先日はバスケットボールのクラブチームのトレーニングコーチをやってきました。
三年連続日本一になった強豪チームです。
ただ残念ながら毎年怪我人が続出しているので、なんとか少しでも怪我をしにくい身体作りというのを常に頭においてトレーニングをしています。
ここ最近では太もも裏の肉離れ、アキレス腱断裂、足首の靭帯損傷など。
当然ですが、このような怪我をする箇所というのは硬い組織である場合がほとんどなので、怪我をしにくくする為には柔軟性を高める事が不可欠です。
血流を促すトレーニングやストレッチングを入念にやり、怪我をしにくくして筋肉に弾力を与えます。
また可動域が広がる事でボディバランスやパフォーマンスが格段に良くなります。
スポーツのシーンに限らないですが、人間の動作というものは、曲げる、伸ばす、捻る、という三つの要素から成り立っています。
この中で最も怪我をし易いのが、捻る、という動きです。
バスケットボールのように、プレイ中に急激な方向転換やジャンプなどを頻繁に行なうスポーツでは、ウェイトトレーニングと違い、瞬時に予測不可能な負荷が身体にかかる場合が多くあります。
その時にかかるストレスから身体を守るには、筋肉や筋力を沢山つける事では無く、柔軟性を高める事が大切です。
身体のどこの部位でもそうですが、断裂や炎症を起こしやすい部位というのは弱いからでは無く、硬いからだという事を理解しておく必要があります。
大きくて太くても、硬くてささくれたゴムは簡単に切れてしまいます。
しかし細くても新品の弾力のある輪ゴムは引っ張っても簡単には切れません。
そのような全身バネのような身体の持ち主があのウサイン・ボルトやイチローです。
様々な種目のアスリートを指導する場合、私が優先するのは筋力ではありません。
スピード、柔軟性、この二つを犠牲にしないという前提で、初めて筋力が活きてくると考えています。
ですから例え筋力があまり無かろうと、スピードと柔軟性が優れていれば、生み出されるパワーは大きなものとなります。
本当のパワーとはそういうものだと考えています。
どんなに筋力があろうと、関節の可動域も狭くスピードも無ければ、ほとんどのスポーツ種目では活きた本当のパワーは生まれません。