「受験シーズン」になると思い出す | グッドムーンのブログ

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今から14年前に書いたブログです。

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今、東京の大学に行っている息子は去年の今頃は大変でした。

2浪しているにもかかわらず、夏を過ぎてからやっとエンジンがかかって志望校になん

とか行けるかと自信をつけたときに、慌てふためく出来事が起こったのです。

それは大の苦手とする英語ばかりに集中して勉強していたので、得意の国語、政治経

済は最後に残していたのです。

そして国語と政治経済をやり終えて、さぁ英語の問題を久しぶりに解いてみようとしたと

き、かなりの数の英単語を忘れてしまっていたそうです。

2ヶ月もほとんどやっていないと英語は忘れるのだそうです。

問題を見ても、直訳も出来ない。

頭が真っ白になって大阪での地方試験をパスしました。

次の試験までに感を取り戻そうと必死でやっていましたが

7割までしか戻らなかったそうです。

そんな状態で本チャンの東京での試験はボロボロでした。

9校受けて手ごたえのあったのは、1校だけ

滑り止めも上手くいかなかったそうです。

東京から帰って来た息子は憔悴し切っていました。

そして帰って来た日が一番自信があった学科の合格発表・・・・。

それが落ちていたら全滅です。

文書で合格通知が家に届くことになっていました。

息子は、祖父からもらったお守りを胸に当てて

玄関で布団に包まって待っていました。

前日の午後に発送していたとしても速達なので午前中には着くはずです。

インターネットでも見れるのですが、怖くて見れないと言っていました。

しかし合格通知の速達は、午後を過ぎてもやって来ません。

その日は非常に寒く体の芯まで冷えるような天候でした。

2時、3時、4時まだ来ません。

息子はとうとう家(マンション)を飛び出して、外で待つようになりました。

妻は見るにみかねて泣いています。

本人も辛いでしょうが妻も同じ想いです。

私は現実を受け止めて、次のことを考えるように言おうとしていました。

戻って来た息子の体は氷のように冷え切っていました。

妻は嗚咽で声が出なくなっていました。

無駄だとわかっていても

ダメだとわかっていても

「自分の目で見てしっかりと受け止めなさい」

「そしてこれからのことを一緒に考えよう」

親と子の、辛い試練です。

東京の大学に行くのは自分の夢だったのです。

好きな本の仕事が出来る出版社は東京にほとんどが集中している。

大阪には出版社がない。

それが彼が東京にこだわった理由でした。

たった一枚の紙が息子の人生を握っている。

なんとも言えない気持ちになりました。

息子はパソコンの前に座って

大学のホームページにアクセスしています。

受験票を握りしめて受けた科目の受験番号を探しています。

競争率は7倍強、番号は飛び飛びで番号から番号の間が20くらい空いている数字が

あります。

「やっぱりダメか~」

そう思った瞬間でした。

「あったあった番号があった!」

息子が叫びました。

にわかには信じられません。

学部は学科は、学校名(笑)は間違っていないか

何度も何度も何度も確認しました。



「絶対に間違いないか?」

「ほんまにあるのか?」





「それやったら何で今日通知が来ないんだ」


調べてみると

発送は今日で通知が来るのは明日だったのだそうです。

「お・ま・え・は・あ・ほ・か」

みんな顔がぐしゃぐしゃになって泣いています。

笑っています。

妻は息子が郵便を見に外に出たときに

胸騒ぎがしたそうです。

よからぬことを想像したそうです。

それくらい鬼気迫っていました。

地獄から天国とはこのことなのかもしれません。

その大学は第一志望ではなかったのです。

でも絶対絶命のピンチの状態では

第2志望であろうと天国に昇るような気持ちになったのです。(後の8校はやっぱり落

ちていました)

それから息子は休む間もなくまた一人で東京に行き、自分の住む場所を決めて来ま

した。

そして現在は、ゼミ(1年からでも入れるのだそうです)で厳しい先生に指導してもらい、

サークルでたくさんの友だちが出来て、とても充実して楽しいのだそうです。

ゼミの先生から認められて某出版社にアルバイトに行けるようになったのだそうです。

「順調過ぎて怖いみたい」

と息子は言っていますが

決してフロック(偶然、まぐれ)ではない

あのときに辛い想いをしたから、今一生懸命に頑張れているんだね


と妻と話しています。


妻はあのときの話しをすると今でも泣ぐみます。

受験シーズンがやって来ると

この先何回でもあの日のことは想い出されるでしょう。


辛かったけど家族が一つになれた


幸せなひとときでした。


  




追伸


息子は私がブログを書いていることに全く関心がないのでこの日記がバレる心配は

ありません。

でも、もし見つかったらしばかれるので、証拠隠滅のために何日かしたら消そうと思っ

ています。わーい(嬉しい顔)




注) しばかれる とは標準語でどつかれると言う意味、あッ どつかれる も大阪弁だ

ったかな?


 
   

 
追伸の追伸

受験から5年が経った現在(2015年1月)の状況です。

息子は、無事4年で去年卒業し(笑)、自分の力で就職も決め、今元気に社会人として働

いています。(しかしまだ当たり前のことが出来ないこともあり妻と心配しています)

先日、お正月に帰って来たときに久しぶりにあの日のこと(受験発表の日)を話しました。

私 「まだ貴方は一人前の人として出来ていないことはたくさんあるけれど、東京で一

人暮らしを続けて働けていることはスゴイと思うよ。今の世の中自立出来ていない人

がたくさんいる。それだけで95点だと思っている」

息子 「確かにそうかもしれないけれど、それは紙一重だよ。あのとき受験に失敗していた

らどうなっていたかわかないもの」

 

私  「そうやったなあ、でもあのとき受かっていなかったら、「もう一浪(3浪になる)しても

いいよ」 って言うつもりやったんやで」 と言うと息子は驚いた顔をしていました。

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その頃の私と息子は心が通じ合えていませんでした。


今だから言える会話ですよね。

苦労したから受験で失敗した人の気持ちもわかる

挫折した人にも優しく出来る

失敗した人に

「そんなことたいしたことじゃないんだよ」

「自信を失うことではないんだよ」

「今、自立出来ていなくても決して卑下することなんてない」

「人間にはどんなことにも屈しない無限の可能性がある」

と言える。

息子の浪人は決して無駄ではありませんでした。

人生無駄なことなんてなんにもないのです。

マイナスも絶対にないのです。

そのことを改めて教えられたのでした。


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