以前妻が仕事をしていた頃に「お客様からバカにされる」

と相談されたことがあり、

「そういう時は、カッパになって負けといてやる」という方法を

助言したことがある。

我を出せば、プライドが許せない時でも

自らがカッパになることで相手を許す生き方であり、

自身が子どもの頃に自ら編み出した処世術である。

 

また我が家では夫婦で宗教が異なるため

私が「これは神様のおかげだ」と言えば

妻は「これは日蓮大聖人による功徳だ」と意見が合わない。

それを取り持ってくれるのがカッパであり

我が家にはカッパが棲みついており、

「すべてはカッパが助けてくれている」

と言うことで夫婦の会話もまるく収まる。

 

さらには子宝に恵まれなかったせいもあり

我が家にはカッパのぬいぐるみが100体くらいある。

カッパたちは夫婦間に於いては

なぜか生きているような気がしてならないのだが

妻が留守の時のカッパたちは、

魔法が解けたかのように、ぬいぐるみに戻ってしまう。

他人に聞かれれば馬鹿馬鹿しく思われるのかもしれないが

私たち夫婦にとっては大切な存在であり

多くのカッパたちによって日々導かれ、助けられているのを感じている。

 

そんな中にいるカッパのぬいぐるみの「サボちゃん」は4歳で

2歳の弟たちには、いつも偉そうにしている。

そのサボちゃんは好き嫌いが激しく、

お団子とドーナツとお饅頭以外は食べない。

野菜を見せても、お魚を見せても、お肉を見せても

「おやさいきらい」「おさかなきらい」「おにくきらい」

と言って口にしない。

これでは成長することはなく、ここ7年くらいは4歳のままである。

なんとかそろそろ5歳にしてやりたいと願うが偏食は変わらない。

 

妻が「今度、ほうれん草を食べようね」と言っているのを見て

私は教会参拝の時に「サボちゃんがほうれん草をたべられますように」

と願ってみた。

たかがぬいぐるみのことなのに、私は真剣に神様に願い

帰宅すると妻に、事の次第を伝えた。

妻もはじめのうちは、私の行動を笑ったけれど

金光教では「神様にはどんなことでも願え」と教わっていることを説明すると

妻も理解を示してくれるようになり、

その晩、サボちゃんは初めてほうれん草を食べました。