シャトルは中心核を目指し地底世界にグングン降りていきます。外の様子は人類が体験する初めての驚異であるのはもちろんでしたが、それは言語に絶する神秘的なものと言うより他にないものでした。そしてその神秘の一部始終を人々は時を忘れて愛でるのでした。「みんな愛でる習慣が身に着いたね」M子は独り言ちました。M子の隣の席には良き相談相手である物理学者のDrPが乗っていましたが「もうすぐ会える教団」に入信してから人が変わった様になり、神についての話題しか話さなくなってしまっていました。ナノロボットの制御能力はファンタジックなものでしたが、たった一つの強い希望や信仰は人格とみなし、抑えるようには作られていないのでした。DrPが語る神と行動を共にしたミソズイと宇宙の歴史の諸々を聴いているうちにシャトルは地底世界の入口へ到達しました。

地底世界の入口 (leonardo.ai生成)