20年前も昔の2001年の話ですが。。。
日本の空で、羽田発那覇行きの日航ジャンボ機と韓国は釜山発成田行きの日航DC-10とが最大距離135mの距離でニアミス事故を起こしました。DC-10側には、けが人はでませんでしたが、ジャンボ機側は、衝突回避行動で急降下したため、乗客・乗員にけが人が多数出ました。
DC-10側には、衝突防止装置のTCAS(Traffic Collision Avoidance System)から「降下せよ、降下せよ」という女性の電子音声の指示(Descend, descend now......の繰り返し)が出て、ジャンボ機側には「上昇せよ、上昇せよ」という男性の電子音声の指示(Climb, climb now....の繰り返し)がTCASにより指示されました。両機ともに、この指示に従っていれば、こんな重大なニアミスを起こすことはなかったのですが、ジャンボ機のパイロットは、TCASの「上昇せよ」(Climb)という指示に従わず、管制官の「降下せよ」(Descend)という間違った指示の方に従ったため、両機ともに衝突する方向に飛行することになりました。両機の担当だった管制官は、まだ訓練生だったらしいですが、異変に気がついた指導役の管制官がジャンボ機に対して上昇するように指示しましたが、正しくは「JAL907」というジャンボ機のコールサインを「JAL957」と言い間違えて発出したため、ジャンボ機は「自分の飛行機に言われている」とは思わずに上昇に転ずることなく、先の指示通りに降下を継続し、最大135mの距離でニアミスを起こしたというわけです。
後の裁判で、この2人の管制官は、業務上過失で有罪となりました。
TCASの指示に従わなかったジャンボ機のパイロットに対しては、裁判でどうなったかはしりませんが、後に当局より、「TCASの指示に従うように」という報告がありました。
人間は必ず間違いを犯しますし、機械も必ず壊れます。どちらが正しいかを正しく判断するのは、パイロットです。
たとえ、計器飛行方式で飛行していても、視界があればパイロットにも「見張り」の義務があります!
このYoutubeの動画を見て、不思議に思ったのは、管制官は、「どちらの方角から高度いくらで飛行機が飛んでくる」というアドバイスはしなかったんでしょうかね???アメリカの管制官なら必ず言ってくれますけどね!
それと、ジャンボ機のパイロットも「TCASは上昇しろと言っているが、このまま降下を継続していいのかのか」という質問もしなかったんでしょうかね???
以下、YoutubeのFlightChannelの動画です。英語のキャプションが入っているので、英語の勉強にもなります?結構、リアルに作られてますョ。
でも、ジャンボ機側には、機長と副操縦士以外に訓練生と言えども2名のパイロットの合計4名のパイロットが乗っていたんですが、誰ひとり、この矛盾に突っ込む人はいなかったんでしょうかネ!?