今月3月27日、いよいよベストフィールドから『京都マル秘指令 ザ新選組』コレクターズDVDが発売される。

 

 

 

当ブログではそれを記念して、本作が番組としてどのような成り立ちであったのかと全13話の各話を事細かく紹介していこう。

 

 

1980年代前半、テレビ朝日系列における金曜のプライムタイムは活気に満ちていた。その入り口の7時からは国民的アニメ『ドラえもん』、7時半からは実写特撮ドラマ『宇宙刑事ギャバン』などそれまでにない新しさの東映メタルヒーローシリーズ、8時からは裏番組『太陽にほえろ!』の視聴率を凌駕するようになった新日本プロレスリングの中継番組『ワールドプロレスリング』、そして9時と10時からがどちらも準キー局の朝日放送が制作局となった一話完結型の連続ドラマで、9時からが現代劇の「ハングマン」シリーズや「赤かぶ検事奮戦記」シリーズ、10時からが時代劇の「必殺」シリーズとなっていた。

 

 

本作『京都(秘)指令 ザ新選組』はその最中である1984年2月17日から同年5月18日まで、金曜9時の現代劇枠にて全13話が放送されたものである。制作プロは松竹で、実制作は当時“西の松竹”と云われた京都映画撮影所(現・松竹撮影所)が担当。次時間帯10時からの「必殺」シリーズを1972年の放送開始以来手掛けていたところで、本作が放送されていた当時は藤田まこと演じる中村主水が主役の『必殺仕事人Ⅳ』が放送されていて抜群の人気を集めていた。また、同じく朝日放送が月一の割合で制作局となっていたテレビ朝日系土曜9時から放送の2時間サスペンスドラマ枠「土曜ワイド劇場」には現代劇作品の「京都殺人案内」や「京都妖怪地図」をシリーズで何作も担当していた他、この金曜9時枠において1980年より放送の「赤かぶ検事奮戦記」シリーズをそれまで三作重ねるなど現代劇においても実績を持っていたのである。

 

金曜9時枠は1980年秋から放送の松竹芸能制作『ザ・ハングマン』がウケにウケて大当たりを出して以後シリーズを重ね、それを軸にして松竹(京都映画)制作の「赤かぶ検事奮戦記」シリーズ、テレパック制作の「女捜査官」シリーズが1クール分のつなぎ番組として支えることとなり、この黄金期ともいえるテレビ朝日系列金曜プライムタイムの一翼を担うこととなっていく。

 

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1984年、朝日放送はさらなる高みを目指して金曜9時枠を一番の売りであった「ハングマン」シリーズのテイストへ“全振り”することに。出演俳優とスタッフらによるスケジュールの都合で翌年春からの放送予定だったが、この1984年中に撮影されることになった『特命刑事 ザ・コップ』はその漫画原作にはない「ハングマン」シリーズのテイストを取り入れた。そして、前番組『新ハングマン』の後番組として松竹(京都映画)が担当する1クール分は、本来ならば順当に「赤かぶ検事奮戦記」シリーズが制作されるところ、一話完結型の連ドラ形式で作ってきたため、推理小説家・和久峻三によるその原作を急速に消化してしまったことから、この1984年の段階では新作の原作ネタを1クール分揃えられなかったのもあって、その替わりに京都版「ハングマン」シリーズの位置づけとして本作を制作するに至ったのである。であるからして、そのスタッフ陣は「赤かぶ検事奮戦記」シリーズとほぼ一緒で、レギュラー俳優陣やゲスト俳優陣らを支えるモブ俳優らもおなじみのエクラン演技集団が参加している。

 

 

しかしながら、メインのレギュラー俳優陣は「赤かぶ検事奮戦記」シリーズとも「必殺」シリーズとも出たことがない、それまでにない新顔ばかりを揃えた。ザ新選組リーダー格の土方役で主演の古谷一行は前年に不倫ドラマ・ブームの嚆矢となったTBS『金曜日の妻たちへ』(制作:TBS)の主演で当たり役を得たり、本作の放送終了後は1984年10月からフジテレビ系にて放送された海外ロケドラマ『オレゴンから愛』(制作:フジテレビ)でも主演して評判を呼ぶなど俳優として最高潮な時期であった。刑事ドラマに喩えれば“おやっさん”役となるザ新選組の局長・山田役を演じた横山ノックは本作が生涯唯一の連続ドラマにレギュラー出演したものとなっている。当時、レギュラー番組をいくつも抱え、さらに国会議員としても活動する多忙の身であり、それ故に拘束時間が長く取られるフィルム撮影の連続ドラマへは出演依頼があっても断りをいれていたのだが、朝日放送側プロデューサーの奥田哲雄はドラマ制作部署に移る前はバラエティ番組の制作部署に居て、それ以来の仲で絆されたとのこと。この後も朝日放送と松竹(京都映画)が制作するドラマにチョイチョイ出演するなど、本作出演は良い感触を残すこととなった。

