■『善人よ強かれ』
(『純白』所収 五井昌久)
※仮名遣いは原文に従っています。
世界中に良い人が多勢いながら
悪い行の人々が常に幅をきかせ
戦争をしたくない人が一杯なのに
世界は大戦争の危機をいつもはらみつづける
こんな不合理な話はないのだけれど
事実は少数の悪に多勢の善が追いまくられる
こうした人類の狂いを直さないで
何んで世界が平和になることができようか
善人というのは人に悪をなさぬというだけではない
自分の生活だけを守ろうとする
心の弱い善人たちが
いくら多勢集まったところで
強力な少数の悪人の迫力に敵するものではない
真(まこと)の善人とは
人間の本心開発の為に
天の理想を地に現わすために
人類の完全平和達成のために
少しでも積極的に働きかけている人のことをいうのだ
国が焼けつくして
地球が燃えつくして
一体人間はどこへ遁げようとするのか
善人たちが勇気を出さないでいて
地球の危機が救われるとでもいうのか
善人たちが分れ分れの心でいてはいけない
一つ目的に心を合わせてこそ
誤れる人々を浄める力が現われる
悪党に世界を渡してはいけない
善人が天と直通して
大光明力を発揮しなくては
地球世界を救うことはできない
世界平和の祈りは
そうした心から生れでた祈りだ
悪は人間の本来性ではないのに
善人は悪を恐れ
悪の前に自己の前進を止める
そういう想いはすべて消えてゆく姿
世界平和の祈りの中で
神の大光明の中で
善人は逞(たく)ましく生れかわり
地球世界を浄めさり
真実の理想世界を現わさなくてはならない
善人よ
心正しき人々よ
神のみ心に結集して
さあ 天と地をつなぐ光の柱となろう