つるし上げるという衝撃 | 38度線の北側でのできごと

38度線の北側でのできごと

38度線の北側の国でのお話を書きます

 相手をつるし上げるというのである。

 

 え?そこまで追い詰められていたの?とこちらは驚きで、色々根回しをして、何とか惨劇を避けようとしたのだが、本人はケロッとしていて拍子抜けした。

 

 これが数度あり、ちょっとその人と話すことに疲れた。

 

 ことばってマニュアルシフトだと思うのです。交渉事でもなんでも、最初からトップギアで話すってのはあり得ない。徐々にシフトを上げて、あるいは下げて、また上げてということの繰り返しなのだと。一転、その人が使うことばはまさにオートマで、アクセスを最初からべた踏みしていく。つるし上げというのはまさにアクセルべた踏み。マニュアルシフトなら4速か5速というのがぼくの感覚。

 

 その中間がない。何年か前にその人と読書の大切さについて話したことがある。活字に触れることで、語彙を増やすことで豊かになることがあると。

 

 読んでないのだろうなぁ。

 

 急に醒めたのと仕事が忙しくなってきたのでそれに身を任せることにした。1日システム関係のQ&Aを構築していけばあっという間に時間は過ぎる。

 

 生きてきた環境が違うのだなというのは、その人が使うことばにも如実に表れていることを感じる。ここ数年で自分の周りの環境が変わったとその人はいうのだけど、なるほどそういう厳しいことばが飛び交う環境の中で生きてきたと考えれば、つるし上げるということばにも納得がいく。

 

 けれど自分からそのことばに寄せていくことは出来ない。そんな疲れる世界になどなるべくなら縁なく生きたいというのが本音。

 

 こういう時に決まって宝くじを買いたくなる。数億円の貯えが出来たらぼくは、色々なしがらみを絶って、映画館と図書館と小劇場をうろうろする人生を送りたい。