 

修行僧の日渓役を演じたガッツ石松はプロボクサーの現役引退後からドラマ出演を重ねていて、本作放送当時は社会現象を巻き起こしていたNHKの朝ドラ『おしん』にも出演していて誰もが知る顔であった。前年には『太陽にほえろ!』(制作:日本テレビ-東宝)と本作の前番組『新ハングマン』にもゲストで出るなどアクションドラマ付いていた。ザ新選組を束ねる女傑で、表向きの家業は炉端焼き「壬生屯所」の女将・斉藤美雪役で出演の春川ますみだけは本作のルーツとなった「赤かぶ検事奮戦記」シリーズ固定レギュラー。「赤かぶ検事奮戦記」シリーズのほうでは惚けたキャラなのだが、本作では180度違う凛々しさで驚くことだろう。なお、「赤かぶ検事奮戦記」シリーズで夫役兼主演の赤かぶ検事役を演じたフランキー堺は、本作の後々番組『ザ・ハングマン4』でハングマンたちに指令を出すゴッド役でレギュラー出演して振り分けられた。で、京都版「ハングマン」の本作にもゴッド役はいて、モデルとなった新選組に倣って“御前”と呼ばれるミステリアスな大物役に池部良がキャスティングされている。

 

春川ますみの娘役で祇園の芸妓・一子に、アイドル歌手出身で当時は女優からバラエティタレントまで幅広くこなしていた甲斐智枝美。当初は別のアイドル歌手(倉田まり子)が甲斐の演じた役に起用される予定ではあったのだが、諸般の事情で変更された。だけど、春川ますみと甲斐智枝美は似通った面立ちだから母娘として納得のキャスティングなのである。なお、ガッツ石松と甲斐智枝美は本作放送中の1984年4月からテレビ東京系列で放送が開始された時代劇『新 大江戸捜査網』(制作:テレビ東京-ヴァンフィル)に隠密同心らが通う飯屋を切り盛りする夫婦役で共演している。『太陽にほえろ!』と『俺たちは天使だ!』のような制作局も制作プロも一緒の姉妹作品に双方のレギュラーどうしが同時期出演しているのは多々あるのだが、制作局も制作プロも全く違うものへ同時期にレギュラーで共演しているのは珍しい。

 

謎の美青年・沖田役に京本政樹。本作への出演が「必殺」シリーズの組紐屋の竜となっていった。1980年代前半、京本は東映京都撮影所で撮られていたフジテレビ系の時代劇『銭形平次』(制作:フジテレビ-東映)にレギュラー出演していた折、主演の大川橋蔵から薫陶を受けることになり、師と仰ぐようにもなる。その大川が「必殺」シリーズの斬新さを説いていて、影響を受けていた京本は出演したい!と願うようになるも、制作局の朝日放送にも制作プロの松竹(京都映画)が作ったものにも出演したことがないからツテを持たなかったことで往生していたところ、朝日放送と松竹(京都映画)が制作する「京都殺人案内」シリーズのレギュラーであり、『銭形平次』で平次親分のライバル・三ノ輪の万七親分役を演じていたベテラン俳優の遠藤太津朗がワタリを付けてくれたことで門戸が開かれていく。かつて美大に通っていた京本は自ら描いた衣装案のイラストを持参して訪問し、スタッフらを驚かせた。その逸材ぶりで京本は歓迎されたのだが、すぐに出演出来る「必殺」シリーズの役に空きはなく、だったら、その前に同じスタッフらが作る現代劇へ出てみないか?と持ちかけられたのが本作となったわけである。「必殺」シリーズの組紐屋の竜は連続テレビドラマで二作品、劇場用公開映画でも二作品とわずかなものだが、現在においても演じた京本政樹ともどもその認知度と人気ぶりは抜群だけに、出演への切っ掛けとなった本作の初ソフト化はファン待望であろう。

 

https://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A000915/VEATP-27003.html

https://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A000915/VEATP-40699.html

京本は主題歌の「I Can't Say…」も担当

そのシングル及び収録アルバム『ラブレーの15分』は配信で聴ける

 

 

さて、そろそろ内容の方を見ていこう。だいぶ前に当ブログで詳しく書いたことがあって重複にもなることから、想像よりもはるかに斜め上を行く!? 京都版「ハングマン」と本家「ハングマン」シリーズの違いなんかについてはそちらを参照してもらいたい。

 

「天誅 闇の仕置人」のここが「京都マル秘指令 ザ新選組」だ! | 茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry

 

 

というわけで、ここからは書下ろしで各話のあらすじと見どころを紹介してみよう。

 

第1話「脅迫① 24億円の仏像をもらうぞ!」(1984年2月17日放送)

 

〇 あらすじ

ザ新選組は京都マフィアによって兼隆寺所蔵の国宝・勢至菩薩像が詐取されるのを阻止に動く。日本と中国の両政府高官、そしてその通訳と称するインテリ風の三人組が兼隆寺の責任者を訪ねてきて、中国へ菩薩像を貸し出しする話がまとまった。ザ新選組はその三人を尾行した結果、ヤクザの事務所に寄って馬脚を現したことで京都マフィアだと判明し、ならばと菩薩像の運搬車へ乗り込んだ三人をレーダー探知機搭載車で大追跡していく。

 

● 見どころ
何事にも秘密裏で動くザ新選組の象徴、古野電気製のデッかいレーダー探知機をルーフに積んだトヨタ・タウンエースがこの第1話から活躍。車載モニターで現在のカーナビみたいに京都市街の地図を色とりどりのコンピューターグラフィックスで表示して、そこを発信機の出す信号が刻々と動いていくという映像は1984年放送のものとして先進的だ。

 

■ 重箱の隅 情報

この第1話放送当日の午後2時から横山ノックがレギュラー出演する朝日放送のローカル番組『こんな時α』に主演の古谷一行がゲストでプロモーション出演。

 

 

 

第2話「脅迫② ナンバーワン芸者の強姦裏ビデオを作るぞ!」(1984年2月24日放送)


〇 あらすじ
京都マフィアは京都で一番人気な芸妓の裏ビデオを、それも付加価値として実際にレイプされている内容で作ることを計画する。ザ新選組は、若い沖田に芸妓の身辺警護を当たらせたのだが、プラバシーが無くなった芸妓から拒絶されて手を焼く始末。“彼氏と二人きりになりたい”という泣き落としに折れてしまい、沈着冷静なリーダー・土方の判断も仰がずに解いてしまった。その隙に、彼氏の弱みを握って通じていた京都マフィアがまんまと…。


● 見どころ
京都マフィアに狙われた芸妓役を演じていたのは、当時現役の日活ロマンポルノ女優だった小田かおる。そのまんまの世界を演じているのがスゴい。もうホント、それに尽きる。小田はこのゲスト出演を機にテレビドラマへと進出し、本作の後番組『人妻捜査官』(制作:朝日放送-テレパック)ではレギュラーを得たり、翌年の1985年に放送されたTBS『水戸黄門』第15部(制作:C.A.L)の第15話ではゲスト主演を飾るなど活躍し始めた。

 

■ 重箱の隅 情報

京都マフィアが奪ったモノをザ新選組が持ち主へ密やかに返す際、第1話と第2話では「新選組」と書かれた千社札が貼られているが、以降の回ではナシ。また、この第2話など初期放送回の台本においては、ザ新選組が京都マフィアを成敗する場面が、素顔ではなく、伏見稲荷に因んだ狐のお面を被って戦うシチュエーションであった。

 

 

第3話「脅迫③ 苔之寺の苔を石けん水で洗うぞ!」(1984年3月2日放送)

〇 あらすじ
苔之寺として知られる南芳寺でチンピラどもが弁当を食べ散らかして寺の僧侶たちと言い争いになった。チンピラどもは僧侶たちから「きっちり元通りに」との言質を取ったことから、今度は苔之寺の苔も洗い流すと因縁を付けて連日騒ぐようになる。ザ新選組がこのチャチな強請りを探ると、暴力団が二組も共同で動いているのを知り、京都マフィアの影を感じた。その頃、かつて日本一の経師屋と呼ばれた老人に京都マフィアが大金を積んで“裏技”の仕事を頼んできた。

● 見どころ
侘しく余生を送っている経師屋の役でゲスト出演した下元勉の元奥さんは山田五十鈴。撮影及び放送当時、同じ京都映画撮所で撮影の『必殺仕事人Ⅳ』にレギュラー出演中。二人は果たして顔を合わせたのだろうか?、その経師屋の息子役で京都マフィアの一員に南城竜也。いかにも育ちの悪そうな汚い口調の京都弁で地回りのヤクザらしさを出しつつも、得意の“ワケありのワル”を演じ、長年相容れなかった父子の葛藤と和解を描いた。

 

■ 重箱の隅 情報

この日、日本テレビ8時からの『太陽にほえろ!』は一年前に“殉職”ではなくて“他署に転勤”というかたちで降板した三田村邦彦のゲスト主演回「ジプシー再び」。そして10時からの『必殺仕事人Ⅳ』はレギュラー出演している三田村の主演エピ回「秀、天気を当てる女に出逢う」。

