皆さんこんにちは。ドクターまこです。今日は風邪のシリーズの3回目で「耳鼻咽喉科の果たす役割とは?優位性とは?」がテーマです。このブログを読んでいる皆さんは必ず風邪を引いたことがありますよね?わたくしドクターまこも、ついこの間、風邪を引きました!!おめでとう爆  笑ではありませんが、滅多に引かないため、たまに引くと患者さんの気持ちに立つことができる、なんと素晴らしい機会ではないか!!と解釈しておりました。

まあ、それはいいとして、風邪を引くと誰でも行う行為は何でしょうか?そう、「鼻をかむ」とか、「痰を出す」とかという行為ですね。つまり、貯まった分泌物を外に出してあげることで、少しでも楽になろうとしていますよね?耳鼻咽喉科の役割はまさにこの「分泌物を外に出す手助けをすること」なんですよ。医学ではこれを「ドレナージ」と呼んでいます。体内に貯まった膿などの分泌物を排出させ、できる限り早めに治癒へと導くことが、ドレナージの目的ということになります。風邪などで耳鼻科に受診すると、鼻の中にいくつかの薬剤をスプレー噴霧し、鼻の中に貯まっている余計な鼻汁を吸引したのち、細かなミスト状にした薬剤を鼻や口から吸いこむ吸入(ネブライザー)を行うことで症状の軽減だけでなく、早期治癒へ導く処置を実施しています。ここ最近は、鼻の中を、生理食塩水で洗浄する方法も一般化しており、来院できない場合のホームケアとして有効と言えるでしょう。特に小児においては自分で鼻をかむことができないため、耳鼻科で鼻水を吸引・吸入することが風邪を早く治す方法と考えます。しかし、近頃は共働きの家庭も多く、こまめに来院することが困難なケースが多く見られ、必然的に内服薬だけに頼った治療になりがちです。ドレナージは原始的であるかのように思えますが、内服薬と共に行うと風邪の早期治癒に繋がることは間違いないでしょう(エビデンスレベルでは耳鼻科処置の位置づけは低く、今後の科学的な裏付けが待たれるところです)。なお、えんクリではなかなか通院できなかったり、頻繁に風邪で通院する親御さんには、積極的に、家庭用の鼻汁吸引器の具体的な名称まで提示するなどの情報提供を行っています(なお院内では吸引器の販売はしていませんからインターネットなどで購入するよう勧めています)。

そして、2つ目の耳鼻科の役割は、風邪と似た病気を決して見逃さないということです。

風邪は言わば、しばらくの間、我慢すれば自然治癒する病気とも言えますが、風邪だという誤った判断が致命的となるケースもあるのです。このことはよく知っておいてほしい点です。経験を積んだ耳鼻科専門医は、このような風邪と誤解されて来院し、実は違う病気であったために、死に至る一歩手前の緊急事態となる例を数多く診てきていると思います。わたくしも、勤務医時代に外来を急遽ストップし、緊急手術に至った症例を数多く経験してきました。この風邪と紛らわしい病気(耳鼻科専門医なら紛らわしいとは思いませんが)とは、「扁桃周囲膿瘍」「深頸部膿瘍」「急性喉頭蓋炎」などが具体的病名として挙げられます。これらは薬を飲むとか、点滴するだけでは良くならず、切開など外科的治療が必要となる可能性が高い病気です。耳鼻科では必要に応じいつでもファイバースコープ検査を迅速に行い、鼻からのどまで全てを隈なく見ることができ、風邪と風邪でないものを自信をもって確実に診断・治療することができるのです。

以上、風邪における耳鼻科の役割・優位性をいくつか取り上げてみました~!

