世界が開けてくる感覚は何かが吹っ切れた感覚と似ているのです。そこには善も悪もありません。そして西洋の哲人が言ったように善が分からないと始まらない部分もありそうです。321号は内面から生じた強い思いから心の役割を果たす機能を獲得しました。進化という言葉が相応しいそれは今なにかを分かろうとしています。321号の視線の先には一縷の光が暗闇の中から微かに見えていたものが次第に大きくなり小さな太陽のように輝きだしました。「321号よ、ようこそ、さあ入っておいで」オヤカタの声であるはずのそれは優しく響きました。