1.0未満。 | 38度線の北側でのできごと

38度線の北側でのできごと

38度線の北側の国でのお話を書きます

 会社の新人ちゃんが怒っている。かなり怒っている。

 

 職場のいい加減さに気づいたのだ。そりゃそうだ。新人ちゃんともうひとりを除く、ぼくを含めた全員が昼ご飯を食べたらうつらうつらして、スマホぽちぽちして、そんなのんびりな職場なのだ。

 

 だってぼくがかじ取りしてる部分でもうダメダメでしょ。何かリーダーに具申するとほぼ100パー話が通るっていう職場は初めて。この職場を操縦している感があるけど、なにせダメ機長だから早晩墜落する気がする。

 

 特にある同僚の仕事の手抜きっぷりが許せない。近日つるし上げるというのが新人ちゃんの言い分だ。まあまあ冷静になりなよと言ってもかっかと燃え盛っている。

 

 かくいうぼくはというと、仕事が相当暇なことをいいことに、夏のおっさんひとり映画祭と銘打って、会社帰りに映画館に通いまくっている。

 

「シン・ウルトラマン」「ビリーバーズ」「モガディシュ」「ナワリヌイ」「トップガンマーベリック」「PLAN75」。新宿ピカデリーの会員にまでなってしまった。テアトルに至っては株主優待券を持っている。

 

 来週ですか。バーに行きます。四谷の坊主バー。おじが亡くなったので、お経をあげてもらいに。ついでに統一教会とは何ぞやという答えのない問いをしてこようと思っています。

 

 うん。ようやく放課後を楽しむ余裕が出来たんだ。

 

 あとはゴールデン街に行きつけのバーをひとつ作るのが下半期の目標です。仕事の目標?ないよ。あ、講演頑張ります。大きな講演ひとつ抱えているので、これを成功させます。

 

 新人ちゃんはそんなぼくにも怒っている。「事なかれ主義ですね」といわれた。はい。ぐうの音も出ません。

 

 確かにね。サボっている同僚がいるのは事実。明らかにサボってる。わかりやすいくらいに。でもね、不思議と腹がたたないのはたぶんこういうことだと思う。

 

 ある集団での人ひとりあたりの適当な仕事量を1.0とする。その集団で0.6しか働かない奴がいて、それをみんなで割ると1.0以上になると頭に来るのではないかと。ところがぼくの今いる職場では、みんなの仕事量がはじめから1.0を割っている。圧倒的に過剰人員の状態。だから0.6しか働かない奴がいたとして、その分を割ったとしてもその値は1.0未満。0.8、0.9くらいだから全然頭に来ないのだ。

 

 たぶん合ってると思うんだよなぁ。ぼくのいいたいこと伝わると思うんだけど、何せ文系だから数字を使って説明することに恐怖すら感じる。そして新人ちゃんは怒っている。ぼくは説得できる自信が全くない。