鈍い陣痛で、少しお腹は痛くなったものの
カバンが手に入り、水も飲めるようになったので
旦那がいなくても、まぁ楽しく過ごせていました。
あの尿意を感じるまでは!!
様子を見に来た看護師さんにトイレに行きたい旨を伝えると
尿瓶を持ってくると言うのです。
え!
ト、トイレ行っちゃダメなの?
シ・尿瓶!?
隣に、
カーテン一枚隔てた隣に
おひとかたいらっしゃるんですが?
「もう点滴もしてるし、ごめんね~」
って・・・
そ、そうなの?
点滴って、ガラガラ運べるんじゃ?
まぁ、破水してますし、お腹に器具もついてるしな。
とにかく、朝食を食べずに来てよかった。
尿なら、隣に人がいても、ギリギリできそうです。
嫌だけども、便の比ではありませんからね!!!
これが便だったらと思うと、ぞっとします!!!
お産がすすんで、パニック状態で
いきみと一緒に排便する話はよく聞きますし
そんな状況なら、便でもゲロでもクサイ玉でも、
何を出そうが恥ずかしくないと思うのですが
こんなに頭が冷静な状況で、
看護師さんやお隣の産婦さんの前で、
軽快にウンコをする自信が私にはありませんので。
お隣に、生まれたての新生児とお母さんがいる中で
ジョボボボと音を殺して放尿する私。
隣のお子さんが始めて聞く外界の音が、
私の尿の音になっては申し訳がありませんからね。
そんなこんなで、尿瓶での放尿を済ませ
地味な痛みを感じながら、時間は過ぎていきました。
じわじわと強まる陣痛は
あっという間に10分感覚に。
それでも、我慢できる痛みです。
まさに、生理痛の強いやつ。
強さは、通常の生理痛が
じわ~~~
ぐぐぅ~~~~
だとしたら
陣痛の場合は
ズズズズーーーーーン
ゴゴゴ~~~~~ンン
てな感じです。
わかんないよね・・・
うまい表現はないかしら?
生理痛が
村上春樹の文章としたら
陣痛は、
天童荒太の文章、とか?
作家例え、益々わかんないよね・・・
ただの、おっさんふたりだしな。
生理痛が
花*花の歌声だとしたら
陣痛は
こまどり姉妹の歌声、とか?
女性デュオ例え、ちょっとはわかりやすいかな?
そうだ!
生理痛や陣痛は
お腹の中を叩かれているような鈍痛ですよね。
生理痛 ↓
陣痛 ↓
これだ!!
こんくらいの違いでしょうかね?
どうですか?
なんか、ちょうどいい例え持ってる人がいたら
教えてください!
ソレソレ~~~って言いたい・・・
まぁ、そんなこんなで、痛くなってきたので
訓練してきたソフロロジーの呼吸法でのりきることに。
ソフロロジーの基本は、ロウソクの火を吹き消すように
ふーーーっと長く息を吐くことです。
陣痛は赤ちゃんが出てくるために
必要な痛みだと思うことで、受け入れます。
リラックスすることで、痛みが楽になるとのコトで
ぎゅっと握りたくなる手を何度もブンブンと振って
力をこめないように深呼吸しました。
痛いけど、この痛みが
おチャボちゃんを私に近づけると思うと
本当に耐えられるような気がしました。
「早く会いたい。早く会いたい!」
そう念仏のように頭で唱えて、痛みの波がさるのを待ちます。
ええ、この時はまだ余裕でした。
ソフロも効いていたし、
分娩室でひとりでも寂しくありませんでした。
(お隣さんはいつのまにかいなくなっていました)
それが、徐々に徐々に痛みが強くなり
感覚も狭くなってくると、「ぐふぅぅ」と
吐く息に力がこもるように。
痛くて痛くて、息を吐くのも苦しい感じです。
体がひんやりと冷えて、寒さに震えました。
痛みの波が来ると
「嘘でしょ、こんなに痛いの?
マジすか?マジすか?マジすか~~~~~?」
とパニック状態に。
ふーーーっとロウソクなんて消せる状況ではなく
「はぁ、はぁ、はぁ」と声が出ます。
最終的には頭の中は、この単語でいっぱいです。
こんなに痛いのに
あのオトコは
何をやっとんのじゃーーーーー!!!!!!
「おチャボちゃんに会いたい♥」と思っていた気持ちが
いつの間にか、旦那への怒りに変わっていくから不思議です。
震える手で、旦那にメールを打ちました。
「まだかかりそう?
痛みが強くなってきたんだけど、まだこれない?」
陣痛の波が去るたびに送りました。
「けっこう痛い、早くきて」
旦那からは
「がんばれ、もうすぐ行くから!」
と返事がきますが、メールなどなんの助けにもなりません!!!
いいからこっちに来て腰をさすれや!!!
