麻布演劇市が集中稽古に入った。劇団によってさまざまだけど、よくある稽古時間が18時から２２時とか。集中稽古は１３時から２２時までぶっ通しでやる。本番前の１週間とか１０日くらいを集中稽古にあてるところが多い。集中稽古、一日稽古が始まると本番が近い。
今日も例の舞台監督としての稽古場。昼行ったら入り口のホームレスはいなかった。けど、帰りはもう寝てた。なぜか「よかった。ちゃんと寝てる」という謎の安心感があった自分にひく。スタッフとして芝居の稽古を見るというのはこれはこれで新鮮。まだまだ稽古が甘いところなどはみてられない。つまりゴアゴアでもスタッフさんたちはこんな感じでみてんのかと。
ポットのところに座るのが演出の伊藤豪さん。８０歳。嘘でしょ？って思うけど、ほんとなんです。自分の世代では「日本文化センター」の人です。最初にてるなーと思ったらそうだった。８０歳が１０時間近く稽古するってすごいとしか言えない。演出ってただ座って、役者が下手だったら灰皿投げつけてればいいみたいなイメージだけど、実際は全然違う。この役者の一挙手一投足、セリフの１行１行がそのままお客さんに直に届くというプレッシャーと闘いながら芝居を作ってるから神経が磨り減る。まあそういう意味では８０歳だと逆にマヒしてるのかな？怒られるのかな？
ゴアゴアとは違って老若男女揃う座組でにぎやか。舞台監督は本当は、稽古を見ながら誰がどこにはけて、この時小道具はどうなってて、ここで音が入って、明かりが入ってっていうきっかけをおさえていかなきゃいけないんだけど、どうしても演出のダメだし、稽古の進め方をみちゃう。伊藤さん、すごく面白い演出をする人で。ずーっと何か話してる。ぶつぶつ言ったり、ザクっと切ったり、そのダメ出しが面白い。ボヤキ演出？よくわかんないけど、今ある力を最大限に引き出す感じ。
ただ例えに出す役者が「田宮二郎が、、、」とかだから若い役者は困ってる。でも俺は今日聞いた田宮二郎がタバコものすごく吸うから指がどんどん黄色くなってきて、人差し指と中指が黄色くなったら次は中指と薬指にはさんで吸ってその次は薬指と小指に挟んで吸ってたっていう話は今後の人生に何の役にも立たないけど、一生覚えてそうな気がする。
自分が受けた仕事だからもちろんしっかりやるけど、せっかくだから楽しんでやりたい。せっかくだから伊藤さんの面白い話をたくさんきいてみたい。今はそんな気分なんだ。稽古はまだまだこれからだしさ。
【GORE GORE GIRLS HP】
http://goregoregirls2010.wixsite.com/home