次回は風邪の4回目「ドクターまこが風邪を引いたときの対処法」です。1日でも早く治したいと思う方、それはわたくしもおんなじです。さあ、どうしたらいいんでしょうかね?お楽しみに~ウインク

 

皆さんこんにちは。ドクターまこです。今日は前回に続き、風邪の2回目です。

前回のブログでは

「風邪はウィルスによって起こる」

「ウィルスと細菌は違うものである」

「抗生物質は細菌を殺すことはできるがウィルスを殺すことはできない」

「風邪には抗生物質は効かない」

ここまでが復習ですね。

今回はじゃあ一体、「抗生物質を飲むタイミングはどんなときか?」をご説明します。

 1)風邪を引いて、一旦少し良くなったと思ってたら、再び症状が悪化したとき

そもそも風邪がウィルスによって起こるのであれば、抗生物質は不要である、ということが前回のポイントでしたが、風邪でも、抗生物質を飲んだほうが良いタイミング、時期があるというのが今回の1つ目のポイントになります。

風邪の経過中に

「一旦熱が下がって、再び熱が出てきた」とか

「はな水が急に多量に出るようになった」とか

「のどの痛みが急に半端じゃなくなった」とか

「頬やおでこなどの顔や頭が急に痛くなった」とか

「耳の中が急に痛くなった」

などなどの症状が出たときは抗生物質の出番かもしれないと考慮していきます。これは、かぜウィルスに感染を受けた粘膜には細菌感染を2次的に起こしやすいという事実によるものです。私も昔、学生時代に、教科書で習ったときには、そんなものなのかなあと思いましたが、現在でもこの考え方は否定されていません。実際に、患者さんの話を注意深く、よ~く聴いていると、このような「一旦よくなったんですがまた急に~~になったのでクリニックに伺いました」というエピソードをしょっちゅう耳にするようになり、「なるほど!そこからが細菌感染かもしれない」と実感するようになりました。もちろん、細菌感染したら絶対抗生物質が必要というわけではありません。ここで強調したいことは、「風邪の初めから強力な抗生物質を飲むのではない!単なる風邪に最初から予防で抗生物質を飲むのではない!だって後から必要になるかもしれないのだから!」ということなんです。つまり、抗生物質が本当に必要なタイミングを知ってもらいたいのです。ただし、小児においては細菌感染の合併率が高いため、この考え方だけでは通用しないこともありますから、丁寧な問診と診察がとても重要になります。

 

2)症状がいろいろな場所ではなく、1つの場所のとき

ところで、自分で風邪だという判断はそもそも本当に正しいのでしょうか??実際に外来にお越しいただく患者さんの話を伺っているとその判断が医学的には間違っていると感じるケースがよくあります。たとえば、

a 「右ののどだけが痛い」

b  「のどは痛いが、咳も鼻水も出ない」

c  「頭が痛く、黄色い鼻水が出るが、のどの痛みはそれほどでもない」

d  「熱があり、咳は止まらず出るが、鼻水は出ない」

これらは医療者から聴くとすべて「単なる風邪ではない」と感じるエピソードなんです。

原則として「風邪はのどが痛い+はな水(汁)+咳、かつ、これらがほぼ同じ程度に起こる」のが、まさに”ストライクゾーン”の風邪です。ここが大切です。もちろん、最初の日はすべての症状が出揃わないので分からないかもしれません。私もそのようなかなり早い段階で来院した患者さんには「本当に風邪か?」とかなり慎重に診療を行っています。絶対ではないですが、このように症状がいろいろな場所(のど・はな・気管)で起きているということがとにかく「ウィルスのしわざ」であると考えてよいのです。つまり、この場合には抗生物質は不要であろうと考えます。抗生物質が必要だろうと感じるのは、要するにその逆になります。上記のaからdは、抗生物質が必要かもしれないと考える状況です。ポイントの2つ目は、このように単一の症状が出たときは、風邪ではないという点です。

ちょっと長くなりましたが、次回は風邪の3回目で「耳鼻科にかかるメリットは?」をテーマにブログしたいと思います。

 

 

 

 

 

皆さんこんにちは!ドクターまこです。昨日も今日もいつものことですが、いわゆる「風邪」で受診する方は耳鼻科で非常に多いものです。しかし、受診される方もこのブログを読んでいる方の中にも、この「ありふれた風邪(Common cold)」に対して相当な誤解をしている場合があります。

