過去に気になる記事があったので、そのまま転載します。
ゼンショーホールディングスが展開する牛丼最大手「すき家」は、10月3日から「豚かばやき丼」を国内全店で発売する。価格は並盛り630円、ごはん大盛りで660円となる。
すき家は豚かばやき丼で「焼き丼」に参入
「豚かばやき丼」は中国産の豚肉を蒸したあと、砂糖、酒、みりんのタレをつけて蒲焼きにしたもので、「日本人好みの甘辛い味付けになっている」とゼンショーHDは説明する。期間限定ではなく、レギュラーメニューとして通年での販売を見込む。価格については「ボリュームを重視」(同)しているという。
牛丼業界では昨年6月に三光マーケティングフーズが焼き牛丼「東京チカラめし」で参入して以降、吉野家ホールディングス傘下の「吉野家」が昨年12月「焼味豚丼 十勝仕立て」、今年7月「焼味 ねぎ塩豚丼」、9月「牛焼肉丼」と立て続けに焼き丼を投入。松屋フーズが展開する「松屋」も昨年9月に「ネギ塩豚カルビ丼」、今年4月「牛カルビ丼」、そして8月末から259店舗(9月末時点)で「焼き牛めし」を展開するなど、各社は焼き丼メニューを増やしている。
今回、ついにゼンショーHDの「すき家」が焼き丼に参入したことで、牛丼大手3社が出そろった形だ。価格は「吉野家」の「牛焼肉丼」が480円、「すき家」の「豚かばやき丼」が630円と高価格路線であるのに対し、「松屋」の「焼き牛めし」は店舗の大半に当たる175店で380円(一部店舗では290円、330円も)、「東京チカラめし」は290円と路線は分かれた。ある業界関係者は「思ったよりも大手の動きは速かった。それだけ(チカラめしが)目障りだったのだろう」と評する。
大手3社が焼き丼投入に走った背景には値引き戦略の行き詰まりと、食材価格の高騰がある。「すき家」の新商品発表に先立つ9月25日、吉野家ホールディングスは今2013年2月期の通期営業利益の見通しを期初計画に比べて47.3%減へと大幅に下方修正した。大幅減額を余儀なくされた理由はコメや牛肉など食材価格の高騰だ。現在、コメの価格は前年の放射能風評被害の影響を引きずり前期比1割ほどの高値で推移している。牛丼に使うバラ肉(ショートプレート)も、米国産牛肉の輸入規制緩和が想定より遅れていることから、前期比で5割以上の高値が続いている。
09年から業界を席巻した期間限定値下げについても、「すき家」は前年度の7回から今年度は現時点で1回に、「松屋」も前年度の7回から今年度はゼロにまで減らしている。それだけでは既存店売上高の落ち込みを補えないため、各社は、比較的単価の高い「焼き丼」を続々と投入したということがありそうだ。
こうしたあおりを受けているのが、三光マーケティングフーズの「東京チカラめし」だ。同社は昨年6月に「東京チカラめし」の1号店を出店して以降、1年間で87店の高速出店を実現。当初は「年間300店を出店する」(平林実社長)と強気の姿勢で一気に業界の4番手に躍り出た。ピーク時には月15店の出店を実施したが、9月は3店、10月も4店(予定)と、足元では大幅に減速している。
「東京チカラめし」は相対的に店舗数が少ないだけでなく、焼き牛丼の価格を290円(当初は280円)と低価格に設定したことも誤算となったもようだ。会社側は「店舗立地を厳選しているため」と説明するが、大手各社が本格的に焼き丼を投入し始めた夏以降、出店ペースが鈍っている。また4月から国産と中国産の混合米に切り替えるなど食材価格高騰への対策を進めたが、そうした施策も及ばず、前12年6月期の営業利益は前期比27%減という大幅減益を強いられた。
期間限定値下げを超える戦略を見いだせなかった大手3社は、ようやくここに来て、焼き丼の投入に活路を見出した。はたして新興「チカラめし」は生き延びることができるのか。
今後の展開に注目です。