言葉のチカラ


患者さんに前向きに頑張ってもらいたい時に

良い声かけの方法はないかなと、

いつも考えています。




先日、ペップトークという、

アメリカのスポーツ界で生まれた

試合前に監督やコーチが選手に対して行う、

短く、わかりやすく、肯定的な

魂を揺さぶる、激励のショートスピーチを

学んできました。

選手が最高のパフォーマンスをするために

磨き上げられたペップトークは、

スポーツ現場はもちろん

家庭、学校、職場など

幅広く活用可能なコミュニケーションスキルです。

アンガーマネジメントにも通じるものが

あると思いました。


人は、ネガティブな言葉を聞くよりも

ポジティブな言葉を聞く方が

やる気になることはわかっていますが、

中々良い言葉が思い浮かびません。

そこで、ペップトークのやる気にさせる言葉変換を

学んできました。


例えば、少年野球の監督が言いがちな

「高めのボールに手を出すな」は

「低めを狙っていこう」


「弱気になったら負けるぞ」は

「強気でどんどん攻めよう」


「負けたらグランド10周だぞ」は

「ベストを尽くしてこい」


失敗した時に「何やってんだ」は

「ナイストライ!次はうまくいく」

に変えると、

弱小チームが地域の大会で優勝し全国大会まで行けるチームになったそうです。

監督に怒られて、萎縮するよりも、

自ら頑張ろうと思える言葉で

のびのびと自分の力を発揮できるようになった結果です。





これを家庭で実践するなら、

「ゲームばかりやってないで勉強しなさい」は

「ゲームの集中力を勉強にも活かそう」


「忘れ物しないで」は

「持ち物を確認しよう。〇〇は持った?」


「なんでわからないのよ」は

「どこまで分かっているかな?」


「勉強しないと試験に落ちるわよ」は

「しっかり準備して試験に備えよう」





職場でなら、

「何度も同じことを言わせるな」は

「どこまで理解できてる?」


「やる気ないのか」は

「どうした、君らしくないぞ」


「どうせ無理だろう」は

「できたらすごいぞ、まずやってみよう」


「そんなことも知らないのか」は

「これ、知っておくと使えるぞ」


少し言い換えるだけで、

聞く側も、言う側も

気分が変わってくることに気づきました。

相手を変えることは難しいけれど

自分が変わることは、

自分で決められます。


私の好きな言葉に

「体は食べたもので作られる。

心は聞いた言葉で作られる。

未来は話した言葉で作られる」

というものがあります。


ペップトークで実践していきたいと思いました。