まだまだ妊婦に慣れていない私以上に
「妊婦の夫初心者」の旦那は、日々戸惑っています。
寝ている時に
私の贅肉満点の腹部に手をのせてしまい、朝
「おなかに負担かかったんじゃない！？」
と焦ってみたり
お風呂掃除していると
「そんな格好して大丈夫なの！？」
とスポンジを取り上げてきたり
外出時にマスクを忘れると
「コラ！風邪ひいたらどうするんだ！」
とコンビニですぐにマスクを買ったり。
星の王子様のように
私をガラスケースに入れて大事にしてくれます。
あ、あ、あ、
あんなにスパルタだった旦那が・・・
旦那は元々、釣る前も
そして釣った後も、まったく餌を与えない
疑似餌釣り師だったんですよ！！
餌もないのに釣られた私・・・
過去にこんな抗争がありました。
買い物などで、重い荷物が出ても持ってくれない旦那にイラッとした私が
「重い物は男が持つべきじゃないの？」
と言うと
「俺は自分でできる事は自分でさせる主義だ」
と言うのです。
「女は料理したり、裁縫したりしてるぶん
男は自分が得意な力仕事を請け負ってくれたっていいじゃない」
なおも私は食い下がります。
シャネルのハンドバッグを持てって言ってるんじゃありませんよ。
米や水などの、重い物を持って欲しいと言っているだけです。
「女はすぐ調子にのるから、甘やかしちゃダメなんだよ」
調子に・・・ですって？
なんだか、過去に付き合った女性が
付き合うにつれ厚かましくなり、いろいろな事を要求してきた
ってな昔話を始めます。
いや・・・
その女性はそうだったかもしれないけどさぁ。
あなたが優しくしたからって
私が「もっともっと」と我儘をいうとでも言うわけ？？
この問題は結構長く討論されました。
結果、ゴキブリの駆除と、高い場所の荷物を取る行為
そして、私では持てない重い物を移動する場合は
旦那がやってくれるけど、基本的には甘やかされる事なく
この10年間付き合ってきました。
それが、急にこんなに甘やかされちゃって・・・
「喉乾いた・・・」
「汲んでくるよ！！」
「いや、いいよ自分で・・・」
「いいから寝てろよ！おなかの子にさわるぞ！」
ああああ、
夢ではあるまいか！！！！
一生身ごもっていたい！！！！
まぁ、アフリカの井戸のない村でもなく
冷蔵庫まで何部屋も歩かなきゃいけない豪邸でもない
せまーい我が家の話なんですけどね
そんな風に言ってくれるのが嬉しいじゃないですか！！！
マンモスウレピー！！！
心に冒険を、オーレイ！！！
のりピーが歌ってた三銃士の主題歌を声高に歌いたくなるほど幸せです。
ほんで、ある日、どうもだるい中、食事の準備をしていました。
「ああ、ダルイ・・・でも、ご飯作るね」
「いいよ、今日は俺が作るから」
「え！いいよ、大丈夫だから。おいしょっと」
「座ってろ！」
キャン！男らしい旦那！
しかし、ここで衝撃の一言が飛び出しました。
「いいか、オマエの体はな
もう、オマエの体じゃないんだぞ！！」
え！嘘！
これ、
私の体じゃないんのん！？
すさまじいショックです。
桃白白（タオパイパイ）の殺し屋になる前の職業が
サラリーマンだったと聞いた時より驚きました。
私はしばし、ショックで呆然とてしまい
旦那はホクホク料理を始めました。
まさか、この体、もう私の体じゃなかったなんて。
だから旦那はこんなにも優しくしてくれるのでしょうか？
「ねぇ、これ、私の体じゃないの？」
私は料理中の旦那に尋ねました。
「まちがった、
もう オマエ ひとりの 体じゃない って意味ね」
旦那よ、
たった一言抜くだけで、意味が全然違ってくるよ・・・
旦那の本音が飛び出たかと焦ったよ・・・
私の事を赤ちゃんのおくるみかなんかと思ってるんじゃと
ビックリした出来事でした。
最近私は旦那の優しさに慣れ
「ヤッホー、私、母体だよ！？」
と旦那に無理難題を言って楽しんでます。
「ねぇ、可愛がって！！！」
「いやだよ！！！」
「ねぇ、母体だよ！？
母体が言ってるんだよ！？」
こうして私は思う存分の寵愛を受けています。
「ねぇ、あれ食べたい」
「また今度ね」
「嘘でしょ、母体だよ！？
母体が欲してるんだよ！？」
こうして私は食べたいものをガツガツ食べています。
さすがに深夜
「タラバガニが食べたい！」と言った時は
「無理だよ・・・」と断られましたが
基本的に私の好きな味付け、献立を優先してくれます。
水戸黄門の印籠よろしく、母体を振りかざす卑怯な私です。
しかし、いつか出産したあと、
旦那が妊娠前の状態に戻った時
生活に順応できるか、正直怖いです！
結局は旦那の言う通り
女は甘やかすと調子にのる生き物なのかもしれません。
え？私だけ？
いや、旦那の付き合う女性特有の属性かもしれません。