話し合いのあった日の夜、●●の母親からショートメール。

息子が悪いことをしました。こんな息子ですが宜しくお願いします。体に気をつけて。

詫びらしい言葉は最後まで無かった。私は返信しなかった。
こうなったら利用するだけ利用して、子供が小学校にあがるまでこの廃屋でお金を貯めようと思った。けれど、義父の言う家賃というキーワードがやはり心のどこかで引っかかっていた。

私の予感は的中。

翌月、義父が家賃を払え、借金を返せ、払えないなら出て行けと言い出した。

義父が私の妊娠を知ったからだと感じた。

●●の借金のことは知らない頃に、妊娠した。私は二人目がいずれほしいと思っていて、自然な流れで妊娠したと思っていた。私の母は喜んでくれた。

●●の借金は働き盛りの人間ならばすぐに返せる金額だったし、●●のことは責めたが、これで家庭が崩壊するようなものではない。奮起して、新しい命をはぐくむのだと私は思っていた。

●●の母親と義父は違ったらしい。

義父は恐らく、金がないと●●の母親をつなぎ止められないと気付いていて、弟のような奴隷がもう一人ほしいのだ。要は、脱走した奴隷を家に引きずり戻したいんだ。妊婦でこれから長い子育て期間を再びスタートする私は働けなくてお荷物だし、子供は金食い虫。だから追い出したい。


翌月、出産前日。●●のもとに、再び家から出て行けと義父から連絡がきた。

私は実家に戻りたいと言った。こんな状況に身をおいていたくなかった。汚物のような狭い山小屋、毎日害虫に驚いて、子供も家具も服もカビに脅かされる、話し相手もいない、子供はやんちゃ盛りなのにまともに遊ぶ場所もない。返済に追われてどこかに連れて行くことすらできない。●●は仕事で帰らず、金の心配ばかり持ち込む。そのうえ出て行けと言われるなんて。頭が変になりそうだった。

その夜に破水して、出産した。