躁うつ病における躁状態や軽躁状態は、気分や活動性の高まり、思考の奔逸などをつくり出し、創造性の源泉になります。このタイプの天才としては、周期性の双極性障害(躁うつ)を繰り返した文豪ゲーテ、宮澤賢治、音楽家のチャイコフスキーなどがよく知られています。彼らが、うつ状態になったときは生産性の停滞する面もありますが、その一方で、この状態での内的な苦悩や、心的な苦痛が作品の内面的な深まりに寄与

統合失調症では、幻覚や妄想気分などの特異な体験が作品に独特な特性を生み出すことがあります

エレンバーガー 創造の病

「芸術というものは本人の自己治癒の試みの一つである」(ユング)

狂気であるが故に創造できる。が、しかし創造することにより、発病が回避、抑止され、自己治癒を助けることになるのです。
自分の病気について語ることは、自分の病気を認識することになり、自己実現をもたらします。そして、創作活動は「語り」による癒しの効果を促し、病気の回復を早める一助にもなるのです。

 狂気と創造の関係はこうしたパラドキシカルな二面性をもっているのかも知れません。

    
  参考)「精神医学ハンドブック」創元社