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今回は9月15日に開催されたライブイベント『Earliest Memories2018』のステージ裏でどのようなパフォーマンスケアをしてきたのかレポートします。

ステージ裏に入らせていただくのは今回で3回目ということもあり、お陰さまで沢山のアーティストの方に声をかけて頂き、各々の身体やパフォーマンスに沿ったケアを行わせていただきました。

 
 
 
まずはボーカリストの方に行ったケアを紹介します。
 
◆JURASSICのYU+KIさん
最初に問診を行い、現在抱えている不調を把握します。
次に全身の硬さや痛みがある場所を触って確認します。
今回は足の裏の足底筋膜(足の指を曲げる筋肉)と三陰交(ふくらはぎの内側)の部分に痛みがあったので、関係する腎経・肝経・脾経という3つの経絡を解しました。
3つの経絡を解した理由についてですが、経絡と筋膜の繋がりは大変似ていて、筋膜同様、経絡上のどこか1ヶ所に痛みや硬さがあった場合、他の部位も同じような状態になっていることが多いからです。
特に呼吸に関係する胸郭の部分は胸鎖関節と肋鎖関節のモビライゼーションを加え、念入りに解しました。
 
もちろん、以前書かせていただいたボーカリスト編で紹介した小胸筋もしっかりと解し、小胸筋上の経絡である大腸経も解しました。
次に頸部に対するマッサージですが繊細な場所なので、筋肉を解すというよりも喉の筋肉が滑らかに動くように皮膚を誘導しながら皮下組織との癒着を剥がすように解していきました。
最後に力みなく安定して立てるように股関節を調整しました。
 
◆LAIDのRYOさん
パフォーマンス後のケアでしたので、普段から感じている肩甲骨の内側の張りに対しアプローチしました。触診で痛みを感じる部分や動きが硬い部分を探っていると、前鋸筋に軽く触れただけでも強い痛みがあったので、前鋸筋を丁寧に解しました。
肩甲骨の内側の痛みに対し体側にある前鋸筋を解すのかというと、前鋸筋は肩甲骨の裏を通って内側に付いているので、硬くなると筋肉の量が多い体側部よりも量が少ない肩甲骨の内側に痛みが出現することが多いのです。
前鋸筋は呼吸の際、空気を吸う動作の補助筋としても働きます。歌うために呼吸補助筋である前鋸筋をしっかり使ったからこそ痛みが強かったのかもしれません。
前鋸筋が硬いとパフォーマンスに影響するため、普段から体幹の横を伸ばすストレッチをお伝えしました。
 
 
 
次にドラム、JURASSICのSHINGOさんに行ったケアを紹介します。

以前は休む事なくライブに出続けていた為に身体をケアをする時間をとれず、痛みを常に抱えながらのパフォーマンスだったので初めて施術をさせていただいた時はどこを触っても激痛が走る状態でした。

しかし、今はジムに通って筋肉量がアップしたので、筋力はもちろん柔軟性もアップし、パフォーマンス中の痛みは激減していました!

今回は最近休みが取れず後頭部からふくらはぎまでの張りを感じていたので、膀胱経を解し、肩甲骨はがしをして、最後に動きの確認をしました。

 

 

 

最後にギター・ベースの方に行ったケアを紹介します。

 

◆wyseのギタリストMORIさん

前回のギター・ベース編で書かせていただいたように、ギターの重さや弾く姿勢によって猫背もしくは片方の肩が下がっているなどの不良姿勢によって肩の痛みや手の痺れなどの症状が出てくる恐れがあるので肩甲骨が前に引き出されてしまう事で硬く縮んだ状態になっている前鋸筋を丁寧に解しました。

そして、肩甲骨が前に引き出されて伸張ストレスがかかっている上後鋸筋を解しました。

この筋肉を解すことで前腕の痛みを緩和させることが出来ます。

 

また高速でピックを動かし続ける為に、繊細な部分ですので指の力の入り具合・動かす感覚を確認しながら、手の平の筋肉を解していきました。

 

◆LAIDのベーシストJunichiroさん

普段から感じている右股関節の違和感の相談でした。両側の股関節に違和感があるのですが、右の股関節は外れるような感覚があるとのことでした。

なぜ右の股関節の方が違和感が強いのかというと、やはりベースを弾く際に右半身が下がりその負担が右の股関節にかかっているからだと言えます。

Junichiroさんの背骨をみると平背といって背骨のS字カーブが少ない状態でした。平背の方は股関節を前に突き出して股関節を靭帯の張力で安定させるため、股関節の安定(骨盤に大腿骨の骨頭を引き付ける)に必要なお尻の筋肉が弱化してしまいます。その結果、股関節不安定な状態となり、安定させるために腿の前や外側の筋肉が働くことでO脚になりやすくなるのです。

ですので、股関節を安定させる深層外旋六筋のトレーニングをお伝えしました。

 

◆JURASSICのベーシストanjiさん

ベーシストの方ので、体に左右差が出ていました。しかしanjiさんの場合は、胸を張った姿勢でベースを肩にかけているため、ベースの重さで体幹が右に傾くことはなく、ベースの重さが直接かかる左の肩甲骨の内側に痛みが出ていました。肩周りを触診したところ、左の前鋸筋に痛みがあったので丁寧に解しました。

ケア後、体を動かしてもらうと「軽くなりすぎて気持ちが悪い」と言っていただけました(笑)

 

 

 

最後に


上記したアーティストさん以外にも多くのメンバーさんからの相談やケアをさせていただきました。


今回も、多くのアーティストの方が自身が気づいていない無理や痛みを抱えながらパフォーマンスをしているのだと改めて感じました。

 

これからもアーティストやアスリートの方の助けになるべく、ドンドン情報を発信していきます!

 

 

 

それでは、また!