憲法の問題は面白いですね、哲学みたいで。
第2問
(出題趣旨) 日本国憲法上の司法権とは,具体的事件に法律を適用して紛争を解決する作用であるといわれているが,本問は,司法権の範囲及び限界に関し,三つの具体例に関連させながら,司法判断適合性,事件性の要件,裁判所法第3条の「法律上の争訟 ,統治行為論 」
(政治問題の法理)等の意義と機能について,その理解を問うものである
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(1)
憲法は、立法権が国会に属するとする41条、行政権が内閣に属するとする65条や司法権が裁判所に属するとする76条から、これらの三権が分立することを要請している。
本件のような、成立前の立法段階にある法律に対して、司法権をもって無効とすることは、三権分立に反するため、司法権を行使することはできない。
(2)
裁判所が司法権を行使する権限を有する範囲は、「法律上の争訟」であると解する。法律上の争訟とは①当事者間の具体的な権利義務ないし法律関係の存否に関する紛争であって、かつ②法律の適用によって終局的に解決するものを指す。
B宗教の教義の内容そのものは、概念や規範であり、具体的な権利義務や法律関係の存否に影響を及ぼすものではないため、司法権の行使の対象とならない。教義のもと行われた具体的な行為等が司法権の行使の対象となる。
(3)
本件の訴えおいては、自衛隊の設置または存在を司法的に判断する必要があるが、司法権を行使することはできるか。
自衛隊の設置は、政治的な事情や国際的な立場をうけて行われたものであり、こうした直接国家統治の基本に関する高度に統治性のある国家行為は、主権者たる国民に対して政治的責任を負う国会や内閣の判断、最終的には国民の政治判断に委ねられている。
そこで、裁判所は、こうした統治行為すなわち高度の政治性のある国家行為については、司法権の本質に内在する制約として、司法権を行使できないと解する。