皆さんこんにちは、ドクターまこです。今日は「患者さんを診察する頭の働き方」という変わったテーマでお話ししようと思います。なぜそんなテーマを挙げたかと言いますと、以前からずっと私にはいくつかの信念があり、診療を行っているのですが、あまり皆さんには公開しない方がいいのかなと考え、ずっと内緒にしていました。その信念とは???
いくつかある信念の1つを公開します。
それは「話を聞いて論理的に翻訳して解釈する」ということです。私にとって、そのルーツは高校時代、駿台予備校に通っていたときの英語の授業にさかのぼります。
駿台の英語講師の先生が、黒板にTo master English ・・・ という英文を書きました。
ここまで読んだときの「頭の働き方」。それがとても重要だと習ったのです。つまり、「To master English」までしか読んでいない段階では、それが文の主語になるのか?それとも副詞的用法となるのか?は決まらないわけですが、頭の中でそのあと、どのようになるのか予測を立てておくことが大切なんだよと習ったわけです、たしか。
そして、
To master English you must work hard . となれば、To以下が副詞句となっていると判断できるし、
To master English is difficult. となれば、To以下は文の主語(S)ということになります。
この論理的な英文の読み方を習った時,それはそれは深い感銘を受けました。伊藤和夫先生の指導法によって、英文の見え方が変わり、開眼した瞬間でした!
全く関係ないようですが、いつも患者さんの話を聞かせてもらうときも実は同じことを頭の中で行う癖があるんです。
ここからは企業秘密もありますが、一部だけ公開しますね。
たとえば、「妊娠4カ月。最近、耳に膜が張ったような感じで、自分の声が響いて聞こえて困っています。」
この場合、「妊娠4カ月」と聞いて「つわりのある時期かな?食欲が落ちたり、吐いたりしてないかな?」と翻訳しておきます。もちろんその翻訳は無意味なこともありますがひとまずそう解釈しておくんです。その翻訳が有用なのかどうかは、伊藤和夫先生の英文読解方式では、そのあとの展開によって決まるわけです。
つぎに、「耳に膜が張って、自分の声が響く」と聞いて、なるほど、つわりで、体重も減り、耳管が開放してしまい、自分の声が響いてるんだな。つまり、耳管開放症 と診断することが出来るんです。あとは診察して必要ならば検査を行うだけ。
そう心の中で予測していますが、実際診察してみないと本当の診断は当然分かりません。
しかし、「仮説を立てて、話を聞いて解釈する」という頭の動かし方。これはとても重要だし、駿台予備校で高校時代に習った経験が今も役に立っているんです。
何が言いたいかと言いますと、
患者さんの症状をしっかり聞くことで、その病気を絞り込むことができるために、無駄な検査に代入する必要は無くなるんです!患者さんも無駄な検査費用を払わずに済む!最高じゃないですか!
代入とは少し皮肉を込めた言い方でして、何でもかんでも「検査至上主義」みたいに、患者さんの話も聞かずに検査ありき!みたいな感じでどんどん検査をするというのが私は嫌いなんです。全然面白くないし、まるで英文を考えずにgoogleに丸投げして訳してもらっているみたいなもんです。
ところで、「耳管開放症」って知ってましたか?知らなかったらごめんなさい。またいつかブログします~。