この間福岡に帰った時に、新幹線に乗り換える米原駅まで在来線に乗っていたら、視覚障害者の男性が電車に乗ってきた。
車内はほぼ満席で、全盲らしきその人が乗り込んできてすぐ、「すみませんこれは米原行きですか?」と周りに尋ねていた。
私が座っていた席からは少し離れていたので様子を伺っていたのだが、お年寄りや身体の不自由な方達の為の優先シートに堂々と居座り、席を譲ろうとするどころか、米原行きですよと答える人間すら誰一人いない。
私が迎えに行ってあげて、米原行きだから大丈夫ですよと伝え、僅かに空いていた席に座ってもらったのだが、日本人のモラルや人としての心は一体どこに消えてしまったのか?
自分さえ良ければそれで構わない、という人間があまりにも多いような気がしてならない。
外国人がビジネスなどの取り引きの際、日本人の過剰とも言える礼儀作法や親切心に驚くと言うが、それらも全て自分の仕事や生活の為にやっているだけで、実際には自分さえ困らなければ他人の事などどうでも良いという考えなんだと言われても仕方がない。
そのような光景を目の当たりにして、腹が立つどころかあまりの心の貧しさに悲しくなってしまう。
格好つけるつもりなど毛頭ないが、私は死んだ両親から、「もしも困っている人がいて、お前にできる事があれば進んで力になりなさい」と小さい頃から教わった。
それなのに、力になるどころか自分の事しか考えずに優先席に居座り迷惑をかけるなど、恥を知れと言いたくなる。
その方は米原で乗り換えて京都まで行く予定だったらしく、京都行きの接続列車まで案内をしてあげてお別れをしたのだが、度々京都に行くらしく、私もまたその路線を良く利用するのでいつかまたお逢いできる事を楽しみにしている。
移動中のちょっとした出来事だったが、私自身も気分良く新幹線に乗る事ができましたよ!^ ^