ジムでベンチプレスなどの種目をやっているとたまに、「よくそんなやり方でできますね!」と言われる事がある。
そんなやり方とは、脚は使わずにベンチに上げて、握る手幅は81cmラインの完全に内側であるナローグリップの事である。
脚を床につけてブリッジを組み、ワイドグリップにすればもっと挙がるだろうと思われるかもしれないが、実は意外にそんなものでもない。
これは慣れによる、力の使い方によるもので、普段やっていないブリッジ、グリップ幅でいきなりやっても一朝一夕という訳にはいかない。
先日ナローグリップベンチプレスで120kgが久しぶりに10回挙がった。
バーベルの挙上距離は大会に出ている人達の倍はあると思う。
だからと言って今パワースタイルでやったらもっと重いウェイトが扱えるというものではない。
私も昔パワーの試合に出ていた頃は、ブリッジは下手だったがもちろん脚を床につけてワイドグリップでベンチプレスを行っていた。
当然そのほうが運動量が減り、効率が良いからだ。
だが試合に出なくなり、腰や肩の痛みがあった私がなんとかそれらに負担をかけずにトレーニングができないかと試行錯誤した結果、いつしか現在のようなスタイルになったのである。
ここ数年は下半身を使わずに動作の大部分で上腕三頭筋を使って挙げる現在のやり方に完全に慣れてしまっている。
だから最近では全くと言っていい程やっていない、パワースタイルでのベンチプレスを今いきなりやろうとしても上手くできないだろうし、かえって扱える重量も下がる可能性すらある。
日々の繰り返しの練習の中でフォームを確立し、自分が一番集中して力を発揮できるようにする事が必要だと思っている。
ベンチプレスに限らないが、よくそんなやり方はダメだ!とか、そんな軽いウェイトでは効かない!などと言う人がいるが私はそういう考え方とは違う。
良い、悪いではなく、何が目的なのか?という事を明確にし、人それぞれに合ったトレーニングをするべきであると思っている。