数年前に息子を3人灘高から東大に合格させた奈良のお母さんが一世風靡した。
本の出版、講演活動と引っ張りだこだったようだ。



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出る杭は打たれるようで、「受験に恋愛は必要ない」と語った言葉だけが
一人歩きし、かなりのバッシングも受けたらしい。
お手伝いは段取りする能力もつき、達成感も得られるから
させた方が良いという尾木ママに対して
本人にその気がないのなら、受験の障害になるからやらせない方がいい
と言い放ち、大議論を交わしたことも話題になった。

そんな騒ぎに対しての息子さんのSNSは神対応だった。
「息子の自慢もいきすぎると嫌味になる。
母の発言は何の資格も社会的責任もない
一個人の主婦のものだから、暖かい目で見てください」
としてネット上の炎上を収めた。
その後、4番目の娘さんも東大理Ⅲに合格された。
シャンプーの後、髪の毛を乾かすのはお母さんで
その40分の間に単語を覚えたそう。
3歳までに1万冊の読み聞かせをし、
テレビは見せず、携帯やゲームも制限。
勉強のスケジュールを立てるところから
問題集の添削や、過去問の編集から、願書の記入はもちろん、
受験前日から一緒にホテルに泊まり東大の門まで見送るなど
その徹底ぶりがすごかった。
そこまでするのは過保護だとするバッシングもあった。
しかし彼女はそこまでするかという指摘には
「そこまでもどこまでも、通るまでするに決まってる。
受験って通ってナンボ」
とバッサリ切り捨てていた。

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確かに、受験は戦略と戦術だと思う。
勉強が好きな子、嫌いな子では受験のスタイルも変わってくるだろう。
我が家でも3人3様の受験があった。
私は、勉強だけの中学高校時代を過ごしてほしくなかった。
その年齢でしか経験のできないことは勉強だけではないと思うから、
長女には高校時代にオーストラリアへの留学を勧めた。
多感な高校生の頃に、日本とは違う景色を見ること異文化に触れることは
大人になってから外国に行った時に感じるものとは違うだろうと思う。
友人関係や恋愛で上手くいったりいかなかったりすることも、
たくましい精神力やコミュニケーション能力を作り上げるためには必要だと思う。

今年話題になった豊田真由子議員や山尾志桜里議員も東大だ。
できるのが当たり前で、失敗を知らずできない人の気持ちもわからなかったために
秘書に対して罵詈雑言が出てしまったり、赤ちゃん言葉になってしまったり
政策顧問との密会など、人との距離感をうまく取れなかったりするのだろう。
東大4兄弟が彼女たちのような失敗をするとは思わないが、
受験勉強以外のことを、その時期に経験して乗り越えていくことは
人として成長するために必要なことなのだと思う。

それにしても、子どもを世界的なピアニストに育てた母や
スポーツ選手に育てた母の話ならここまで炎上することはないのに、
東大だとこんなに炎上してしまったのはなぜだろう。
日本は学歴社会であることの象徴なのかもしれない。
私はAIの登場で、東大卒が何の価値も無くなる日が来るかもしれないのに、
とこっそり思っている。

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