パン、スイーツ、究極の麺まで… 国産米粉の可能性をひらけ!
今回は、輸入小麦の高騰でにわかに注目されつつある国産米粉の話。
普及はまだまだこれからという状況だが、
国際的な政情不安で小麦供給がひっ迫するのではとの懸念もあり、
様々な食の分野でニーズが高まる予感。
そんな中、独自技術とアイデアで、より使いやすい新たな米粉商品を生み出す企業が登場。
国内はもちろん、世界へと売って出ようとしていた!
米粉のパイオニア的企業「熊本製粉」は、
2006年にいち早くパンやケーキ用米粉の商品化に成功した。その最大の特徴は、
「米粉100%でもふっくら焼きあがる」こと。
パンをふっくらさせるのは小麦に含まれる「グルテン」の働きによるもの。
それまで米粉で焼くパンは、ボソボソ、パサパサ…が相場だったが、
同社は「技術センター」を設けて徹底研究!
特殊な粉砕技術を発案し、既存のものよりはるかに細かく均一で、
でんぷん質をしっかり保った米粉を作ることに成功した。
パン以外にも、てんぷら粉、お好み焼き粉など14種類の米粉100%商品を開発し、
「グルテンフリー」を売りに、国内外に販路を広げている。
一方、福岡県遠賀町のイタリア料理人・金田淳二氏は、
地元の自治体と共に100%米粉で作る「べいめん」を開発。
独特のもっちりした食感と、炊き立てのご飯のような味わいの麺で、
和洋中どんな料理にでも合うのが特徴だ。
材料は地元遠賀川流域の農家と契約した専用米。
コメ価格の下落に苦しむ農家の支援も兼ねているのだ。
この「べいめん」を広めるため、金田氏は専門の料理店をオープン。
ふるさと納税の返礼品としても注目されている。
さらに、栄養価の高い発芽玄米を使った乾麺バージョンも開発。
長期保存できる利点を生かし、海外への販路拡大も目指している。
出演:中島浩二、土居祥平、小野口奈々