 

 

第4話「脅迫④ 金閣寺を赤ペンキで塗りあげるぞ!」(1984年3月9日放送)

〇 あらすじ
金閣寺を愛する資産家の大河原老人は、かつて放火で焼失して再建に手間取った金閣寺を憂い、「次に、もしものときがあったら…」と使われている金箔と同じ分量の純金を金閣寺の模型にして所有していた。京都マフィアはそれを狙い、金閣寺を赤ペンキで染めさせたくなければ差し出せと脅迫。ザ新選組が警護に着くのだが、その防衛作戦はすべて裏をかかれてしまう。大河原家のなかに内通者がいるのでは?と大河原老人に反抗的な孫娘の千秋が疑われる。

● 見どころ
千秋の愛車は前年にトヨタから発売されたAE86型のスプリンター・トレノ。いまではカーマニア垂涎のお宝で、それが当時の京都市街を周遊する様は貴重な上に貴重な場面だ。その千秋役を演じた井上ユカリはこの頃から「必殺」シリーズ常連ゲストとなっていく。また、井上は本作や「必殺」シリーズが放送されていた当時の毎週金曜夜11時からラジオ大阪の番組『ポップステーションKISS』でDJをしていて、前年にはそれで関西テレビ『クイズDEデート』の「美人DJ水着大会」に出場するなどアイドル的な活動もしていた。

 

■ 重箱の隅 情報

金閣寺、北野天満宮、伏見稲荷と実在する京都の文化財が劇中で京都マフィアの標的にされる。他にも清水寺の柱を切るぞ!という構想もあったのだとか。拒否られたか!?

 

 

第5話「脅迫⑤ 女子高生を丸坊主にするぞ!」(1984年3月16日放送)

〇 あらすじ
京都へ修学旅行で訪れる女子高生が相次いで行方不明となっていた。ザ新選組の調査で、京都マフィアが拉致誘拐し、尼僧の格好をさせて外国人観光客相手に売春させていたことが判明。ザ新選組は、素性の怪しい青年にナンパされた修学旅行生を見張っていたところ、ディスコのトイレで忽然と消えてしまって手詰まりとなる。そこで、局長の山田と日渓を日系人観光客に扮装させて尼僧売春宿へ潜り込ませることにする。

● 見どころ
前年の1983年に放送の、朝日放送-松竹(京都映画)が制作を手掛けた『京都殺人案内』のその7作目「麻薬にけがされた修学旅行女子高生」でもサブタイトル通りに女子高生は京都で酷い目に遭っている…。また、この回のニセ尼僧売春の設定は、翌年の1985年に放送された『必殺仕事人Ⅴ・激闘編』第6話「加代、丸坊主になる」で江戸時代に置き換えてリブートされるなど朝日放送-松竹(京都映画)ならではのハナシとなった。

 

■ 重箱の隅 情報

ディスコの場面でBGMに掛かる曲は、前年秋にリリースされたアン・ルイスのアルバム『I LOVE YOUより愛してる』から「Surrender」という英詞曲。

 

https://www.jvcmusic.co.jp/-/Discography/A000282/VICL-62423.html

 

 

第6話「脅迫⑥ 娘を人間大文字焼きにするぞ!」(1984年3月23日放送)


〇 あらすじ
京都マフィアは、大学入試の裏口産業を行うべく、京洛大学の入試委員長を務める医学部教授・葉室に目を付けた。しかし、堅物で通っている人物だけあって色仕掛けや金で堕ちそうにない。そこで、葉室の一番大切な存在、娘のみどりを標的にする。春の宵、京都マフィアの予告通りに葉室の目の前でその季節に存在しない大文字焼きが一瞬浮かび上がった。それは世にもグロテスクな脅しの序章であった。

● 見どころ
葉室を脅迫する強面な京都マフィアたちを演じるのは、かのピラニア軍団の岩尾正隆と広瀬義宣。まさにうってつけの役で、東映京都撮影所の所属ながら「必殺」シリーズでもこの回のようなえげつない悪役で幾度となく出演している。それから、生まれ育った境遇の差から医学部教授・葉室の令嬢 清子をねたむ幼馴染の友江役は『太陽にほえろ!』の捜査一係専属女性事務員(いわゆるお茶くみ)役で1982年まで四年間に渡ってレギュラー出演していた友直子。『太陽にほえろ!』以外の出演は少なくてファンには貴重である。

 