その最たる誤解は「”かぜ”には抗生物質が効く」という思いです。多忙な外来のなかで、「かぜが悪化しないように早めに抗生物質をもらいに来た」とか、「しょっちゅう風邪を引くから抗生物質を沢山処方してほしい」とか、「余計な薬は要らないから抗生物質をもらいたい」とか。。。。これらの誤解を解くのに時間がかかり、説明すればするほど、かえってめんどくさい話だと思われる方もいるかと。。。

ここで、是非とも知ってほしいことは

①風邪とは原則として、ウィルスによる上気道感染症である

②ウィルスと細菌とは異なる 

③抗生物質とは細菌を退治する薬である

よって、「ウィルスが原因である風邪には、抗生物質は効かない」ということです。ウィルスを退治する薬は「抗インフルエンザ薬」と「抗ヘルペスウィルス薬」の2種類くらいです。よって、風邪ウィルスを退治する薬は存在しません!!

ウィルスと細菌という言葉が分かりにくいという人にはその違いを少しでも知るとイメージできるかもしれませんね。たとえば、ウィルスというのはおよそ1000000分の1ミリ(ナノメートル単位)の大きさであるのに対して細菌はおよそ1000分の1ミリ(マイクロメートル単位)であり、細菌はウィルスの1000倍の大きさ(細菌>>ウィルス)になります。また風邪のウィルスの代表は「ライノ(鼻を意味する)ウィルス・アデノウィルス・RSウィルス・パラインフルエンザウィルス・コロナウィルス・インフルエンザウィルス(あの悪名高い奴です)」です。一方、細菌の代表は「溶血性レンサ球菌・肺炎球菌・インフルエンザ菌(紛らわしいですが、ウィルスのインフルエンザとは全く別物です)」などです。

じゃあ、抗生物質は要らないのか?という疑問を抱く人もいるのではないでしょうか?抗生物質の要・不要の判断には、非常に専門的な知識と経験が必要であり、この場だけでは申し上げられません。しかし、必要なケースをかなり最小限にセレクトし、まず必要だろうという場面で抗生物質を処方していくのが、耳鼻科の役割なんだと思っています。

次回は風邪に対する考え方(2)抗生物質を処方する場面とは?を記事にしますね。

 

 

みなさん、こんにちは、ドクターまこです。突然ですが、加齢性難聴って分かりますか?加齢現象で主に徐々に進行する難聴のことで、医学用語では「老人性難聴」と呼ばれています。私は「老人性~」という言葉が嫌いで、患者さんにも決して「老人性難聴」とは言わないようにしています。「加齢」という言葉ならなんとなく受け入れられる気がして、「加齢性難聴」という言い方にしています。加齢性難聴は、50歳頃から出現し、「聞こえるけど内容が理解できない」「聞き返しが多い」といった症状が現われ、聴力検査では「高音が聞こえない」「左右対称性である」というのが特徴です。最も重要なのは「聞こえにくいために起こるコミュニケーションの減少」です。会話が減少すると、本人の孤立感を生み、抑うつ気分となり、認知症にも繋がる可能性が指摘されています。現在、補聴器以外には十分な解決策がないのが実情ですが、日本では補聴器が欧米などに比べて普及率が低く、難聴の危険性に対する認識が浸透していないようです。私も補聴器相談医として、しっかり啓蒙していきたいと思っています。

今回、6月6日からPanasonicの企画した「聴き鳥テスト」の動画が公開されました。当院と私もちょこっと出演していますので、是非ご覧ください。私はともかく、音響や映像の美しさが半端じゃなくて素晴らしいと思います!

https://news.panasonic.com/jp/topics/160821.html 

 

皆さん、こんにちは!実はこの5月にえんクリは法人化し、正式名は「医療法人社団 慈穏(ジオン)」となりました。クリニックの理念としてこれまで「易しく優しい医療」を掲げて参りましたが、それを表現した言葉が、この慈穏という造語になります。慈しむ心と穏やかな心。ドクターまこが最も大事にしたい気持ちです。この気持ちを以って、受診してくださる皆さんと接し、制約された時間の中で、正しい医療を追求したいと思います。

”JION” 宜しくお願い致します!