■家財保険と家財地震保険の重要性 | わかりやすい、ライフプランと保険の見直し

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たったいま、また体に感じる地震がありました。
昨日は、種子島口永良部島で大噴火がありましたね。
ちょっと、物騒になってきたように感じます。


<阪神大震災直後の経験>

今年は、阪神大震災が起こった年からちょうど20年目にあたります。
自分がその当時経験したことをふまえて、家財保険の重要性と、家財地震保険の重要性について取り上げてみたいと思います。

私は当時、都内である住宅メーカーの支店長をしていました。
そして震災発生から数日後、テレビに映る悲惨な状況に釘付けになっていたときに、会社で一本の電話がなりました。


「西宮のAやけど、井上さんいる?」
それは、平成7年の阪神大震災からさらにさかのぼること25年前、つまり昭和55年に私が新築住宅をお世話させていただいた兵庫県西宮市のA様からの電話でした。
A様ご家族の生命と、建物の安全を知らせてくださったのでした。

私は電話のあと、一瞬どうすればいいのかとためらいましたが、部下に仕事を任せ、取るものもとりあえず西宮に飛びました。

翌日、現地でA様と25年ぶりの対面。

「よう来てくれた!」
「あんた、家も堅めにつくってくれてたから助かったでぇ」

とAさん。
この歳になってもし家が壊れてたら、どうすればいいか?とおっしゃっていました。

実際に現地から数百メートルの所では、コンクリート製の新幹線の高架が崩落していました。

このように阪神大震災直後の状況を目の当たりにしましたが、倒壊したり、火災にあった建物はいうに及ばず、たとえ建物がどんなに頑丈でも家財は悲惨な状態でした。

たとえば、食器やテレビはバラバラになりました。
ピアノの形が天井についたりアイロンが天井を破って屋根裏に上がってしまったり、これは家財ではないですが、浴槽が洗い場まで動いてしまった現場を見ました。

その他パソコンなどの家電、衣服、ガラス製品・・・地震で被災した場合、たとえ生命が守られても、住居や家財には大きな損害が発生します。

このような地震による損害に備えるには、火災保険に加えて地震保険への加入が必要です。

さらに言うと、火災保険や地震保険は補償の対象が「建物」と「家財」に分かれていますので、建物だけの保険に加入している場合は家財は補償されません。

生活を再建するためには、建物だけでなく家財の補償も大切です。
建物も家財も両方を補償してもらうには、建物の火災保険・地震保険、家財の火災保険・地震保険に加入する必要があります。

家財保険の重要性

震災の経験を例に、家財の補償の必要性をお話しましたが、地震でなくても家財保険は重要です。

私が、ある火災事故の後処理に携わった事例ですが、隣からのもらい火でお住まいに被害を被ったのですが、家財保険に入っていらっしゃらなかったため生活の再建に大変苦労されたお客様がいらっしゃいました。

建物は、建物火災保険で補償されますが、家財は家財保険に加入していないと一切補償されません。
ここでいう家財とは、一言で言うと「引越しの際に持っていけるもの全部」です。
歯ブラシから下着までと言われますが、たとえば、テーブルやいすなどの家具、テレビ、パソコン、食器、衣類、など、全ての家財です。

年齢や生活状況によりますが、家財の額は大抵一人当たり100万円から300万円くらいなので、4人家族なら500万円~1,000万円くらいです。自分の家はそんなにないと思っている方もいらっしゃいますが案外多いものです。

これらの家財が火災等の災害で一瞬で焼失すると大変ですが、家財保険はこのような損害を補償してくれます。

このように、家財(火災)保険・家財地震保険はかなり重要ですが、建物地震保険に比べ家財地震保険の加入率は低い傾向にあります。

火災保険・地震保険の優先順位

持ち家の場合、保険の入り方として、建物火災保険、家財保険、建物地震保険、家財地震保険の4つの組み合わせとなります。私は長く火災保険の仕事もやってきましたが、私のおすすめ(優先順位)は下記表の順(①→④)です。



        火災保険   地震保険
   
   建物     ①      ④
              
   家財     ②      ③


地震による家財の被害を考えると、やはり家財地震保険を確保しておきたいものです。

ただし、建物地震保険にしても家財地震保険にしても、損害の認定基準は通常の火災保険・家財保険等の損害認定とは異なりますので注意が必要です。

FPは、業務を通してお客様の生命と財産を守るという、大切な役目も担っています。
ライフプラン相談の中で、生命保険の提案をすることが多くありますが、家財保険や家財地震保険についても、もっとわかりやすく目に見えるような表現を通し、より多くのご理解を得ていくことが大切ではないかと最近つくづく感じる