■ 重箱の隅 情報

清子が友江にウィリー・ネルソンのコンサート・チケットを譲渡する場面、本作の制作および放送時、実際にウィリー・ネルソンは来日ツアー中で、関西地域は2月25日に大阪フェスティバルホールで行っている。なお、S席4,500円、A席3,800円、B席3,000円と、国内アーティストより相場が高い外国人アーティストのなかでもかなり高いチケット代であった。

 


第7話「脅迫⑦ 山林王の未亡人から遺産28億円を奪うぞ!」(1984年4月6日放送)

〇 あらすじ
北山杉を有する山林王の未亡人が京都マフィアに狙われた。その権利を渡さなければ北山杉を灰にすると脅しをかけてきたことからザ新選組は警護に着く。京都マフィアに雇われた元米軍の特殊部隊員たちは、枯葉剤、ブービートラップ、ヘリの急襲などベトナム戦争さながらの威嚇で脅し続けた。さすがのザ新選組も手も足も出せなく、未亡人は精神的に追い詰められていく。このまま拉致でもされてしまったら京都マフィアの思いのままにされてしまう…。

● 見どころ

映画『ランボー』ばりに、1984年の京都を舞台にベトナム戦争の延長戦が行われるという酔狂にも程がある大サスペンスアクション回。その京都市街で、土方が尾行していたはずの元特殊部隊員たちから逆に襲われる場面のロケ地は、修学旅行生や若い遊び客らでいつも賑わう繁華街、新京極の横丁にある、映画館の松竹京映付近。だから、遠巻きに見守る野次馬はエキストラではなくて、たまたま通りがかった見物人たちなのである。
 

 

■ 重箱の隅 情報

この回に使われたヘリは、同時期に放送の『西部警察PART-Ⅲ』(制作:テレビ朝日-石原プロ)第49話「激追!!地を走る3億ドル -大阪・神戸編-」(1984年4月22日放送)で使われた大阪エアウェーズの同一機。当時、朝日放送は『西部警察PART-Ⅲ』の関西ロケ編をサポートしていて、その担当責任者は編成部に異動していた「必殺」シリーズの元プロデューサー・仲川利久であった。その縁からか、「必殺」シリーズおなじみの“関西限定俳優”たちが関西ロケ編三話にわたって大挙出演している。

 

『西部警察PART-Ⅲ』関西ロケ編、自分はこう観る! | 茶屋町吾郎の趣味シュミtapestry

 

 

第8話「脅迫⑧ 日本一の学者をサハラ砂漠へ放り出すぞ!」(1984年4月13日放送)


〇 あらすじ
砂漠で作物を育てることも可能にする遺伝子工学の若き天才学者・増田の拉致誘拐をアフリカ某国から請け負った京都マフィアは、学会でその研究成果が公表されて独占的な価値を失う前に行動へと移す。予め警護していた土方によってその難を逃れた増田であったが、今度は増田の妹が拉致誘拐されて形勢逆転を喰らってしまう。ザ新選組は、その妹が辱めを受けている姿が映ったビデオ仕立ての脅迫状から監禁されているラブホテルの特定を急ぐ。

● 見どころ
ザ新選組と京都マフィアが最後の最後までシーソーゲームを繰り広げる展開はスリリングなものとなっている。それもそのはず。この回の脚本は本作と同じテレビ朝日系金曜9時枠「ハングマン」シリーズの柏原寛司によるものだから。さらに、遺伝子工学、要人誘拐のブローカーなど氏が得意とするスタイリッシュな設定を用いたり、その撮影も「西部警察」シリーズばりの派手なカースタントや爆破などで、いつもと一味違った回に仕上がっている。

■ 重箱の隅 情報

カースタントの場面で大破する、いかにも古臭いクルマは二代目トヨタ・マークⅡ(1972~1976年)で、1974年に追加されたGLという中堅グレードのもの。当時の車検は二年ごとで三回も通すと大衆車の市場価値はゼロとなることから、本作に限らず、カースタントの場面で破壊される車両は8~10年前のものがよく使われていく。

 

 


第9話「脅迫⑨ 名僧を釜ゆでにするぞ!」(1984年4月20日放送)

〇 あらすじ
新興宗教・天国黄巾宗の教祖が、京都の名刹・蝸牛寺の乗っ取りを京都マフィアに依頼したことから、蝸牛寺の住職は罠に嵌められてスキャンダル写真を撮られてしまう。ザ新選組はその写真とネガを奪取すべく行動を開始するのだが、日渓が居ない…。不眠症に悩み、思い余って天国黄巾宗に入信してしまっていたのだ。日渓は教祖が屈強な山伏との法力対決で見事に勝ってしまったのを間近に目撃。人知を超えるその法力は果たして本物か!?

