先日、週刊現代の記事を読んで驚きました。「金ぴか先生」こと佐藤忠志さんの近況に関連する写真入りの取材記事でしたが、佐藤さんが逝去されたことがかさなり、ご生前の近況を伝えたものでもあり興味深く読みました。 内輪でいろいろと難しいことがあったようです。これについてはなんとも言いようがありませんが、 浪花節調にはならないで、ありのままの姿を見せる勇気を最後に示されたところに感動いたしました。

写真を拝見いたしますと、まるでインドのサドゥー(ヨーガ行者)のような風貌です。そういえば現代人には縁遠いかもしれませんが、インドにはアーシュラマと呼ばれ人生を4つに分けて考える思想があります。「学生期」、「家住期」、「林住期」、「遊行期」で時系列の順です。最初の2つは日本人でも分かりますが、あとの2つは分かりにくい。ざっくりと言うと「林住期」は森林に隠棲し静かに修行する時期。最後の「遊行期」は人生の晩年にあたり、これまでに知りえた知識や知見を説いて回る托鉢の時期です。遊んでいるわけではありません。佐藤さんには最後の「遊行期」をやってほしかったなと個人的には思います。日本中に必要としている若者が(とくに地方に)少なからずいたのではないでしょうか。人の寿命は運命なのでどうしょうもないですが。

好きなタバコはケントの1ミリ、お酒は20度のカップ焼酎のようでした。食事はほとんど食べない、それから服は着ないでした。nudist、naturistのようですねと言うと綴りが違うとかいって怒られそうだからやめときます。参考にネットで検索しますと昨年の取材ということでスポーツ新聞が書いていますが、ビールを朝から飲んでいるということを言われています。酔いの深さアルコールの強さを求めてビールからカップ焼酎へという変遷なのかもしれません。嘗てお酒のクラスはレミー等々、それからヴィンテージ高級ワインなんていう世界に長くいた人。一転してカップ焼酎が好みと言われているのを読んで私などは親近感が持ててちょっと嬉しかった。庶民の味、宝焼酎も悪くないですよね。車の趣味は学生時代に教習所でアルバイトする、スポーツタイプの車を買って乗り回すくらいだからもともと車好きはよく分かります。刀は知りませんが純鉄に近い砂鉄があった昔しの材料で作られた刀という切り口なら興味がありますね。

ちょっと見ただけでもSNSで佐藤さんを貶す意見が度々あったのが残念。詐欺師だとか、そうなら当時の高宮理事長率いる代ゼミが雇いませんよ。英語力云々なら当時の英語科の布陣をみれば予想がつくでしょう。猪狩、潮田、青木の東外大出身の老練な講師が主力にいる中で、若手であった佐藤さんは、独自の方法論1本で勝負して結果重視で伍していかねばならなかったはずで、生半可な実力ではもちません。まじめな方ですよ。亡くなられた方は反論できません。根拠もないのに貶すのは不謹慎でしょう。

やはり苦行僧のような、子供が見たらビックリするかもしれません。でもそういうところを世の中に見せるという選択をされたことには何か意味があると思います。後進へのメッセージのような。 ご冥福をお祈りいたします。