遠い星114(帰郷編Ⅱ44) | たろすけ日記
「何だっけ?」

「お風呂のこと!」

「あー、ゴメン、思い出した。・・・でも、あれって冗談よね?いくらなんでも信じろってのは無理やし」

「ううん、ホントのこと。一緒にお風呂入って身体洗いっこしよ。で、一緒に湯船浸かってシリトリするの。子供の頃お父さんとよくやったみたいにね」

「シリトリ・・・。あの飛行機のときみたいに?」

「そうだよ」
ふーん、裕美ってひょっとしてファザコンっぽいとこあるんだと思いつつ、今とは全然違う裕美の毎日思い出して悲しくなり、

「いいよ、裕美が好きなだけ付き合うよ。身体洗い合うのもいいし、シリトリでも何でもする。裕美がしたいだけしたらいい。俺は裕美の何でも屋になるから。でもホテル、ユニットだから狭いと思う」

「・・・怒ればいいのに」

「え?」

「私のワガママなんて断ればいいのにって思ったの。鮫君、私甘やかしたら将来取り返しが
つかなくなるかも、よ?」

「ええって。裕美がいないと俺の人生何もないし、今晩は裕美のしたいとおりしたらいいよ。たまにはハメ外した方がいい。それで俺がカチンと来ることも絶対ないし。何故って裕美の家庭環境分かってるから。裕美から比べたら俺なんてまだまだ甘ちゃんだし」

「ふーん、鮫君まだ酔ってないんだね。私はやっぱり酔ってきてるかな?うーん、でも、どうなのかな?私って本心全部喋ったのかな?」

「まだ言い足りないことあれば何でも言ってよ。俺が出来ることは何でもするし。こういう機会ってとっても意味あることって思ってる。滅多にないことやし。何でも言って。これまで言えなかったこと全て」

「じゃ、鮫君」

「一番言いたいこと?」

「うん。・・・私と一緒に眠ろうね」

「うん、分かってる。兄弟のように子供のようにぐっすり眠ろう。多少は俺も酔ったからいびきかいて寝てるかもね。そんときはゴメン。もう最初から謝っとくよ。・・・もっともいびきなんて出来ないか」

「ううん、鮫君が良かったら、私のこと、・・・抱いてね」

「だから子供のように抱いてあげるよ。良い子だ、いい子だ、寝んねしな~って感じでね」裕美に愛想振りまいたつもりが、裕美はちょっと押し黙ったけど、すぐに酔った?笑顔に戻って、

「うん、私抱かれるのがとっても楽しみ!泣いちゃうかもね?」明るい相槌打った。別にそのときは裕美の感情の変化にも気付かなかったので、

「泣くようなことなのかな?俺だって大昔はおかんと一緒に寝たことあったと思うけど、もう忘れた」
(続く)