● 見どころ
本作は奇想天外な設定とストレートなサスペンスアクションが縦軸だとしたら、人情ものの悲劇を横軸で入れてくるのだが、この回に限ってはそういう横軸はナシ!、全編にわたってコミカルな展開となっていて、ゲストの天草四郎、早川雄三、牧冬吉、阿波地大輔らベテラン・バイプレーヤーたちの生真面目過ぎる演技がギャグそのものとなってて可笑しい。一方でガッツ石松はアドリブ全開!、エンディングでは当時流行っていた焼酎のCMコピー「タコが言うのよ~」と放って他の出演者たちを呆れさせている。

 

■ 重箱の隅 情報

山伏の役でゲスト出演した阿波地大輔は、同時期に放送の、京都映画撮影所の“お隣”、東映京都映画撮影所で撮られていた娯楽時代劇『暴れん坊将軍Ⅱ』(制作:テレビ朝日-東映)に江戸町火消し め組の一員・常役でレギュラー出演。同じくレギュラーの、め組のおかみさんを演じていた春川ますみとはいつも一緒の場面で共演していたのだが、本作ではその法力対決のロケ場面しか出番はなくて直接の共演場面はなかった。前回ゲスト出演の荒木しげるも将軍の吉宗に仕える御庭番の木葉才蔵役でレギュラー出演していて、役の設定上、春川と普段は顔すら合わせないのだけれど、こちらは共演場面がある。

 

 

第10話「脅迫⑩ 茶道の宗家を色仕掛けで乗っとるぞ!」(1984年4月27日放送)

 

〇 あらすじ

年間数十億円の金額が動く茶道・京月流の乗っ取りを京都マフィアは企む。いまや家元に替わって一門を切り盛りしている家元夫人の秀子は、京都マフィアの息が掛かった家元側近・竹田の罠に嵌められて、若いホストとベッドインしているスキャンダル写真で脅迫されてしまう。家元の娘が結婚する後継者として、竹田が指図するとおりに柏木東秋を推さざるを得なくなってしまった。ザ新選組は乗っ取りを阻止すべく京月流に潜入する。

 

● 見どころ
京都マフィアから麻薬ジャンキーにされて言いなりとなっている柏木東秋を演じたのは「必殺」シリーズをはじめとした松竹(京都映画)作品常連ゲストの高峰圭二。いつものイメージ通りに、一枚上手なワルに担がれている“小悪党のワル”役でファンは大満足。家元の娘役を演じた赤塚歩は前月終了の『怪人二十面相と少年探偵団』(制作:関西テレビ-宝塚映像)に二十面相の手下役でレギュラー出演してた他、先に説明した『西部警察PART-Ⅲ』関西ロケ編の第49話にもチョイ役ながら出演していた“関西限定女優”。

 

■ 重箱の隅 情報

高峰の代表作であり主演作『ウルトラマンA』(制作:TBS-円谷プロ、1972年~1973年放送)が日本テレビ夕方6時枠にて1984年1月25日(水)からこの回の放送週4月24日(火)まで、関東広域圏では1979年の第3次ウルトラマンブーム以来五年ぶりに再放送されていた。

 

 

第11話「脅迫⑪ 人間国宝のニセ作を造らぬと恋人を犯すぞ!」(1984年5月4日放送)
 

〇 あらすじ
人間国宝の滝川冬山が造る陶芸作品は希少ともあって高価なもの。それに目を付けた京都マフィアは流通事情など知らないアメリカ向けに贋作作品を大量生産することを計画した。そこでホンモノそっくりに造れる人物、冬山の息子で、ただ一人の愛弟子・俊行に造らせようとする。当然、俊行は断固拒否をするのだが、愛する恋人のひとみを人質に取られて従わざるを得なくなってしまう。ザ新選組は俊行とひとみを無事救い出せるか!?

● 見どころ

人間国宝の息子で、純朴ながら芯がしっかりした男・俊行を演じた松本誠一は当時かなり売れていた青年俳優で、子役時代からキャリアを積んでいて、本作出演直後に放送を開始した『ぼくたちの疾走』や『スクール☆ウォーズ』などのTBS-大映テレビが制作した作品にレギュラー出演をしていた。俊行の恋人・ひとみを演じたのは時代劇を中心に活動していた“関西限定女優”の桂川京子。当時、時代の象徴となった花の女子大生役なのに奥手なキャラだからそんな娘が選ぶイケてないファッションが妙にリアルだ。

 

■ 重箱の隅 情報。

題材にしたのは、人間国宝“級”の陶芸家・加藤唐九郎の贋作が当時大量に出回ってた事件。古物商から依頼された無名の陶芸家が一個数千円で卸した偽物の茶碗は、本物だと信じた蒐集家に百数十万円で売られていたのだとか。


第12話「脅迫12 女子マラソンを猛獣が襲うぞ!」(1984年5月11日放送)

〇 あらすじ
開催目前の女子マラソンで京都マフィアは賭金総額10億円ものノミ賭博を行っていた。賭け手たちは優勝候補の外国人選手たちに集中していたが、京都マフィアは八百長で10億円を総獲りする目論見。その頃、京都市街を輸送中の豹が逃げ出す事件が発生して住民を恐怖に陥れた。ザ新選組の調査で豹ともども姿を消した輸送車の運転手は京都マフィアの一員であることが判明する。マラソン賭博と不可解な豹の脱走とがどう結びつくのか!?