と怒りで震えますが、長文が打てなくなっており
ストーカーのように連打で送ります。
「ひとりじゃ無理」
「つらい」
「まだ?」
「さむい」
「はやくきて」
「あーいたい」
「いたい」
「いたい」
「いたい」
西野カナの歌みたいな感じになりつつメールを送り続けました。
「い」と打つだけで「いたい」が予測変換で
一発で出るのが大変便利な陣痛中。
ちょうどよく昼になり
昼休みになった旦那が駆けつけました。
私は体が冷たくて、震えるほどです。
旦那にホッカイロで足をさすってもらい、水を飲んで一息つきました。
点滴を見に来る以外、病院側は基本放置だったので
旦那の顔を見て、ほっとしました。
さらに陣痛は強くなっていきます。
はっはっは、と息が短くしかできなくて
なんとかリラックスしようと頑張るものの、
痛くて息が止まりそうになります。
何度も手をぎゅっと握りそうになって、手をぶらぶらさせて
自分の太ももをサスサスして気をそらそうとしました。
このサスリ、結構気が紛れていいですよ、
力が入りそうになるのをごまかせました。
旦那は「がんばれがんばれ」と声をかけてくれますが
返事もできずに集中です。
休む暇もほとんどなく、
陣痛の感覚がずいぶん狭くなっていました。
「痛いね~、結構もう、辛いんですよ~」
と、助産師さんが旦那に私がどれほど苦しいかを伝えてくれます。
そうなんです、本当に痛いんです!!!
ねぇ、あなた、私本当に痛いの~~~
すんごい痛いの~~~~
ああ~~~~~~~
アナタ(助産師さん)
もっとコイツ(旦那)に言ってやって~~~~
と心で叫びました。
もう、ホント
「こりゃすげーな!」と言いたくなるほど
陣痛は痛かった!
想像以上です。
一回波が引くたびに、再度来るのが恐ろしくてたまらないのです。
しかし、やっと助産師さんが
「結構陣痛も強くなってるね。
子宮口を見てみましょう!」
と言ってくれました。
「おお!ついに!!!」
私は期待を込めて願いました。
子宮口がある程度開いたら、麻酔を入れてくれます。
手を入れて、ツンツンチェック。
お股に手をブッ込んでいるので当然痛みがありますが
陣痛にくらべたら!全然気になりません!
ちょっとだけ
「助産師さんに昇竜拳打たれてるみてーだな」
なんて思いましたが、
もう、子宮口が開いていて欲しい一心で
足を大きく開いて力が入らないように心がけました。
なのに!
「指1本!
まだまだね~、もう少し開かないと・・・」
う、うそ、こんなに痛いのに!?
助産師さんは
「ファイト!!!」
と虚しい掛け声を残して出て行ってしまいました。
さらに旦那も
「2時にお客さんがくるから、
もう少ししたら戻らないと」
とぬかしやがります。
「あ、あ、あなたがいなくてもいいお客さんなんでしょう?」
「うん、朝の電話のあと、会社に着く直前に社長からメールがあって
今日はもうこなくていいから、奥さんのトコにいろって言われた。」
「じゃ、じゃあ、戻らなくていいんじゃないの?」
「いや、キッチリお客さんの接客しますと言ったよ。」
「なんでよ!!!!」
「俺は社長の朝の言葉をなかったことにできない。
社長にハッキリと言いたいね。
それには言われた仕事をこなさないと。
「やっぱこなくていい」なんて、出社直前に言われて
ハイソウデスカって引き下がれないだろ。」
「引き下がってよ!!!
いいって言われたんだから、行かなくていいじゃん!!!」
「いや、俺にも意地がある。」
「意地!?意地と家族と、どっちが大事なの!?」
「急いで接客を終わらせて、すぐに戻るから!
頼むから、一人でがんばって。」
「い、いやだ、お願い、そばにいて~~
アダ~~、イデデデデデ!!!!」
男の意地などクソの役にもたたんわ!!!
いいからソバにいて足をさすっておくれでないかい!?
と心から思いました。
私は人生で一番、くらい
「行かないで~~~」とすがったのに
旦那はまたしても、トキみたいな目で
「俺には意地がある。」
ですからね。
痛がる私をそりゃもう切なそうに見つめて
「本当にゴメン、すぐに戻るから。
安易にあんな言葉を言ったことを後悔させないと、
俺の気持ちがすまない!」
と言って、訴えるのです。
後悔させるとか、んなこと、どうだっていいよ!!!
後日プライベートでゆっくりやってくれよ!!!
「お、お願い、そばにいて~~~~
ぐぉぉぉ~~~~!!!」
と、まるで捨てられる女のようにすがりながら陣痛を耐えました。
(ぐぉぉぉ~、は陣痛中)
そんなやりとりを30分ほどしたでしょうか?
助産師さんが再度子宮口チェックに来てくれ
私は祈るようにお股をおっぴろげました。
まだ続きますよっ!







