「あの、私ってそんなに頼りないですか?」翔子ちゃんのことまだまだわからないこと多すぎる、迂闊なことは言えないな、お母さんに私が偽物ってバレるのも怖い。
「あんたといるとどこか安心できないの、例えば北海道の動物園であんた勝手に一人でうろつき始めたよね、あれって私たち馬鹿にしてるなって思った」母
「あ、あれはその、特定の動物が好きなんでそれで勝手に行っちゃいました、ごめんなさい」どうして私が謝らないといけないんだ?
「そう、あんたのいいとこは物凄く素直なこと、それがあるからあんたの行動何でも許せちゃうんだ、普通の子ならムカついてすぐ自分の部屋にこもっちゃうのに。レッサーパンダだっけ、好きな動物」母。翔子ちゃんは素直な子か、覚えとこう。レッサーパンダか、私の記憶ではこれまで見たことないな。
「レッサーパンダ、好きですね、どこかのんびりしててそのくせ素早く行動する、そういう動物、憧れません?」
「私は動物はいいよ」母
「何が動物はいいですって?」突然現れた翔子ちゃん、あ、今は吉野朔実か。
「あ、吉野さん出たんだ」母
「お母、いえ、おばさん、私動物大好きなんです、動物のこと馬鹿にしたら許しません」翔子ちゃん
「馬鹿になんてしてないです、吉野さん、気分はどう?」母
「ええ、すっきりしました、あとは寝るだけですね」翔子ちゃん
「じゃ寝なさい、もう遅いんだし」母
「11時ですからね、わかりました、おばさん、おやすみなさい」翔子ちゃん
「おやすみなさい」
「あ、おばさん、エアコンつけますからよろしくです」翔子ちゃん
「どうぞどうぞ、翔子、明日からどうするの」母
「どうするって言われても、だ、大学があります」
「ってあんた夏休み今月の下旬って言ってなかった?」母。わー何でも知ってるな、流石お母さん。
「翔子はずっと学童通います、あと、吉野さんの家にもおじゃまします」翔子ちゃん
「そ、そうです、学童がありました」
「でも夕方から行ってもそれまでが退屈でしょ?」母
「ゆっくり何するか決めてきます、それじゃお休み」翔子ちゃん
「お休み」母
「お休みなさい」こうして私たちは翔子ちゃんの部屋に。まだまだ見慣れぬ部屋だな。
翔子ちゃんべっでに入る前に、
「朔美さん、いい?これから私たちは寝ます」翔子ちゃん
「はい」