一番きつい時の記憶はあやふや。
全神経を生き残ることに費やしていたと思う。
息をしなきゃ、とか、それすら考えないとダメなレベル。
でも、ちょっと楽になると、人間的になる。
つまり、何かしらものを考えるようになる。

それが落とし穴。
考えれば考えるほど、負のスパイラル。
そこで知る。
物理的にどん底はあるかもしれないけれど、精神的などん底はない。

まぁ、落ちる、落ちる。
そのうち落ちているのでがなくて、これって上がっているのでは?
と、上下も左右も何もかも、わけがわからなくなってくる。
つまり、状況判断がわやくちゃになっている。

でも考えられるのは良いこと。
状況を考えられるなんて素晴らしい。

きっと。

とにかく、何をする気力も起きない。
出かけるとか、そんな大ごとじゃなくて。
炊事、掃除、洗濯、食事、入浴。

部屋の掃除を最後にしたのいつだっけ?
お腹空いてきた気がするけど、まぁいいか。
頭痒い、そういえば少なくとも3日はシャワーすら浴びてない。

要するに、汚い。
部屋も、自分も。
でも、気力がない。

これって、セルフネグレクトというらしい。
何にでも名前ってついているんだな。
休職しているのをいいことに、東京都美術館に浮世絵展を観に行った。
これまでも多くの浮世絵展を観に行ったけれど、量・質共に最高の部類に入ると思う。
コロナの影響で入場制限をしているので、ゆっくり観られることも素晴らしい。

時間をかけて間近で菱川師宣から明治期の作家まで。
本当に素晴らしい。
あの展示場に住みたいと思う人は多いと思う。

今まで私は東洲斎写楽の凄さを理解できていなかった。
役者の大首の作品は今までにも何度も観ていた。
でも、デフォルメが上手い人で時代を超えたデザインっぽいというイメージだった。

今回、世界で1枚しか現存していないという作品がいくつかあった。
その中の一つ。
東洲斎写楽の蘇我五郎と御所五郎丸。
蘇我五郎の目!動き!
筆舌に尽くし難いとはまさにこのこと。
こんなに素晴らしい版画に出会ったことがない!
と思った。

買う予定のなかった図版3,500円をお買い上げ。
後期は展示替えがあるという。
やばい、きっと行く。