● 見どころ
放送された1984年に開催されるロス五輪では女子マラソンが正式種目となったことで、いままでになく注目を浴びていた。それに肖ったハナシである。さすがは「必殺」シリーズ同様に時事ネタを取り込むのが上手い朝日放送-松竹(京都映画)のドラマだ。この回、いつもは芸妓の着物姿や冬場の撮影で厚着だから身体の線が出ない衣装ばかりの甲斐智枝美が演じる一子もこの女子マラソンに出場する選手の一人という設定だから、タンクトップに短パンと肌の露出が多い衣装でファンの目を楽しませてくれる。

■ 重箱の隅 情報

ザ新選組の面々が屯する炉端焼き「壬生屯所」で二人組の一般客が賭けの清算をして、負けた方が勝った方に呑み代の勘定を奢るよう迫り、その勝った方が「まかせなさい!」と快く応じる場面、この「まかせなさい!」は漫才師の西川のりおが当時流行らせた言葉で、著書のタイトルにも掲げられている。

 

 

第13話「脅迫13 鴨の河原で新選組を皆殺しにするぞ!」(1984年5月18日放送)
 

〇 あらすじ
秘密裏に動くはずのザ新選組が公衆の面前でヤクザを制裁する事件が多発し、社会問題化する。本物のザ新選組が偽者退治しに来るのを誘き出そうというのが京都マフィアの魂胆だ。本物のザ新選組がいつものように反撃へと転じた矢先、ザ新選組に指令を出していた御前・松平の正体が京都マフィア側に知られてしまい、ザ新選組は即刻解散を余儀なくされる。汚名を背負ったまま、京都マフィアを野放しにしたまま、ザ新選組は終わりを迎えるのか?、土方らは苦悩する…。

● 見どころ
偽者のザ新選組にヤクザの兄を殺されて復讐を誓うも、本物であるザ新選組のほうを逆恨みする妹役として、ゲスト主演したのは竹井みどり。眼力の強さで、そんな役ばっかり。やはりこの女優さんが出てこないとサスペンスアクションドラマは物足りない。そして、京都マフィアとの戦いを終えてザ新選組解散の儀式を行ったのは、第1話で土方がザ新選組のメンバーになることを皆の前で了承した場所と同じ東山山頂公園の展望台で、粋に終わっていった。

先月末の2月27日、ソニーから新しいワイヤレスイヤホンのWF-1000XM6が発売された。自分はXM3→XM4→XM5と歴代のWF-1000XMシリーズを使い続けていて、今度のXM6は発売日に早速購入してみた次第。

 

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その理由はいくつかあり、まずは先代のXM5にいろんな点で不満を持っていたから新型となるXM6に期待を掛けていたということ。見事にその不満は解消されていて気持ちよく使えるものとなった。XM5はデザインを重視したばかりに使いにくい部分があったのだ。具体的に挙げれば、イヤホン筐体の指で摘まんで持つ箇所がツルツルに光沢加工されてて充電ケースから取り出しにくいとか、ね。アンチ派からはXM6のデザインと質感がXM5に比べて“落ちてる”と酷評されているけれど、名より実、ソニーにしては実直なデザインとなったのが好感を持てる。

 

こちらは先代のXM5 光沢部分は漆塗りのような高級感を出しているが…

 

こちらは現行のXM6 XM4のときみたいに筐体全体がマット加工に戻された

“黒豆”などと揶揄されているデザインだがケースから取り出しやすい

 

また、XM3→XM4で飛躍的に進化した音質とノイズキャンセリング性能が、XM4→XM5では正直あまり進化を感じられなかったところ、XM5→XM6ではすこぶるそれを感じられた。音の傾向は従来からの“ソニーの音”にプラスして、音の定位が明瞭に判るものとなっていて、まるでヘッドホンで聴いているような感覚なのである。これには驚いた。以前から自分の中で妄想を沸かせていた「十万円前後の価格で、フラッグシップのWF-1000XMシリーズよりもさらなる上位機種がもしもあったら…」という一段も二段も上のその音になっていたのだ。ノイズキャンセリング性能だって申し分ない。装着した途端、判りやすくその性能が働いてくるし、それでいてすぐに自然と馴染んでくる。他社のにはもっとノイズキャンセリング性能が良いと言われるものがあるらしいが、それは不自然に強めなものであったりするらしいから、要はバランスかと思う。

