大寒とはいえ、ここのところ本当に寒い日が続きますね。
毎年、大寒から節分の間は一番寒いに決まってるか!
今日(26日)は暖かかったですね~!
明日はもっと暖かそうですが、、、。
さて、今日は保険を考える上で大変重要な「高額療養費」
について紹介します。
ふつう、健康保険の自己負担は原則3割ですね。たとえば・・・
治療費が1万円なら3,000円の負担、
治療費が10万円なら30,000円の負担ですね。
では、治療費が100万円なら自己負担はいくらでしょうか?
―――答えは3割の30万円ではありません!
もっと少なくて済みます。たった8万円で済む人もいます。
これが健康保険の「高額療養費」制度です。今日はこの「高額
療養費」と医療保険の関係について整理しましょう。
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¶今週の話題
~<頼れる味方「高額療養費」と「医療保険」の関係~
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◆素晴らしい制度があるのに、医療保険は必要なの?
医療保険やがん保険を検討する際に、押さえておきたいポイントの
ひとつが健康保険の「高額療養費」です。
通常、病院にかかると自己負担は3割です。
けれど、もし高額な医療費がかかった場合には、自己負担額に上限
があり、収入に応じて定められた金額(約4万円~約25万円)で済む
ことになっています。
たとえば、年収500万円の人が入院・手術して総額で100万円の医療費
がかかっても、自己負担は3割の30万円ではなく、約8万円強で済むこと
になっています。
これが高額療養費という「素晴らしく便利でありがたい制度」の効果
です。諸外国にもこんな制度は見当たりません。
しかし、それにもかかわらず保険会社はなぜ積極的に医療保険をすす
めるのでしょうか?一般に医療保険をすすめられる理由はこうです。
・差額ベッドが多額になります。
・食事費が自己負担になりました。
・家族の交通費や日用品がかかります。
どれも説得力はいまひとつですね。差額ベッドは調整可能だし、
食費は年中かかるし、その他の費用は遠隔地でなければ少額です。
◆医療保険に加入する、もうひとつの意義
3つの具体例をご紹介します。
①白内障のレンズ費用も最近の先進医療に。
平成16年にスタートした先進医療制度は、当初たった6種類
だったのが現在は90種類を超えています。
その中には、がん治療以外にも身近で利便性の高い技術があります。
たとえば、高齢者に多い白内障の多焦点レンズです。最高レ
ベルのレンズは片目で45万円くらいかかりますが、先進医療
特約に入っていれば躊躇なくこれを選ぶことができるでしょう。
②がん治療は手術後の治療費が増えてきています
がんの摘出手術後は、抗がん剤治療やホルモン療法が行われる
ことがあります。
抗がん剤やホルモン療法は多岐にわたりますが、一回5,000円~
30,000円くらいで月2~4回であればかなりの負担になります。
また免疫療法の一種ですが、これを受けた2,000人を超えるがん
患者のうち、1期~3期の人が一人も亡くなっていないという実
績も報告されています。
これらの治療は、健康保険がきかないことが多く自己負担です。
③最新の手術で、がんは瞬時に治ることさえあります。
代表的な先進医療として、転移していないがんの治療に極め
て効果的とされる陽子線治療や重粒子線治療があります。
これらも全額自己負担で約300万円かかります。
実施可能な病院は限られますが、これによって多くの方が完
全な健康を取り戻しています。
このような治療が必要になったときに、お金のことを気にせず治療に
専念できるように備えておくことは大切ではないでしょうか?
最近の医療保険やがん保険には、先進医療特約という便利な特約が
あります。保険料は月額100円前後です。モルモン療法の特約も数
百円から加入できます。
ただし現在、先進医療特約はそれのみで加入できる保険会社は
ありません。医療保険またはがん保険の特約として入ります。
がん保険の場合は、がん関連の先進医療だけが対象になります。
医療保険やがん保険が前提ではない「先進医療保険」という単品の
商品があればきっと売れる、と思うのは筆者だけでしょうか?(^-^)/
◆まとめ
「高額療養費」と「医療保険」とは果たす役割が違うといえます。
前者は病気をした際に、保険診療の自己負担額が過大になるのを軽
減する“公的な制度”です。
これは世界に冠たる誇るべき日本の健康保険制度の特徴です!
一方で、医療保険は保険診療外の費用に備えるものといえるでしょう。
現在多くの方が加入している日本の医療保険は、もともと入院費の
自己負担分をカバーする形でスタートしたので、いまでも入院日額
を気にする人が多いです。
ところが、最近は入院が短期化し、むしろ通院治療や先進医療、がん
治療で医師から提案される「保険外治療の負担増」を保障する役割へ
と変化していることもおさえておきましょう。
◆なお、、、高額療養費は、近々改訂されます。
残念ながら、高額療養費は若干改定されます。
2015年から上位所得者の自己負担限度額が増加することになります
のでご注意ください。
改定の前後による自己負担限度額は以下の通りです。
(出典は“協会けんぽ”です。以下のサイトは非常にわかりやすく、
参考にしていただけるのではないでしょうか?)
http://www.kyoukaikenpo.or.jp/g3/cat310/sb3020/r151
これまでは3つだった所得区分が細分化され5つになりました。さらに、
標準報酬月53万円以上の方の自己負担限度額が引き上げられました。
今回の自己負担額の引き上げは上位所得者のみですが、今後医療費の
赤字が続いて、さらに引き上げられる可能性があります。
(2015/1/25)