毎年4月はじめに「198X年春のテレビ番組選び」と題して、表題の頃に観ていたテレビ番組の想い出を語っていたのだけど、多忙続きでブログがなかなか更新出来ずに、いまの時期まで来てしまった。というわけで、今年は“春”に替わって“初夏”のテレビ番組選びと題して、1982年のその頃を取り上げてみたい。

 

1982年、自分は『太陽にほえろ!』と『西部警察』に夢中な小学三年生であった。まずはここらへんからのことを。

 

『太陽にほえろ!』は前年1981年秋に渡辺徹が演じた新人のラガー刑事として登場し、翌1982年2月に「必殺仕事人」シリーズで人気を得ていた三田村邦彦がクールなジプシー刑事として登場。若手リーダー格の神田正輝=ドック刑事と含めて、ミワカン・トリオとして番組にアイドル的人気が沸騰する。

 

MAN TAN WEB  太陽にほえろ!:ドック、ラガー、ジプシーが思い出語る 殉職への思いも

http://mantan-web.jp/2012/03/20/20120320dog00m200028000c.html

 

 

1979年秋にTBSが裏番組に『3年B組 金八先生』を出して来て以来、御存じの通り、金曜8時に独占していた『太陽にほえろ!』の人気と視聴率は急落していったものの、1981年の『2年B組 仙八先生』の頃には回復傾向となり、この1982年になると往時に迫る視聴率20%台後半を獲るまでになる。そして、前述のミワカントリオによるアイドル刑事路線で話題も掴むように。一方、TBSは1982年4月から始めた『3年B組 貫八先生』が10%前後と低迷して、金曜8時の桜中学シリーズが終了するに到った。

 

『西部警察』は1982年春に一旦区切りを付けて終了して『西部警察 PART-Ⅱ』へと衣替え。終了間際、人気絶頂だった寺尾聰が殉職降板(3月28日放送)して、かねてから病気療養中で降板していた石原裕次郎の復帰(4月4日放送)を改編期の最中に持ってきて、4月18日に最終回。しかし、翌週からすぐに後番組の『西部警察 PART‐Ⅱ』が始まったわけではなく、5週に渡って傑作アンコール、つまり再放送を挟むことになる。

 

ゴールデンタイムに再放送!?と、びっくりされるだろうが、当時は効果があったもの。まだホームビデオの普及率は高くなく、また再放送もされたことがなくて、なにより番組ファンの声があったから(ちなみに、同局の看板番組である「土曜ワイド劇場」も本放送枠で時折傑作アンコール=再放送をやっていた)。

 

4月25日 第1話「無防備都市 前篇」(1979年10月14日放送分)

5月2日 第2話「無防備都市 後編」(1979年10月21日放送分)

5月9日 第64話「九州横断大捜査網!!」(1981年1月4日放送分)

5月16日 第65話「博多港大決戦!!」(1981年1月11日放送分)

5月23日 第10話「ホットマネー攻防戦」(1979年12月16日放送分)

 

自分は『西部警察』を最初から観ていたわけではなく、途中から観だしたクチで、そうだなあ、一年くらい後のマシンXが出たあたりからだったので、この傑作アンコールは大歓迎だった。

 

そして、5月30日より待望の『西部警察 PART-Ⅱ』がスタートする。初回からの三話は新加入の三浦友和演じる沖田五郎のハードボイルドな設定がフィーチャリングされていて心をいっぺんに掴まされた。そして、番組開始間もなく、マシンXに替わるスーパーマシンのスーパーZ(フェアレディZ)とマシンRS(スカイラインRS)がマスコミ向けにお披露目されたのだが、劇中に出てくるのがなんと三カ月以上も先だったことでやきもきした想い出がある。

 

当ブログ記事 「Dr.伊良部一郎」に西部警察のスーパーマシン登場

http://ameblo.jp/goro-chayamachi/entry-10847599988.html

 

 

『西部警察PART-Ⅱ』が始まった週に自分にとってもうひとつ大好物な新番組が始まる。6月4日、テレビ朝日系金曜9時枠で『ザ・ハングマンⅡ』がスタートしたのだ。黒沢年男に、名高達郎などおなじみの面々、前シリーズからブラッシュアップした、サスペンス、アクション、コメディー、そこにもちろん売りであるエロティックも絡ませて、『太陽にほえろ!』や『西部警察』にない世界観に驚喜していく。

 

当ブログ記事 チャンネルNECO「ザ・ハングマンⅡ」は9月10日から放送開始(*当時の記事タイトルのまま)

http://ameblo.jp/goro-chayamachi/entry-11903491549.html

 

 

1982年初夏の刑事&アクションドラマ一覧

 

月曜 なし

火曜 なし

水曜 TBS『噂の刑事 トミーとマツ』、テレビ朝日『特捜最前線』

木曜 なし

金曜 日本テレビ『太陽にほえろ!』、テレビ朝日『ザ・ハングマンⅡ』

土曜 なし

日曜 TBS『刑事ヨロシク』、テレビ朝日『西部警察PART‐Ⅱ』

 

さて、70年代後半から長らく続いた刑事ドラマブームは1981年に終焉となって、いよいよ減少傾向に入っていく。日曜日のTBS『刑事ヨロシク』とは『西部警察PART‐Ⅱ』と同じ8時台で久世光彦率いるカノックスの製作&ビートたけし主演による、徹底的に刑事ドラマを茶化したコメディードラマ。ちなみに、当時のNHK大河ドラマは経済的見地から「忠臣蔵」を取り上げた『峠の群像』、日本テレビは久々の青春学園ドラマで、あだち充原作の『陽あたり良好!』といったもの。

 

当ブログ記事 「陽あたり良好!」で80’sを振り返る

http://ameblo.jp/goro-chayamachi/entry-10866870510.html

 

 

それで大雑把に視聴者を分けると次の通りになるかと思う。

 

『峠の群像』→大人、もしくはテレビが一家に一台しかないところ
『陽あたり良好!』→女子小中高生
『刑事ヨロシク』→男女中高生
『西部警察 PART-II』→男子小中学生、女子高生
ちなみに大学生はテレビを観ない時代

『刑事ヨロシク』なんかは友達の姉(中学生)が熱心な視聴者で、主題歌「ライオンは起きている」のレコードをその家で聴かされた記憶なんかが残っていたりする。

 

当時、他に熱心に観ていたドラマは日本テレビ土曜9時「グランド劇場」枠の石立鉄男主演『天まであがれ!』(1982年4月10日~1982年10月2日まで)。土曜日の夜といえば、TBSが独壇場ではあったが、80年代に入ると、もうその時代は終わりを遂げていて、自分的には土曜8時『オレたちひょうきん族』→土曜9時「グランド劇場」枠の流れは鉄板で、前後の堺正章主演『キッド』(1981年9月5日~1982年3月27日まで)、水谷豊主演『あんちゃん』(1982年10月23日~1983年4月23日まで)も含めて、『太陽にほえろ!』や『西部警察PART‐Ⅱ』同様に一週も欠かさず観ていたはず。それくらい現在でも思い入れが強いのだが、当時を振り返る資料というのがないのだな。えっ、だったら奇特なオマエが作れって?