遠い星169(会食編②) | たろすけ日記
裕美の写真撮りまくってた!笑ってる裕美、怒ってる裕美、悲しんでる裕美・・・。どれも俺には宝物だ!携帯のカメラだから上手く撮れなかったので、お金出来たらデジカメでも買おうと思った。誰だって裕美の写真は欲しいはずだ。でも、裕美の写真は俺だけのもの。誰にも渡すわけないし、俺だけのものなのだ。そう思うとスゴク嬉しく思った。優越感強く感じた。

最初裕美は嫌がった。当たり前か。でも、以前撮ったプリクラの写真のこと話して毎晩裕美のプリクラ見ながら寝てること伝えて、写真でも構わないから裕美をいつも見ていたいと言ったら、しぶしぶOKもらえた。ただし、ブログには出さないということが条件だったが。もちろん俺はブログに裕美の写真載せることは絶対しないと約束した。当たり前か。いつも出してるのは神崎かなえさん。彼女なら出すことに躊躇いはない。

裕美の写真は、一度見たら誰もがファンになってしまうほどの綺麗な顔立ちだ(今更くどいか)。大人しそうな裕美、笑ってる裕美、怒ってる裕美・・・どんな表情もウットリしてくる。

でも実物の裕美の方がずっといいのは分かってる。携帯のマイクロSDHCカードからPCにコピーして、プリンターあるのでそのまま印刷出来る。俺の部屋一面に裕美の写真貼ったら毎日がスゴク新鮮だろうな。でも、それを裕美が見たらまた気を悪くするだろう。だから出来ない。俺は俺だけの秘密の写真を裕美には隠して保存していこうと思った。間違いなく裕美が嫌がることだから。

逆に俺の写真も撮られた。裕美はSDカードとかUSBメモリーなんて持ってきてないから俺の余ったUSBメモリーに移して渡した。でも、俺の顔なんか見たって気持ち悪いだろうに。裕美の感覚は俺には分からないが。そんな感じで約束の時間まで過した。お昼も食べずに時間が過ぎるなんて思ってもなかった。お茶だけで過すなんて。時刻は16時過ぎ。そろそろお腹も空いてきたし緊張もしてきた。早いけどそろそろ出るか。

いつものようにネクタイ締めたスーツ姿で準備も出来た。寒いのでコートも羽織り靴を履いて外に出た。晴れてはいるがすっかり日差しは傾いている。そのせいか一層寒く感じた。肩を寄せ合って高田馬場駅に着いた。

何気ない普段の日常であることは間違いないことなのだが、今日は前回と違って上手く行きそうな気がしてた。どうしてそう思えたかというと、昼間の裕美の写真のおかげ。これまでいろんなこと裕美と経験してきた。それはそれで、どんなシーンの裕美も俺には忘れられないものだけど、それはすぐに過去になってしまう。今っていう時間も過去になってしまうのだ。

だけど、写真は違う。今という時間が過ぎても写真はずっと今の状態を続けていける。だからこうして裕美の写真が俺の手に入ったことは、俺にとっては何だか自信のつく出来事だった。とは言っても肝心の裕美本人がいなければどうしようもないことなんだけどね。

待ち合わせ場所のホテルロビーに着いてからもニンマリ笑ってる俺に、裕美は不思議そうに見つめ、
「何が可笑しいのかな。母に会うのがそんなに嬉しいの?」

「いや、別に」まだ時間があるのでホテルのロビーに腰掛けた。
(続く)