「もったいない精神」でブレイクスルー 捨てるものから“お宝”を生む挑戦者たち
今回のぐっ!ジョブは、廃棄物から価値あるものを生み出す、驚きの技術を特集!
廃棄されたパソコンや携帯電話の基盤を“ある溶液”に浸けることで、
純度の高い金をどっさり抽出する企業や、
中身スカスカのウニに“捨てられていたあるもの”を与え、
身がパンパンのブランドウニに変身させる水産会社。
その結果、<海の砂漠化>とも呼ばれる磯焼け被害も解消!
キッチリ儲けて社会にも貢献する、
もったいない精神に満ちた驚きのビジネスに迫る!
廃棄されたパソコンや携帯電話の電子基板から金などを取り出す、
いわゆる“都市鉱山リサイクル”事業。
基盤を高熱で溶かし、劇薬を使って金を回収するのが一般的なやり方で、
自然の鉱石から金を取り出すより20倍は効率が良いと注目されているところが、
北九州市の「アステック入江」は
独自の“超エコ”なやり方で“金脈”を掘り当てた。
同社が目を付けたのは「塩化鉄液」。
金属は溶かすが金だけは溶かさないという特性を生かし、
基盤を溶液に浸けるだけで純度99%の金を抽出!
取り出した金は、基板の部品として再利用されたり、
金メダルやアクセサリーに生まれ変わるという。
さらに、塩化鉄液に加える鉄粉の比率によって、
銀や銅、レアメタルなども取り出すことが可能に。
加熱のための燃料も要らずCO2も出さないこの技術を生かし、
同社はリサイクル事業の拡大を狙っている。
一方、大分県国東市の水産会社「大分うにファーム」では、
画期的な養殖事業が始まっていた。
育てているのは海底の藻場を食い荒らして「磯焼け」を引き起こし、
沿岸漁業に甚大な被害をもたらす「ムラサキウニ」だ。
このウニは、自らが引き起こした磯焼けによって飢餓状態に陥っており、
中身がスカスカで商品価値はゼロ。
漁師にとっては駆除対象でしかない厄介者だ。
同社の栗林正英社長は、このムラサキウニを漁師から買い取って陸上養殖を開始。
わずか2カ月で身を15%も増量することに成功した!
決め手となるのが、“食用コンブの廃材”を使った特製のエサ。
これがウニの成長を促進しうま味もUP!
ブランドウニ「豊後の磯守」として売り出すと、
「有名産地の天然ウニに引けを取らない」
「養殖だけに個体差が少なくて良い」と話題になり、
大分県内の飲食店や旅館、福岡三越のレストランなどにも広がっている。
栗林氏は
「ウニを取る漁師、納品先の飲食店の輪を広げ、
地域全体を巻き込んだモデルケースにしたい」と熱く語る。
※出演者 中島浩二・小野口奈々