ポカポカの陽だまり、
焼きたてのパンの香り、
キンと冷えた冬の澄み切った青空、
新緑のキラキラとした木漏れ日の光の粒、
空全体を赤く染め上げる海街に沈む夕陽、
虹も雪の結晶もオーロラも
この世界は奇跡のような瞬間瞬間の
積み重ねで成り立っている。
森下典子さんのエッセイ
「好日日記 季節のように生きる」に
とても好きな一節がある。
春になれば、至る所で草が芽吹き、
草木にいっせいに花が咲く。
そんなこと、誰もが幼い頃から
当たり前だと思って暮らしている。
だけど、ある日、まぶしい若葉を見て
卒然として気づくのだ。
私たちはものすごく不思議なことに囲まれ
それを不思議とも思わず
暮らしているのだということに...
黒木華さん主演で映画化された
こちらのエッセイもおすすめです。
本当は、もうすでにそこに存在しているのに
“気づいていない”だけの奇跡のような瞬間。
でも旅に出ると普段は気づかない
空の美しさや心地よい朝の光なんかに
気付きやすいという経験はありませんか?
それはなぜかというと
旅先では普段よりも心に余裕ができたり、
時間がゆったりと流れていたり、
ワクワクして世界を眺められるから。
私が思う「旅するように暮らす」とは
日常の中でも旅しているかのように
新しいことに挑戦したり、学びを深めたり
奇跡のような瞬間に気づける目を養うこと。
定期的に旅に出ることができれば
その都度、視野を広げることができる。
でも実際に旅に出かけなくても
今この瞬間から、あなたも
旅するように暮らせるのです。