こんにちは。

 

小夜子です。

 

 

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夫(夜明けさん)に拒否される側のレス妻です。

 

新婚からずっとセックスレス。

気づけば干支一周回ってました。

 

私と夫の夜明けさんが本当の意味で向き合い始めるまでの12年間の歩みを綴っていきます。

 

本ブログはセックスレス解消指南ブログではありません。

 

「どう生きるか/死ぬか」に真剣に向き合った私の人生のターニングポイントの記録です。
 

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昨日の記事はこちら。

 

 

 

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引き続き夜明けです。

 

 

 

すがりつく小夜子を振り切ったあと、ボクと美月は付き合うことになりました。

 

 

美月にとって初めての彼がボクでした。

 

それまでそういった縁がなかったらしく、

 

人生で初めて「付き合う」という形を取ったのがボクであり、

 

また美月のはじめての相手もボクでした。

 

 

 

美月と過ごす時間は、これまでのボクには必要のなかった繊細さを要するものでした。

 

 

 

「次はここに行こう」とか「これを食べたい」とか自主的に計画を練るタイプの小夜子とは違って美月は「自分がこうしたい」とかそういう願望を特に見せず、なんでも相手の意向に合わせるタイプの女の子でした。

 

だからボクがエスコートする必要がありましたが、元来怠け者のボクにとってはこれがなかなか骨の折れる作業でした。

 

これまでは小夜子が「ここに行きたい」という場所についていけば(もしくは連れていけば)よかったものが今度は自分がリードしなけければ、美月を繋ぎ止めることが無理なような気がしていました。

 

 

 

発言のひとつひとつを取っても、きつく受け取られてしまう基準がボクの感性とは違っていました。

生まれ育った地域が違うせいなのか、それとも出身地は関係なくボク個人の口調のせいなのかはわかりません。

 

小夜子なら気にしなかった一言が美月にとってはきつく聞こえてしまうことが多かったように思います。

 

 

だからボクはありのままの自分でいることは控え、何気なく発した不用意な一言で美月を傷つけてしまわないように常にアンテナを張っておくようにしました。

 

 

 

 

 

 

美月はとてもきちんとした人でした。

まともと書いて美月と書きたいぐらいでした。

 

多くの世の女性が嫌がることはしっかりと嫌がるタイプでした。

 

だからボクは「スタンダードな彼氏」であることを必死で目指しました。

 

 

 

美月は煙草を嫌ったので彼女の前では吸うのをやめました。

ボクの趣味であるパチンコは言うと絶対に怒るのであえて打ち明ける必要がないと秘密にしておきました。

 

 

 

身も心も折れてしまいそうな か弱い美月を大切にしないといけないと細心の注意を払っていました。

 

 

 

それでも、ボクはどこか美月をつかみきれていないような感覚でした。

 

 

 

形としては付き合っているものの、本当の美月をまだまだ見つけられていないし、

ボクも本当のボクを見せていない。

 

 

まるで、コップの表面に張ってる水がこぼれ落ちないように二人で顔を見合わせながらそろそろとお盆を持ち運び、静かにうわずみをすするような・・そんな時を過ごしていました。

 

ボクたちの間には常に少しの遠慮と緊張感が流れていたように思います。

 

 

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そうこうしてるうちにお互いの赴任地が決まりました。

 

 

 

 

ボクと美月はあり得ないほど遠い場所に離れてしまいました。

お互いの赴任地を聞いた時点で、思わず この恋の行く末が厳しいものだと分かってしまったほどです。

 

 

そして、おそらく美月も同じ気持ちだったと思います。

 

 

 

研修を済ませて、それぞれの場所に配属されたあとは怒涛の現場での武者修行、

それに加え試験合格のための勉強も続けなければいけませんでした。

 

ただでさえ忙しい中であり得ないほど遠ざかってしまったボクたち。

どうにかしてメールや電話でやり取りは続けていたものの、実際に会うことはなかなか難しい状況が続いていました。

 

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そんな中、とある三連休にボクはやっとこさ美月のもとへ行くことになりました。

 

日本ってこんな広かったっけと呆れてしまうほど遠かった。

へとへとになりながら到着したボクを迎えたのはいつもと変わらない読めない美月でした。

 

 

付き合い始めてまだ3か月しか経っていない二人です。

 

久しぶりの再会でさぞかし燃え上がった・・・と予想するでしょう?

 

 

違いました。

 

 

 

現地に着いたボクを 美月は まるで友達が来たかのように出迎えました。

 

車で迎えに来てくれた美月との間に流れる空気はボクが知っていたものと明らかに違っていました。

 

口には出さないものの、お互い考えていることは似ていたのではないでしょうか。

 

 

久しぶりの再会は皮肉にも、

 

ボクたちの「芯」が急速に冷え始めていることを確認するための作業となってしまいました。

 

 

 

美月は本当にボクのことが好きで付き合っているんだろうか・・?

そしてボクは本当に美月のことが好きなんだろうか。

 

ボクたちは一体何なんだろうか。

 

 

まさに魔法が解けていくような瞬間でした。

 

 

 

 

研修期間で一気に燃え上がった恋が物理的に距離が離れたことで急速に冷え始め、

 

 

温め直すことができるかなと一縷の望みをかけて会いに来たけど

既に芯まで冷えかけてる事に気付いてしまいました。

 

 

それはボクからでもなく、美月からでもなく。

 

どちらともから。

 

 

 

 

いや・・もしかすると最初から美月はボクのことなんて好きじゃなかったのかもしれない。

 

 

ボクも今となっては分からなくなってきました。

 

 

 

とくべつな大ゲンカをしたわけでもありません。

 

むしろ喧嘩にすらならないほどボクたちは何の感情もなくなってしまっていた。

 

 

流されて始まった恋は蓋を開けてみると中身が空っぽだった。

 

 

 

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この再会を機にボクから能動的に連絡を取ることをやめてしまいました。

 

 

今まではボクからメールを送ったり電話をしてコミュニケーションを取っていましたが、

それをやめてみると・・・

 

 

美月からも一切ありませんでした。

 

ただの一度も。

 

 

 

僕はすべてを悟りました。

 

 

美月は最初からボクへの気持ちなんてなかったのかもしれない。。

 

壮大な夢から覚めたような気分でした。

 

 

 

 

 

決して美月のせいにするつもりはありません。

 

 

(本当かどうかは彼女を信じるしかないのでわかりませんが、初めて付き合う相手がボクだと言っていました)

 

 

 

美月からすれば、ボクの勢いを断ることが出来なかっただけかもしれないし、

ボクが「彼女と別れるから」とまで言い出したもんだから、後に引けなくなったのかもしれません。

 

もしくはボクと同じように場の雰囲気に流されただけだったのかもしれないし、

付き合ってみたら好きになれるのかも・・と思って付き合ってみたらやっぱり好きになれなかったということかもしれない。

 

 

本当のところどうだったのかを聞こうと思えば聞けたのでしょうが、ボクは本心を聞きたいとも思いませんでした。

 

 

 

今となってはボクたちのこの恋(だと思っていたものが)何なのかわかりません。

 

 

 

 

短期間で燃え上がってバッと散った恋のようなもの。

 

 

 

 

 

じゃぁ一体ボクはなんのために小夜子を傷つけたのだろうか・・。

 

 

 

失ったものの大きさにこの時気づきました。

 

失ってから始めて気づく大切なものがこの世にあるんだということを知りました。

 

 








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