アメリカ村のライブハウスで本番を終えたボクたちは打ち上げに全力を注いでいた。
“打ち上げも含めてがライブ”というのが当時のボクらのバンドスタイルだったからだ。
いわゆる“家につくまでが遠足”てのと同じような感じだ。
早々にライブハウスを抜け出したボクらは道頓堀のメインではないサブのまたサブぐらいになる橋の畔りで宴会を嗜んでいた。
それはそれは愉快なメンバーでの宴会でした。
バンド仲間のチョンマゲさんやフールガンのメンバーと呑むお酒は最高でした。
酔いが濃くなり始めた頃に尿意を催した某バンドのリーダーが普通科から特殊技能科へと進路変更した。
進路変更の願書を無事に受理された某バンドのリーダーはズボンをビッショビショにして“辛抱できんかった”という気持ちを見事に表現していた。
偏差値は低いが変察知は高い。
それを見たチョンマゲさんが路上に濡れたズボンを広げて『アイロンかけなアカンわ‼︎』と笑顔でVサイン。
路上に広げられたズボンの上をタクシーが走る。
もう1台タクシーが走る。
チョンマゲさんは路上のズボンに指をさして『ほら、アイロンかかったやろ‼︎』と嬉しそうに微笑んだ。
それから10分も経過しない内に某バンドのリーダーはクルブシ以外の場所すべての肉体美を披露し、見つかってはいけない団体に見つかり、捕獲され、赤ランプの着いた特殊リムジンで国家が経営する高給ホテルへと強制休憩させられることになった。
あと2ヶ月で30歳を迎える直前に起きた某バンドのリーダーによる20代最後の想ひ出の披露宴は今も尚、伝説となって語り継がれている。
【月の夜】
word/song NOSHI
悲しい夜に月の光
君の心 うつす月の夜
心ふるえた月の光
君のすべて てらす月の夜
終わらない夜の月の下で
痛いくらい君を抱きしめる
終わらない夜の月の下で
痛いくらい痛いくらい
君を抱きしめる