ファミリー劇場で平日の9時から放送している『気になる天使たち』が最近の毎朝の楽しみ。


しかし、リピート放送が週に何回かあるCSの番組において、『気になる天使たち』は朝9時からの一回かぎりという録画に気が抜けない危うさ。この作品、過去にファミリー劇場で放送したことあるのかな?、1998年にCS導入してそれ以来、ファミリー劇場を常に契約してて観ているけど、いままでお目に掛かった記憶がない。


ファミリー劇場 『気になる天使たち』番組案内

http://www.fami-geki.com/detail/index.php?fami_id=00666&date=20110427


作品のプロフィールを軽く説明すると、1981年4月期からの1クール13回もので、フジテレビの月曜夜8時から放送されていた。裏番組には、TBS『江戸を斬るⅥ』や、番組を『ザ・ベストテン』に倣ってランキング形式の歌番組にリニューアルしたばかりの日テレ『ザ・トップテン』など強豪ひしめく時間帯。ちなみに、テレ朝は松平健主演の刑事ドラマ『走れ!熱血刑事』というこれまたレアな作品を持ってきている。当時この時間帯、自分は歌謡曲大好きだったから、『ザ・トップテン』を観ていた記憶があるから、『気になる天使たち』のことはリアルタイムでは全く覚えていない。


ただ、昔のドラマを趣向するようになって、倉田まり子のファンに会えば必ずといっていいほどに「気になる天使たち」のことを挙げられるので、作品名だけはなんとなしに覚えていた。今回の放送でようやく視聴が適って観てみたところ、倉田まり子の役どころは、主演の名高達郎演じる独身の高校教師の受け持ちクラスの生徒であって、下宿している隣家の娘で、名高にときに反発したり、ときに慕ったりするという主要なレギュラーキャスト。たしかに、ファン必見な、なるほどと思える。


他の女子生徒役には、前月まで放送していたTBS『ウルトラマン80』でユリアン役をやっていた萩原佐代子や、これまたテレ朝で前月まで放送の『生徒諸君!』の主演、上田美恵などの若手女優が出ている。でも、「生徒諸君!」といえば、みんな必ずキョンキョンの映画版のほうを挙げる。絶頂期に入ったときだったし、主題歌の「スターダストメモリー」も流行ったしね。


で、じつは上田美恵は、キョンキョンとこの直後にドラマで共演しているのだ。キョンキョン初の主演ドラマであり、代表作ともなったTBSで放送された大映ドラマ『少女に何が起ったか』で、クラスメイト役のひとりとして。キョンキョンが前述の「スターダストメモリー」で歌番組に出演していたとき、「ザ・ベストテン」や「ザ・トップテン」などへは『少女に何が起ったか』の収録スタジオ(東京都調布市の仙川スタジオ)からの中継が多くて、毎回のようにドラマのセットのなかで歌ったり、歌唱前の共演者とのやりとりのなかで、ひょっこり上田美恵が出ていたりしている。


おっと、またまた横道に逸れてしまった。イカンイカン。


さて、『気になる天使たち』は、東宝の制作によるもの。フジテレビ月曜8時の前番組はたのきんトリオが出ていた『ただいま放課後!』で、こちらも東宝だからして、同じく教師と生徒が私生活を中心に絡む青春ドラマということで、その流れを受け持つものだけど、「ただいま放課後!」はシリーズごとにたのきんのメンバーが歯抜けのように出なくなっていって失速感が否めなかったように、出涸らしみたいなこのドラマは「面白いか?」と問われれば、「うーん・・・」というもの。だいたい、名高達郎と相手役に志穂美悦子が出ているのに、アクションするわけでもなく、二人して単に生徒やご近所の悩みごとに頭を抱えているだけ。それから、倉田まり子の父親役で小松方正が出ていて何か悪事を企んでいるわけではなく、その娘を溺愛する父親というなんとももったいない使い方だ。


だから、この前の当ブログでも取り上げた『陽あたり良好!』を翌年作り出した同じスタッフらによるものと思えないほどに、あの突き抜けた面白さとはほど遠い。これはやはり革命的だったフジテレビの「楽しくなければテレビじゃない!」宣言の直前だっただけに、「振り返れば東京12チャンネル」、「子供番組以外は観るモノがない」などと揶揄されていた、あの頃の前時代的なフジテレビの暗さ、というか風通しの悪さ(笑)を如実に感じる。まあ、それはそれで貴重ではあるが。