フケフケ人生 | 38度線の北側でのできごと

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38度線の北側の国でのお話を書きます

 子どものころから老けていると言われることが多かった。体格は高校の時から変わらず小柄なんだけど、ついている顔がまずい。老けているのである。

 

 しゃべらせるとかなりマズい。話し方もまずいし内容はもっと悪い。年上の人の方が圧倒的に会話していて楽なのだ。若い同僚とは話題を選ぶ。選びに選びすぎて話し方がぎこちなくなる。そもそもクレージーキャッツがサイコーだとか言っている時点で、おまえいくつだよ!という話になる。ぼくより年下の担当編集者もクレージーキャッツ大好きというところで救われた。

 

 最近、母親が真顔であなた本当はいくつなのと聞くようになった。ついにボケたか?と思ったら、本当にわからないらしい。会話がおかしいというのだ。

 

 待ってくれ。教養だ教養。豊饒なる教養がこのことばたちを生み出しているのだというと、眉をひそめる始末。

 

 昔、誌面でしか会わない人がいた。お互いにあるクライアントのホームページで連載を持っていて、何年かして初めて会った時「あなたが北岡さんなの?」と言われた。「あなたの文章読んでいたけどけどさぁ。もっとずっと年上だと思ったよと言われた」。クライアントに忖度し、ちょっと格調高めで行こうやと決めたら、この始末。文章力を褒めてもらったことにしてごまかした。

 

 最近、ハウス加賀谷氏に会った。加賀谷さんは47歳。同世代ではあるが年上である。その加賀谷さんからあとで「年上だと思った」と言われた。えー!というとジャケットを着ていたからと言われたけど、うーん、これは結構ショックだったなぁ。

 

 というのも、不思議と最近余り老けていると言われなくなってきたのである。みんな気を遣ってくれているのかなと思ったが、こんなことがあった。異動した上司とぼくいっしょの年齢なんですよねーと呟いたところ、うそっ!と言われたのだ。

 

 妻がしみじみと言ったのだ。あなた、45歳には見えないわと。

 

 そしてフケフケ戦線から、脱落者が相次いでいるのである。薄くなった髪の毛と、たっぷりついた脂肪のせいで脱落していく同志たちを見て、ぼくは決心した。

 

 アンチエイジングだ。明日から化粧水塗ろう。

 

 革靴を素足で履きこなす大人になるのだ。この発想が既に間違っている?知ったことではない。勝者だけが歩ける王道をぼくは行く。