おはようございます!

理学療法士の權藤大介です。
 
 
 
今回は筋肉とタンパク質の関係と最近注目されているサプリメントについてお話します。
栄養素に関してはこちらをご覧ください。
 
まずは、筋肉がどのように大きくなる(筋肥大)かについて説明します。
筋肥大のメカニズムは3つあります。
 
① 筋タンパク質の合成
筋トレなど負荷がかかると筋肉に蓄えられたエネルギーが消費されるため、エネルギーとなる筋タンパク質を大量に合成して糖質とつながり筋肉に蓄えられることで、筋肉自体が大きくなる筋肥大が起こります。
筋肥大は糖質があって起こることから、筋トレをするなら糖質オフをしないほうが良いと言えます。
 
② 筋細胞の増殖
トレーニングによって筋肉が傷つくと筋線維の周りにある細胞が損傷した部分から入り、新たに筋肉の細胞となります。
一般的に言われている筋肉痛で起こっている筋肥大がこれにあたります。
 
③ 筋膜や腱での増殖
筋肉の損傷による細胞の増殖は腱や筋膜などの結合組織でも起こります。
以前は筋トレをし過ぎると腱に負担がかかると言われていました。しかし筋力は上がりませんが、結合組織の増殖による筋肥大が損傷しにくい筋肉を作り出します。
 
以上の筋肥大には必ず大量のタンパク質が必要となるので、トレーニングの前後はもちろん、普段の食事でもある一定の量を摂取しなければなりません。
トレーニング直前・直後には必要なタンパク質を摂取する量の食事は難しいので、効率よく摂取できるプロテインが活躍するのです。
 
 
 
次にプロテインやサプリメントについて説明します。
プロテインには大きく「ホエイプロテイン」「カゼインプロテイン」「ソイプロテイン」の3種類があります。
 
「ホエイプロテイン」
ホエイとはヨーグルトの上澄み液のことをです。
タンパク質以外にビタミン・ミネラルも豊富で、水に溶けやすいため吸収が早く、胃腸に負担をかけにくいです。
吸収が早いため、トレーニング直後の摂取が効果的です。
その分、他の2つよりも高価です。
 
「カゼインプロテイン」
生乳を構成するタンパク質の80%がこのカゼインです。
ホエイとは違い水に溶けにくいため、吸収がゆっくりとなります。
吸収がゆっくりであるため、腹持ちがよくダイエット時の間食や就寝前の摂取が効果的です。
 
「ソイプロテイン」
その名の通り大豆を主成分としているため、他の2つと比べると脂肪分が少なく、よりダイエット向きだと言えます。
吸収がゆっくりですので満腹感が長時間持続し、大豆に含まれるイソフラボンが女性ホルモンと似た働きをしてくれるので、肌の張りなど美容的な面でも効果的です。
 
 
 
次にサプリメントです。
よく耳にする「アルギニン」「BCAA」「シトルリン」は全てタンパク質を構成するアミノ酸の種類を指します。
タンパク質は体内で分解され、アミノ酸という物質になります。
アミノ酸には、体内では生成できないため食事によって必ず摂らなければならない必須アミノ酸と年齢によってはあえて摂らなくてもよい非必須アミノ酸があります。
 
アルギニン
非必須アミノ酸に分類されますが、幼少期には不足しがちなアミノ酸であり、身体の成長を促す「成長ホルモン」の分泌を促す働きがあります。成人に対する効果として成長ホルモンには食欲を抑え脂肪の代謝を促す働きがあり、ダイエット向きのアミノ酸といえます。
摂取するタイミングとしては、成長ホルモンが多く分泌されるのが運動時と睡眠中なので、運動前後もですが就寝前もおすすめです。
 
BCAA
Branched Chain Amino Acidsの略称で、必須アミノ酸であるバリン、ロイシン、イソロイシンがこれにあたります。
そして、筋肉を構成する筋タンパク質に含まれるアミノ酸の約35%に相当します。
ロイシンは多くの食品に含まれており、バリン・イソロイシンはチーズや鮪の赤身に多く含まれています。
3つのアミノ酸の役割は少しづつ違いますが、大まかな役割としては「筋タンパク質の分解を防ぐ」ということです。
運動中、糖質・脂質・血中のアミノ酸をエネルギーとしますが、少なくなってくると筋タンパク質を分解してエネルギーに変換します。
そこでBCAAを摂取し、代わりにエネルギーになってもらうことで筋タンパク質の分解を防ぐのです。
なので、摂取タイミングは運動前・運動中・運動後をおすすめします。
 
シトルリン
日本で発見された、スイカに多く含まれるアミノ酸です。
効果としては摂取によって体内の一酸化窒素が増え、一酸化窒素の効果で血管が拡張され血流量が増大し、新陳代謝が促進されます。
そのため、運動効果の増大と素早い疲労回復が期待できます。
摂取タイミングとしては、運動前のサプリメントとして摂取するのがおすすめです。
 
ここで最近話題になっている「HMB」についても紹介します。
「HMB」とは必須アミノ酸でBCAAにも含まれている「ロイシン」を吸収しやすいように変換したものです。
しかしロイシンの5~10%しか変換されませんので、3g(推奨量)のHMBを得るためにはロイシンを30~60g摂取しなければなりません。
メリットとしては少ない摂取量でBCAAと同様の効果が得やすいこと、腎臓に負担をかけにくいので、病気によって体重が減少してしまう患者への摂取などに使用されます。
 
サプリメントもそうですが、プロテインも飲めばムキムキになるわけではありません(笑)
逆にサプリメントやプロテインが理由で太るという事もありません。
 
栄養の回でお話ししたように
カロリーをしっかりとコントロールする事が大切なのです!
 
そしてサプリメントやプロテインでトレーニング効果をアップさせることで、理想の身体に近づけるのです。
 
今年の夏はとても暑く、食欲が落ちていて食事量を増やせていないかもしれません。
そんな時は酵素系のサプリメント(またの機会にお話します)を使用し食欲や消化を助けてあげましょう。
 
 
 
それでは、また!