本作品の劇場公開は、1990年4月14日(土)。そして撮影は前年1989年末から1990年3月にかけて行われていた。時代設定はリアルタイムで、作品内で収録されるテレビ番組の台本の日付から1990年3月9日と読み取れる。物語はその収録場面を含めてそれ前後の出来事が綴られていく。

主役である万城目淳、江戸川由利子、戸川一平らは架空のテレビ局、TTVの報道局員という役柄で、その架空のテレビ局のモデルで、ロケ先としても本作の協力企業の一つとなっている東京赤坂のTBSの局舎が使われている。現在の局舎ではなく、旧局舎で、1987年の同局のヒットドラマ『パパはニュースキャスター』によく登場していた玄関ロビーの大階段や、珍しいところでは社員食堂なども使われた。


局舎の壁にかかる新番組の垂れ幕や局舎内のポスターに、本作の主人公たちが携わる架空の番組『古代史スペシャル』のほかに、1990年1月から3月期に実際に放送されていたドラマのもあった。賀来千香子主演の『びんた』や高嶋政伸主演の『ホテル』、今井美樹主演の『想い出にかわるまで』、中山美穂主演の『卒業』などなど。


私事ながら、当時は高校生のしがない身で、お金が無くても楽しめるラジオの公開収録イベントや深夜のテレビ番組の観覧収録に出掛けるのが趣味の一つだった。とりわけTBSのはよく行っていた想い出がある。ただ、残念ながらTBSは局舎は入ったことがなく、もっぱら近隣の舞台と常設の客席があるTBS会館というところではあったが。


この1990年のテレビ局が舞台の一つになっている映画というのは他にもあって、2007年制作の『バブルへGO!! タイムマシンはドラム式』は、バブル景気に歯止めを掛けて以後不況に陥らせた大蔵省による総量規制が発表される1990年3月が舞台。当時の東京の街並みや人々のファッションまで限りなく再現された作品で、制作元のフジテレビの局舎の場面もあって、当然現在のお台場ではなく新宿の河田町の旧局舎。撮影当時、すでに旧局舎は取り壊されていたが、セットで本館のあのガラス張りの長い玄関が再現されていて、飯島直子が当時はまだペーペーだった本人役で.、さらに当時流行のソバージュの髪型でキメてて、かなり凝ったカメオ出演をしている。


フジテレビの本館玄関といえば、TBSの『ザ・ベストテン』や日テレの『トップテン』シリーズなどのおなじみの中継先として、また自局の『とんねるずのみなさんのおかげです』や『夕やけニャンニャン』にもよく登場していた。


さて、『ウルトラQザ・ムービー 星の伝説』についてはまだまだ語りたいことがあるので、次回に続く!


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