 

二つ目の理由は価格だ。XM6は指定価格制度で実店舗だろうが通販サイトだろうが全国どこで買っても税込み44,550円(Amazonは1%分のポイントを加算して税込み45,000円にて販売)。ヨドバシカメラなど大手量販店で買うと付与される、実質値引き分となる買い物ポイントも付かない。それよりも、指定価格制度だから当分は値落ちしないと良くも悪くも保証されていることを示している。

 

 

その証左として、同じソニーの、こちらはワイヤレスヘッドホンのWH-1000XM6も指定価格制度で販売されており、昨年5月末の発売開始以来、その価格がずっと維持されている。一応、昨年末のボーナスシーズン時に5,000円のキャッシュバック or PayPayポイントのプレゼントをする販売促進キャンペーンがあったが、それが終わった現在でも価格のブレは起こしてない。

 

 

つまりは、いままでのように発売からしばらく経てば値下げしてくるという見込みはないワケである。WF-1000XM6のほうでもいつかはそういったお得に買える販売促進キャンペーンをすると思うのだが、そんな希望的観測を待っていてもしょうがない。通常時の価格が変わらないのならば、欲しい時が買い時なのである。それに、XM6の購入を決めた際、モデル落ちしてしまうXM5を一刻も早く買い取りに出したのが結果として幸いした。今回買い取りに出させてもらった専門店のe☆イヤホンでは、XM6の発売前までXM5の買い取り価格は上限13,500円だったのが、この記事を書いている時点の3月10日現在では上限12,000円まで下落してしまっている。ワイヤレスイヤホンは日進月歩で性能が向上しているから新型が出る度に旧モデルの市場価格は下落していくのは必然。

 

自分が子供のころ、母親から同僚がトヨタ・マークⅡの新車を車検毎(当時は二年)に無条件で買い替える話をされたことがある。それと同じなのかな。現在は自動車自体の耐久性が向上しているのと物価高で新車価格が高騰しているのもあって車検毎に買い替えるといった昔ながらの購入スタイルは崩れているが、昭和のころは車検を一回でも通すと価値が激減(買い取り価格が低くなる)するから車検毎に下取りで出して買い替える乗り方が普通であった。

 

そう言えば、XM6発売後の先日、街でXM3を装着している方を見かけた。2019年7月の発売だからおよそ七年前のモデルとなる。「よくバッテリーが持っているな」という印象だ。だとしたら、たまにしか使わない方かもしれない。新型が出る度に買い替えている自分の使用頻度は、週に5回、一日あたり合計3時間も使っているのでバッテリーの劣化は防げないし、聴く手段の道具と割り切って使っているから。XM6は歴代最高だと称賛するが、何年か後に次期モデルのXM7が出たら無条件でまた買い替えるだろう。まあ、大切に使っていくつもりではいるけれど。

 

【だん吉・なお美のオマケ・コーナー】
 
今度のXM6でもイヤーピースは純正品ではなく、以前に紹介したサードメーカーのものを使っている。
 
 

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また、充電ケースを入れる収納ケースは、100円均一ショップのダイソーが販売しているカラピナ付きマルチケース(中のネットをハサミで切り取るのが必須)を使っている。XM4とXM5のときもこれに入れていて、それよりも大きいXM6は「どうかな?」と心配したけれど、XM4とXM5では斜めに入れていたのからXM6では真っ直ぐに入れるとほぼピッタリで、ジッパーを閉めれば動かなくなるから安心。オススメしたい。
 
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先日、鎌倉へお参りに行ってきた。我が家から鎌倉の玄関口、JR鎌倉駅へは片道の交通費が1コイン、500円以下で行ける比較的近場のところだから幼少の頃より幾度となく訪れていたのだが、コロナ禍があって、それが明けての久々。コロナ禍以前から外国人の観光客が多くて、この日も春節の時期に入ってただけに多かった。

 

で、近年の物価高に輪を掛けて、あからさまに観光客向けの食べ物やお土産の類がインバウンド価格になっていたのだ、何処もかしこも。

 

 

 
訪れる前からそうだろうなあ…とは思ってはいても、やはり驚いた。
 
画像で示した天ぷらそばは極端だが、食べ歩きの店で以前は一つ200円~300円くらいだったものが500円くらいになっていた。以前の価格を知っているだけに、うーん…と財布の紐は固くなってしまった。
 
鎌倉も遠くなりにけり…。