遠い星233(TDL編30) | たろすけ日記
「居酒屋のお店は決めてるの?」私。

「いや、全然。出たとこ任せでええやろ。で、裕美もお腹空いてるよな?」おにい。

「うーん。飲み物結構飲んだからそれほどじゃないけど、空いてきてるね。お店決めてないって行き当たりばったりになるのか。大丈夫?」裕美さん。

「そやな。このPCで店の場所だけでも探しとくか。こんなの5分もあれば十分」おにい。

「オタクの真髄見せてよね。任せるから」私。そのままおにいはパソコン見て、

「刺身とかなくてもええよな。どーせなら食べ飲み放題の店で思いっきり食べよや。何か昨日から食べっぱなしって気もするけどたまにはええやろ」おにい。

「食べ飲み放題賛成。せっかくだから私もお酒飲んでみようかな?こんな機会ってなかなかないことだし、昨日だって二人だけお酒飲んで寂しかったんだ」私。

「志奈子ちゃん。あなたまだ未成年よ。・・・でもいっか。こういう機会ってなかなかないことだし私たちだけの秘密にしとけばいっか」裕美さんがおにいに向かって言った。

「ジョッキ1~2杯やったらええんやない?あとはもう寝るだけやし。少しは酒入った方がゆっくり眠れるやろ」おにい。

「じゃ飲んでみる。初めてのお酒が裕美さんとおにいと一緒のお酒か。おとんとかじゃなくて良かった」私。

「ほな出よか。店もええとこ見つけた。こっからすぐんとこ」おにい。

そのままネットカフェの店出てちょっと歩いて居酒屋に着いた。夕方も新宿はどこも人でいっぱい。尼崎もいっぱいだけどその規模が全然違ってる。辟易しながら店に入った。こじんまりとした静かな居酒屋だ。ちゃんとした個室になってる。もっとも仕切りは暖簾だけどね。少なくとも人目は気にしないで食べ飲み出来そう。おにいに一人がけで座ってもらい、私と裕美さんが対面に座った。ライトがちょっと眩しい。

店員の人が来て、

「まず最初に決まった料理3種お持ちいたします。それからお好きな料理のご注文お願いします。お飲み物はどういたしましょう?」と訊いてきたので、

「生3つ」とおにいが返事した。そのまま店員の人はいなくなったが間もなく生ビール持ってきた。

「お昼も抜いたからお腹も空いたろ?とりあえず、今日に乾杯しましょうか」おにいが言ってきたので、

「だね、今日は何か勿体ない一日だったかもしれないけど、私にとってはどっか行くよりもいろいろ話が聞けて良かった。乾杯!って私お酒飲むね」私。

「ええって。お前もほとんど成人したようなもんやし」おにい。

「後は鮫君の部屋で休むだけだし、志奈子ちゃん、まだ聞きたいことあったらどんどん聞いてね」裕美さん。とりあえず一口ビール飲んだ。初めてのお酒だけど、うん、美味しい。疲れたときに飲むお酒っていいね。だから大人はみんな飲むのか。

「生まれて初めて飲むお酒って美味しいもんだね。回りが裕美さんとおにいだからかな?」私。

「一人で飲むよりみんなで飲んだ方が美味しいって。俺の初めての酒はおとんと二人酒だったけどな」おにい。
(続く)

(続く)