはいけない〟とは書いていなかったので転載してみる(本放送時の枠や日付などは当方で加筆)。
<12月放送作品>
東京12チャンネル(現・テレビ東京)で1972年から1973年に掛けて放送された
「私が作った番組 マイテレビジョン」SEASON 1
(美輪明宏/永六輔/戸川昌子&野坂昭如の回を放送)
12月は池広一夫が手がけたサスペンス作品を放送!
「嫁・姑殺人事件」 (テレビ朝日「土曜ワイド劇場」 1985年9月28日放送)
「十字路に立つ女」(テレビ朝日「土曜ワイド劇場」 1991年9月7日放送)
「家族ゲーム」 (テレビ朝日「月曜ワイド劇場」 1982年11月8日放送)
「家族ゲーム2」 (テレビ朝日「月曜ワイド劇場」 1984年3月12日放送)
「万引夫人のとんでもない誤解」(テレビ朝日「土曜ワイド劇場」 1984年9月1日放送)
「見込み違い夫婦」(テレビ朝日「月曜ワイド劇場」 1985年9月16日放送)
他にも大林宣彦演出による「麗猫伝説」(日本テレビ「火曜サスペンス劇場」 1983年8月30日放送)、「可愛い悪魔」(日本テレビ「火曜サスペンス劇場」 1982年8月10日放送)。なお、この二作品はどちらも円谷プロダクションによる製作。
以上。
再度断りを入れさせていただくと、昔のテレビ番組が好きなだけに「日本映画専門なのにテレビドラマを放送するな!」とは言わない。他チャンネルでやったことないような、そして実現不可能だった蔵出し作品(CS初放送&未ソフト化)が観たいのである。
なので、そろそろ日本映画&テレビ専門チャンネルと名称を変更しても良い頃ではないか?、そして親会社の東宝、角川大映、フジテレビが製作著作を持つ、無尽蔵で魅力的なコンテンツをスカパー開局当時のように再度花開かせる時であろう。