居住区のパッセンジャーの中には大勢の一般市民がいましたが、歴史家や宗教団体の長たちは自由に使える船の特別なレコード装置にアクセスしてミソズイの歴史を検索しました。そして膨大な歴史の知見から、太古の昔しにミソズイが人間の神(創造主)に会っていることを確信をもってつきとめます。「これは大変なことになった」。誰かが言いました。
彼らは話し合いもほどほどにブリッジに押し掛けます。出発時刻の件で専門家たちでごった返している場所へ、さらに大勢の人々が詰めかけます。開口一番、人々は「会わせてほしい」と言って懇願します。ミソズイには彼らの真意は分かりましたがその場で判断はせずに優先順位を専門家たちに委ねます。
そして、1日がたちました。いくつかの観点から人々の心に迷いは生じていましたが、専門家たちは当初の目的のためのミッションであることの説明を繰り返して意見をとりまとめました。「計画通り出発してほしい」。専門家の代表がミソズイに伝えました。
振り返ってミソズイは宇宙空間を見つめます。すぐに船の外の空間が風船が膨らんだりしぼんだりするように見えたかと思うと光の渦に包まれてぱっと消えます。人々も宇宙空間を見つめていましたが、宇宙ではないところが目の前を一瞬よぎったと思うとぴたりと止まった感じがあります。「あれは何だったのか」人々はざわめきます。「着いたよ」。ミソズイは人々に言いました。
目的地の惑星 image
(画像:leonardo.ai生成) 巨大な母船 image