麻布演劇市終演。 | GORE GORE GIRLS

GORE GORE GIRLS

西山雅之の演劇ユニット「GORE GORE GIRLS(
ゴアゴアガールズ)」。
皆様に笑いと感動と川柳をお届けにあがりました。

舞台監督として関わった麻布演劇市『多喜二、その母』無事終了しました。肉体的にも精神的にも相当もっていかれたけど、なんとか無事怪我なく終わることができてほっとしてます。

 

 

場所は六本木駅から歩けるところにある麻布区民ホール。

 

 

立派なホールなんです。ここで、小林多喜二の母の生涯を描いた芝居をうちました。上演時間は休憩ありの2時間半。長い。気が遠くなる長さでした。

 

 

舞台監督の仕事は小屋入りの日にセットを組んだり、幕を張ったり。照明と音響と舞台がぶつからないようにしたり。まあいろいろなんですが、それが終わったら「場当たり」と呼ばれるきっかけを確認する時間があります。普段の稽古場では特に照明はどうすることもできないので、稽古を見て劇場で明かりを作っていきます。そこに音をいれて合わせて役者が動いて明かりの位置を決めたり、音のタイミングを決めたりします。

 

 

セットをどこに置けばいいか、椅子の位置はここか、、、2時間半の芝居だと場当たりも時間がかかります。でもスタッフさんはここで決まらないと先がないので、みな必死です。演出も舞台監督も時間内にできるだけ場当たりをすすめたい。たぶんここが舞台監督の大変なところかと思います。まあ実際その日のうちに終わらなかったんだけど!

 

次の日に場当たりの続きをして、それからリハーサル。すべて本番通りの2時間半。そして初日の1本目。2時間半。全員ぐったりですよそれは。

 

 

と思いきや役者さんたちは案外元気だからひく。そのまま飲みに出て延々飲んでました。2日目、3日目も無事に終わり、そのあとはバラシといって作った舞台を壊していき、照明を外していって元の状態に戻す作業。よくあるスタイルは、役者さんたちが終演後お客さんへのあいさつが終わったらすぐ着替えてバラシを手伝うんだけど、今回はなぜかお茶をたててお客様に配るスタイルだったので、誰もバラシを手伝いに来ないという自分としてはけっこう衝撃的な現場でした。まあそれでも最後のほうはきてくれたけども。

 

 

演出の伊藤豪さん。知ってる人は知ってるのかもしれない日本文化センターの人。80歳だって。ほんと尊敬する。演出なんて俺がやってもぐったりなのにどういうことなんだろうと不思議にさえ思う。麻痺してるとしか。「もう舞台監督さんに全部まかせます」っていって実際本番を見ないというスタイルもかっこいいなと思った。千穐楽の前に役者を前にして伊藤さんが言ったことが結構いいなと思った。

 

「いよいよこれで最後です。これはこれまでやってきた集大成、なんかではなくただの通過点だと思ってください。役者人生の通過点だと思って自分の課題をクリアできるようにやってみてください。」

 

 

ちゃんとパンフに名前も載せていただいて、ありがたいです。本番中年配の方々は、自分がきっかけを伝えに行く途中でもお菓子をにぎらせてくれる、本当にアットホームな現場でした。けっこう楽しかったのかもしれないなと今書いてて思う。皆様お疲れさまでした。