今現在、●●は義父に山小屋から追い出されかけている。
新しい住まいを借りようにも、いまだに離婚について具体的な話がまとまらず、そのルーズさから部屋の内見にも足が重い。ちいさな浪費が止められず金についての具体的な話を避けたいという気持ちもあるだろう。
これからどうするのと聞くと、同僚の独身男性の家に上がり込む予定でいると言った。
一回りほど年下の同僚が、彼女と住むために広めの部屋を借りたものの、仕事の都合でひと月ほど住めないからその間住んでいいと言ったらしい。
私の夫は、子供の父親は、ホームレスに片足をつっこんでいる。
どん引きと言う言葉の、引くという言葉の意味を理解した。
おそらく血の気が引くということだと。
後輩とその恋人が努力して貯めたお金で借りた、恐らく思い出深い住まいとなるだろう家。その舞台に初めて君臨する者としてその汚れた靴で上がり込み、カビに汚染された荷物を持ち込むのか。
彼は図々しく、無神経で、羞恥心も罪悪感も欠如した男に成り下がっていた。